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- 2021/08/25 掲載
年内に60万台到達予想、急ピッチで整備進む米国のEV最新事情とは
米国のEV普及率は8%、2021年は60万台を突破か
米国のリサーチ会社であるParks Associatesは、8月4日、スマートエナジー・サミットを開催した。そこで話題の中心になったのは、急激なEV化が社会にもたらす影響、それに伴うビジネスの成長、再生可能エネルギーだった。米国のEV普及率は、2018年には3%だったが2019には7%、2020年には8%となった。また同社の調査では、普及率こそ横ばいだが、EV購入の意思については2018年には7%だったのが2019年に10%、2020年に15%と着実に増えている。
今年の実績を見ると、EVAdoption社のデータでは昨年の販売台数が34万5285台だったのに対し、今年は58万5375台が売れるとの予測で、昨年比で69.5%増だ。しかし、実際の販売台数は今年1~6月期ですでに30万台を突破しており、年内に60万台に到達する可能性もある。
一方、EV普及を阻む要素となっているのが、「価格が高い(27%)」「近くに充電ステーションがない(24%)」である(いずれもParks Associatesの調査による)。
テスラ「モデル3」とトヨタ「カムリ」の5年間TCOはほぼ同じ
EVの価格に関しては、テスラが興味深いデータを示した。それが、購入後5年間の車両価格を含めた総コスト比較だ。テスラの「モデル3」は米国ではスタンダードレンジが約4万ドル、ロングレンジが約6万ドル。これは米国でも「ニアラグジュアリー(準高級車)」に分類される価格帯で、ほぼ同価格なのがBMW3シリーズだ。一方、米国で毎年ベストセラーセダンとなっているトヨタの「カムリ」は、価格が約3万ドル。つまり、車両購入価格そのものはテスラが1万ドル以上高い。
しかし、平均1万2000マイル走行すると仮定した場合、年間の燃料コストはガソリン車が300ドル以上なのに対し、テスラの充電にかかる費用は120ドルほど。また、オイル交換、その他メンテナンスなどのランニングコストを含めると、5年間の総コストはEVのモデル3とガソリン車のカムリでほぼ同じになるという。
最終的にテスラがはじき出した走行マイルあたりのオーナーコストは55セントで、カムリはほぼ50セントとなる。
【次ページ】充電ステーションは建設ラッシュ、4月時点で11万6238基
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