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- 2023/09/09 掲載
減少する「タブレット端末」出荷台数、過去10年で最低…でもV字回復するといえるワケ
連載:デバイス新潮流
10年間で最少、減少するタブレットの出荷台数
MM総研によると、2022年通年のタブレットの出荷台数は631万台で、前年比32.8%減。2013年以降の10年間では最少台数だったという(上図)。理由として挙げられているのが、小中学校を対象として1人1台コンピュータを持たせるGIGAスクール構想による特需が終わったこと。2021年3月で小中学校の全国配備が一巡し、4月以降は低水準だったという。
日本はスマホだけでなくタブレットもアップル「iPad」のシェアが高く、2022年も50%以上を維持しているものの、台数自体は減少しているという。円安により2022年に価格改定があり、一部モデルが値上げしたことも影響したのではと分析されている。
レノボは安価路線から高級路線へ
グラフや数値だけを見るとタブレット市場は今後縮小していくのかと思われるかもしれないが、タブレットを提供するメーカーを取材していると攻めの姿勢を感じることが多い。たとえばレノボ。レノボは安価なAndroidタブレットを多数ラインアップしてきたが、2022年1月には12.6型の有機ELディスプレイ、ハイエンドクラスのチップセットを搭載した「Lenovo Tab P12 Pro」をリリースしている。キーボードとタッチペンを同梱(どうこん)してお買い得とはいえ、今でも10万円前後で売られている高級モデルだ。
23年6月に発売されたミドルレンジの「Galaxy Tab S6 Lite」が販売好調だというサムスン電子は、タブレットのラインアップを強化する。8月下旬に折りたたみスマホの新モデルと同時に、プレミアムグレードのタブレット「Galaxy Tab S9」シリーズが発表。9月から販売を開始している。
Tab S9シリーズは14.6型のTab S9 Ultra、12.4型のTab S9+、11型のTab S9という3サイズ展開。すべて鮮やかな有機ELディスプレイを搭載し、Tab Sシリーズで初めてIP68の防水防じんに対応した。
チップセットは最新かつ非常に高速なSnapdragon 8 Gen 2 Mobile Platform for Galaxy。価格は12万5,000円から21万円程度だが、スマホでも定評のある書き味のいいSペン(こちらもタブレットと同じIP68)が同梱され、アップルのiPad Proよりお得に購入できるとアピールする。
iPadはiPhoneとシームレスに連携し、iPhoneとiPad両方を持つユーザーもが多いが、Galaxyのスマホとタブレットも連携機能を備えている。スマホで撮った写真や動画などのファイルを素早くタブレットに移動できる共有機能や、スマホのメッセージ通知をタブレットで確認し、返信するといった同期機能を押し出している。 【次ページ】サムスン電子はiPadの対抗モデル販売
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