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  • 2021/08/25

年内に60万台到達予想、急ピッチで整備進む米国のEV最新事情とは

バイデン政権は8月5日、排気ガスを出さない「ゼロエミッション車」が新車全体に占める割合を2030年に50%に引き上げると発表した。また、5年間で1兆ドル規模を投じるインフラ投資計画の中には、EVの充電設備の整備も含まれており、全国にEV充電ステーション建設などが今後さらに進むことになる。EUによる2035年以降のガソリン車販売禁止、国内でも州ごとの同様の政策などが後押しし、EV化が加速する条件がそろった。その中で今、EVの商用利用も急速に広がっている。ロサンゼルス在住の筆者が米国におけるEV最新事情をレポートする。

米国在住ジャーナリスト 土方 細秩子

米国在住ジャーナリスト 土方 細秩子

米国在住のジャーナリスト。同志社大学卒、ボストン大学コミュニケーション学科修士課程修了。テレビ番組制作を経て1990年代からさまざまな雑誌に寄稿。得意分野は自動車関連だが、米国の社会、経済、政治、文化、スポーツ芸能など幅広くカバー。フランス在住経験があり、欧州の社会、生活にも明るい。カーマニアで、大型バイクの免許も保有。愛車は1973年モデルのBMW2002。

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ロサンゼルスにあるテスラの充電ステーション。現状、米国内にある充電ステーションの1割以上がカリフォルニア州に集中している
(写真:筆者撮影)


米国のEV普及率は8%、2021年は60万台を突破か

 米国のリサーチ会社であるParks Associatesは、8月4日、スマートエナジー・サミットを開催した。そこで話題の中心になったのは、急激なEV化が社会にもたらす影響、それに伴うビジネスの成長、再生可能エネルギーだった。

 米国のEV普及率は、2018年には3%だったが2019には7%、2020年には8%となった。また同社の調査では、普及率こそ横ばいだが、EV購入の意思については2018年には7%だったのが2019年に10%、2020年に15%と着実に増えている。

 今年の実績を見ると、EVAdoption社のデータでは昨年の販売台数が34万5285台だったのに対し、今年は58万5375台が売れるとの予測で、昨年比で69.5%増だ。しかし、実際の販売台数は今年1~6月期ですでに30万台を突破しており、年内に60万台に到達する可能性もある。

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EVの販売台数の推移(2021年は予想)
(出典:EVAdoption)

 一方、EV普及を阻む要素となっているのが、「価格が高い(27%)」「近くに充電ステーションがない(24%)」である(いずれもParks Associatesの調査による)。

テスラ「モデル3」とトヨタ「カムリ」の5年間TCOはほぼ同じ

 EVの価格に関しては、テスラが興味深いデータを示した。それが、購入後5年間の車両価格を含めた総コスト比較だ。テスラの「モデル3」は米国ではスタンダードレンジが約4万ドル、ロングレンジが約6万ドル。これは米国でも「ニアラグジュアリー(準高級車)」に分類される価格帯で、ほぼ同価格なのがBMW3シリーズだ。


 一方、米国で毎年ベストセラーセダンとなっているトヨタの「カムリ」は、価格が約3万ドル。つまり、車両購入価格そのものはテスラが1万ドル以上高い。

 しかし、平均1万2000マイル走行すると仮定した場合、年間の燃料コストはガソリン車が300ドル以上なのに対し、テスラの充電にかかる費用は120ドルほど。また、オイル交換、その他メンテナンスなどのランニングコストを含めると、5年間の総コストはEVのモデル3とガソリン車のカムリでほぼ同じになるという。

 最終的にテスラがはじき出した走行マイルあたりのオーナーコストは55セントで、カムリはほぼ50セントとなる。

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テスラ モデル3、トヨタ カムリ、BMW3シリーズの5年間のTCO比較
(出典:テスラ)

【次ページ】充電ステーションは建設ラッシュ、4月時点で11万6238基

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