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  • 2020/07/30 掲載

尾原和啓氏:「15分だけ打ち合わせ」が当たり前に、これからの仕事で起きる大変革

202X年 ぼくらの生き方・働き方 Vol.01 尾原和啓さん 後編

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IT評論家で最新刊『あえて数字からおりる働き方』著者の尾原和啓さんのインタビュー第2回は、アフターコロナの個人のキャリアに話が及びます。『オーケストラ型』社会から『ジャズ型』社会へ変化しつつある現代。時代の転換点に生きる私たちは、いかにマインドを変えていけばよいのでしょうか。

編集協力:WORDS 竹村 俊助

編集協力:WORDS 竹村 俊助

1980年岐阜県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本実業出版社に入社。書店営業とPRを経験した後、中経出版で編集者としてのキャリアをスタート。その後、星海社、ダイヤモンド社を経て、2019年に株式会社WORDS代表取締役に就任。SNS時代の「伝わる文章」を探求している。主な編集・ライティング担当作は『段取りの教科書』(水野学)、『ぼくらの仮説が世界をつくる』(佐渡島庸平、以上ダイヤモンド社)、『メモの魔力』(前田裕二)、『実験思考』(光本勇介、以上幻冬舎)など。手掛けた書籍は累計100万部以上。2020年7月には初の著書『書くのがしんどい』(PHP研究所)が刊行される。オンラインメディア「note」に投稿した「WORDSの文章教室」は累計150万PVを超える。

画像
尾原和啓氏
(写真は2018年6月にビジネス+IT編集部取材時のもの)

尾原 和啓 氏
1970年生まれ。京都大学大学院工学研究科応用人工知能論講座修了。マッキンゼー・アン ド・カンパニーにてキャリアをスタートし、NTTドコモのiモード事業立ち上げ支援、リクルー ト、ケイ・ラボラトリー(現:KLab、取締役)、コーポレートディレクション、サイバー ド、電子金券開発、リクルート(2回目)、オプト、Google、楽天(執行役員)の事業企画、 投資、新規事業に従事。経済産業省対外通商政策委員、産業総合研究所人工知能センターア ドバイザーなどを歴任。著書に『モチベーション革命』、『アフターデジタル』(共著)、『ザ・プラットフォーム』、『どこでも誰とでも働ける―― 12の会社で学んだ“これから”の仕事と転職のルール 』『IT ビジネスの原理』『ネットビジネス進化論: 何が「成功」をもたらすのか』などがある。


「オーケストラ」ではなく「ジャズ」的に生きる

 先日、独立研究者・著作者・パブリックスピーカーの山口周さんと「コロナによる変化でよかったことのひとつは『オーケストラ型』の社会から『ジャズ型』の社会に変わってきていることだ」という話をしました。

 これまでの世の中は「会議は週1回、この曜日に全員集まろう」とか「1人何分ずつ話そう」というように決まったことをきちんとこなすことが大切でした。それはまるでオーケストラのように、前もってしっかり準備して、きちっと実行して、また1週間準備する……というのが仕事のやり方でした。

 一方、リモートが前提となった社会では「いま空いてるから15分話そうか」というように、世界中の人との距離が、隣の席の人との距離と実質同じになります。

 今まではなんとなく「リアルで会わないと失礼」「わざわざ30分かけて会社まで来てくれたから、15分で打ち合わせを終わらせたら申し訳ない」という暗黙の了解がありました。往復30分とか1時間かけて先方に行っていたし、30分かけて来てくださったから「1時間は話さなくては」と思っていた。「1時間をブロックするためには再来週しか空いていないから、次の打ち合わせは2週間後に」ということも多かったでしょう。

 でも、リモートでは「俺は、この人とならいつでも仕事をしたいんだ」という人同士であれば「いま空いてる? じゃあ15分だけ打ち合わせしようか」というように即興で仕事ができるのです。

 ジャズはアドリブで演奏しますよね? グルーブ感を大事にして、演奏したい人がどんどんパートに入っていって、自分が黙ったほうがいいときは控える。今後は仕事もまるでジャズセッションのように進んでいくようになります。


肩書きではなく役割で見られるようになる

 オーケストラ型社会は、どうしても「肩書き社会」になりがちでした。課長や部長という肩書きがきちっと決まっていて、誰が何を判断し、どう動くかが決まっていた。

 一方ジャズ型社会では、ドラムパートが足りないときは「俺、ドラムできる人知ってるから呼ぶよ」となります。肩書きがなくてもドラムが叩ける人間なら仕事に呼ばれる。「ちょうど、いまドラム欲しかったんだ!」というように。

 今後は、肩書きではなく、役割で判断されるようになっていくでしょう。すると、知らない人に対しても「あなたは何者なの? 何を今したい人できる人なの?」というところから始まります。自分とまったく違う人と「会社名」ではなく「個人」として接するようになるのです。

 オーケストラは答えがかなり見えてます。その答えをきちっと実行できるように、しっかり準備しないといけない。大きな舞台も必要です。一方ジャズは、街中でノリとグルーヴがあればできます。自分のドラムのレベルがあまり高くないならば、自分とレベルの合う仲間を見つけて、街中でセッションをすればいいわけです。

 そうやって腕を磨いていくと、たまたま通りがかって演奏を聞いた人に「お前けっこう腕がいいから、うちのステージでやってみない?」と声をかけられます。そうして「わらしべ長者」のように、最終的にはブルーノートで演奏できるようになるかもしれません。ジャズ型社会はストリートジャズから始められて、上に行くまでの階段が緩やかになっているところがいいところなのです。

【次ページ】「バーベキュー社会」のすすめ

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