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  • 2020/09/14 掲載

儲かるテスラの経営戦略とは?もはや営業マン”無し”でも稼げる?そのカラクリとは

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新型コロナウイルス感染拡大の影響により、企業の対面販売や店舗での営業が困難な状況となった。そもそも対面の営業は必要なのだろうか──。従来の営業の在り方が問われる局面にある中、この先営業はどうあるべきなのだろうか。『営業はいらない』の著者である日本創生投資 代表取締役社長の三戸政和氏に、ニューノーマルにおける営業の在り方について聞いた。
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日本創生投資
代表取締役社長
三戸政和氏

約20年間で営業マンは約100万人減少

 ここ数年間で「営業」の在り方は大きく変わった。その理由の1つはテクノロジーの進歩であり、もう1つは商慣習の変化と言われている。日本創生投資 代表取締役社長の三戸政和氏は、「この2つの変化が、やがてモノやサービスと消費者の関係性、さらには企業の営業手法を大きく変えることになると考えています」と強調する。

 三戸氏が語るように、テクノロジーの進展と商慣習の変化は、どのようにモノやサービス、さらにはビジネスの在り方を変えていくのか。その事例として、ライドシェアリングサービスを提供するUberの存在を挙げられる。

「Uberのような、乗客とドライバーをマッチングさせるビジネスの概念は、古くから存在していましたが、それを実現するため手段(スマートフォン)がありませんでした。また、メルカリのようなCtoC取引が浸透した現代とは異なり、当時はネット上で知り合った他人の車に乗車することに対し、抵抗を感じる人がほとんどだったと思います。しかし、スマートフォンの登場と、それに伴う商慣習の変化によりUberは普及していきました」(三戸氏)

 他の業種や職種にも同様の変革が起こるのは、それほど先のことではないだろう。特に、古くからの商慣習が残り続ける「営業」という仕事は、将来、大きな変化が起こる可能性が高い。

 実際に、足もとの営業職が置かれている状況を見ると、少しずつ変化が起き始めていることが分かる。総務省統計局がまとめる「労働力調査年報」で営業職(販売従事者数)の推移を見ると、2000年頃の日本には968万人の営業職がいたが、2015年には864万人と大きく減少している。

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約20年間で約100万人の営業マンが消えた
(出典:三戸政和(2020)『営業はいらない』SBクリエイティブ)

 全体的には減少傾向にあるが、このうち「減少している営業職」と、「増加している営業職」があるという。両者を分けるポイントは何か。そして、三戸氏の言う“いらなくなる営業”とはどのような仕事なのか。

残る営業マンと、消える営業マン

 総務省のデータを見ると、全体的に減少傾向にある営業職だが、このうち営業事務職と呼ばれる職種は増加傾向にあるようだ。実際に、2010年頃に56万人だったのに対し、2015年には70万人にまで増えている。「これは、セールステックなどのテクノロジーをうまく使い、オフィスにいながら営業をかけていく内勤型の営業職が増えていることの表れです」と三戸氏は指摘する。

 ただし、内勤型の営業職も、外回り型の営業職も、重なる業務領域はある。必要なくなる営業職を見極める上で、そもそも「営業」とはどのような仕事かを整理しておきたい。

 営業のプロセスや機能を分解すると、一般的には、「アポ取り」→「初回訪問」→「情報把握」→「提案」→「クロージング」→「受注」という流れにそった一連の業務がある。「今後5~10年の間に、ある程度なくなっていくと考えている営業の仕事というのは、営業プロセスのうち『アポ取り』以降の業務のことです」(三戸氏)。

 もちろん、営業職がなくなるという意見に対して反論のある人もいるはずだ。「私が『営業はいらない』と発言すると、『情報把握』の部分、つまり顧客のニーズや情報を把握する仕事の部分はなくならないのではないか、という反論が出てきます。たしかに、その機能は無くならないと思いますが、これは実は営業の上流にあたる『マーケティング』が担う領域だと考えています」(三戸氏)

 「マーケティング」は、商品・サービス設計から価格設定、媒体などへの露出の設計、顧客選定とそのリストの抽出までのことである。通常、営業はマーケティング部門が作成した「顧客リスト」を元に商談のアポ取りを進めることになる。

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経営戦略の分類
(出典:筆者提供)
 

 そのほか、営業が必要なくなっていくと三戸氏が考える理由に、企業戦略のトレンドの変化が挙げられるという。

「たとえば、企業の中の役割をそれぞれ整理すると、経営戦略は『戦略』、マーケティングは『作戦』、営業は『戦術の実行』と分けることができます。従来であれば、このうちの川下の工程にあたる“営業”で人海戦術をとり、競合と競うことをしてきましたが、今後は川上にあたる“経営戦略”や“マーケティング”の工程で他社と競うことが主流になっていくことが予想されます。また、これまでは、人海戦術をとる必要があった川下の業務も、これからはテクノロジーを活用して効率化できるのではないかと考えています」(三戸氏)


人海戦術による営業は「公害」か?

 三戸氏は、川上の業務の見直すことなく、人海戦術で営業を押し付けることは、「公害である」と強調する。「公害」と指摘する営業は、いわゆるテレアポや、「顔合わせ」と称する訪問のような、相手の時間を無駄に奪う営業スタイルだ。一方的に送り付け、郵便受けに山のように溜まるダイレクトメールも、社会の重要なインフラである物流のリソースをむだに消費しているという。

 実際に、クラウド名刺管理サービスを提供しているSansanが2019年に行った調査では、そのような営業に対して「営業される側」の79%が「むだ」と感じており、また「営業する側」も74%が「むだ」だと考えていることが明らかになっている。

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営業に対する意識の変化が起きている
(出典:三戸政和(2020)『営業はいらない』SBクリエイティブ)

 「このような状況に対して、情報がほしい人だけにほしい情報が届けられる仕組み・環境が作れれば、無駄がなくなり、皆がハッピーになれる。そのような新しい営業のあり方を誰もが志向してほしいという思いが、『営業はいらない』を書いた理由でもあります」と三戸氏は話す。

 それでは、どのような経営戦略を考えれば良いのか。三戸氏は次のような図を使いながら解説する。

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テクノロジー活用の考え方
(出典:筆者提供)
 

「この図で整理した通り、上流工程の戦略の部分ほど人の関与が必要で、逆に川下に行けば行くほどテクノロジーが代替していくようになると考えています」(三戸氏)

【次ページ】イーロン・マスクに学ぶ、経営戦略の考え方とは

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