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  • 2022/06/20

ヘルスケアAIの活用事例12選、主要ベンチャーや注目企業、市場動向もまとめて解説

医療・ヘルスケア業界は、ほかの業界に先駆けて新たなテクノロジーやイノベーションを積極的に取り入れており、特にAI(人工知能)はヘルスケアのあらゆる領域で活用が進められています。膨大な時間と費用を要する新薬開発でAIを活用する「AI創薬」をはじめ、「がん治療AI」や「AI手術ロボット」などが注目を集めています。この記事では、インドの市場調査会社DelveInsight Business Research LLP(デルブインサイト)の市場調査レポート「創薬における人工知能(AI)-市場の洞察、競合情勢、市場予測:2027年」から、AIがヘルスケアに与える影響とAI活用が進められている12の導入事例について紹介いたします。

編集協力:グローバルインフォメーション

編集協力:グローバルインフォメーション

世界の主要調査会社250社以上とパートナー契約を結び、日本をはじめとする世界各所で市場調査レポートを提供している。パートナーが発行するレポートは複数産業の約10万点におよび、毎月2000点超の新刊が発行されている。レポートの販売のほか、提携先への委託調査の仲介も実施している。
企業URL:https://www.gii.co.jp/

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ヘルスケア業界でのAIは具体的にどんな分野で活用が進められ、どのような影響を与えるのか

医療・ヘルスケアのAI市場を成長させる「4つの要因」

 医療・ヘルスケア業界では新興テクノロジーやイノベーションを積極的に取り入れており、特に製薬・バイオテクノロジー企業、メドテック(MedTech:MedicalとTechnologyを組み合わせた造語)業界、スタートアップ企業は、患者モニタリング、創薬、前臨床実験、臨床試験、ゲノミクス、早期診断・検出ツールなどの分野で、革新的なAI製品を積極的に提供しています。

 またロボット支援手術、サイバーセキュリティ、患者管理、不正行為の検出などの分野においても、AIは大きく発展しています。昨今の新型コロナの影響を受け、AIに基づくテクノロジーの採用が加速しており、この傾向は今後数年間続く見込みです。

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新型コロナの影響でAIテクノロジーの採用が加速しているが、この傾向は向こう数年間続く見込み
(Photo/Getty Images)

 ですが、ヘルスケア分野におけるAIはまだ初期段階にあります。今後普及が進めば、さらなる新たな分野に進出し、人々の生活にも浸透するようになると考えられます。AIの主要企業として、ゼネラル・エレクトリック、コーニンクレッカ フィリップス、インテル、Fabric Genomics、ニュアンスコミュニケーションズ、NVIDIA、Shimadzu Recursion Pharmaceuticals、シーメンスヘルシニアーズ、Cloudmedx、IBM、ディープマインド・テクノロジーズ、Bay Labsなどが名を連ねています。


 地域別では、北米が世界のヘルスケアにおけるAI市場を支配しています。同地域における高い購買力、確立された医療インフラ、技術リテラシー、発達したITインフラなどが市場支配を促進していると思われます。発展途上国では、慢性疾患の増加、ライフスタイルの変化、高齢者の増加など、さまざまな課題に直面しているため、特にアジア太平洋地域においてはヘルスケアAIの採用に前向きです。また、欧州諸国や湾岸諸国も、ヘルスケアにおけるAI市場に多額の投資を行っています。

 DelveInsightによると、次の4つの要因が今後数年間におけるヘルスケアAI市場の成長を促進すると予想しています。

  • 個人投資家やベンチャーキャピタルからの投資の増加
  • がんや希少疾患の有病率の上昇
  • ゲノムおよびバイオメディカル分野における研究開発活動の活性化と意識の高まり
  • AI技術の採用

 メドテックやヘルス企業にとっては、市場シェアと収益の面で膨大なビジネス機会があります。同様に、ヘルスケアバーティカルをまたがるM&A、コラボレーション、パートナーシップの範囲も拡大しています。AIをヘルスケアに導入するため、政府から地域全体に向けた継続的な支援、有利なイニシアチブ、出資、資金調達の機会なども、AI市場の成長に多大な貢献をすると予想されています。

ヘルスケア業界“大注目”のAI活用事例12選

 ここからは、ヘルスケア業界で今注目のAIアプリケーションの活用事例について12分野で紹介します。

1.AI創薬
 創薬には膨大な時間、費用、労力が求められ、医薬品開発プロセスには平均10年から15年を要し、数十億円もの開発費がかかります。ある臨床試験の第1相(治験に参加を希望した健康な成人に対して開発中の薬剤を投与し、初めて人体で試験する)で、100ある薬剤のうち1つしか承認されない場合すらあります。

 これらの課題を克服するため、多くの企業が医薬品開発プロセスにおいてAIに多額の投資を行っています。化学的性質のスクリーニングから始まり、分子設計から薬のデータベースの整理に至るまで、すべてのセグメントで徐々にAIが利用されつつあります。臨床試験でAIをフル活用すれば、医薬品開発コストを90%削減できると期待されています。

 臨床試験にはさまざまな工程があり、中でも臨床試験参加者の識別は初期段階とされています。正確なターゲットとなる患者集団の選択、リクルート、参加者の維持は主要なプロセスであり、信頼性の高い結果を得るために不可欠です。しかし、従来の方法では、患者の選択に時間がかかり、労力のかかるプロセスでもありました。自然言語処理(NLP)を用いることで、この問題を大幅に解決することができます。

 世界的に見ると、GCファーマ(韓国)、ハンソー・ファーマシューティカル(中国)、アストラゼネカ(英国)、ブリストル・マイヤーズスクイブ(米国)、住友ファーマ、武田薬品工業などの主要な製薬大手がAI創薬ソリューションを採用しています。また、AI臨床試験の分野では、Deep Lens、AiCure、Owkin、VeriSIM Life、Unlearn.AIなど、米国の主要スタートアップが市場をけん引しています。

2.AIバーチャル看護アシスタント
 看護アシスタントは世界的に需要が高まっています。AIの力を借りれば、医療機関が一度に多くの患者を管理することが容易になるだけでなく、患者の多様なニーズにも応えることができます。AIバーチャル看護アシスタントは患者の状態を観察し、治療後のフォローアップを適切に行います。さらに、治療の各段階や医師の診察の合間に、音声とAIを通じてバーチャル看護アシスタントがヘルスチェックを行うことも可能です。

 カルテナビゲーションアプリのNuanceは、臨床情報を記録するプロセスの自動化を実現しました。Suki(旧名:Robin AI)も、医師のカルテ管理を支援するバーチャル看護アシスタントです。Robin Healthcareは、リアルタイムで交わされる医師と患者の自然な対話に基づき、機械学習を用いて臨床情報を文字起こしして記録するAIツールとして活用されています。

【次ページ】3.誤診を防ぐAI

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