• 2024/03/11 掲載

グーグル「Gemini(ジェミニ)」とは何かをわかりやすく解説、使い方やサービス・プランまとめ

連載:グーグルの生成AIトレンドガイド

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2024年2月、グーグルが同社の生成AI製品「Gemini(ジェミニ)」へのリブランディングを発表し、同社の生成AIチャットサービス「Bard」も「Gemini」に改められた。Geminiは、同社のAIモデルおよびそれを使ったサービス群に共通して使われるブランド名だ。一部混乱している人もいるので、本記事では、Geminiの名を冠したAIモデルおよび各サービスやプランについて、全体像が把握できるよう整理してわかりやすく解説する。
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Geminiへのリブランディングでグーグルの生成AI時代は来るのだろうか
(Photo/Shutterstock.com)

精度や用途の異なる“3つ”の生成AIモデル

1ページ目を1分でまとめた動画
 Geminiとはグーグルの生成AIサービス全般を指す言葉で、従来から用いられていた大規模言語モデル(生成AIモデル)でのブランドに加えて、対話型AIチャット、Google Workspaceなど業務ツール、Android向けアプリなどでも同ブランドが用いられる(いわば、マイクロソフトのCopilotに近い存在と考えればよいだろう)。これを一つずつ紹介していこう。

 最初にAIモデルとしてのGeminiには、「Gemini Ultra」「Gemini Pro」「Gemini Nano」という3つのサイズが用意されている。

 もっとも高精度な「Gemini Ultra」は、後述するAIチャットの有料プランやビジネス向けプランで提供される最上位モデルだ。

 「Gemini Pro」は汎用モデルにあたり、無料のAIチャットやスマホアプリなどに提供される。多くのユーザーが最初に触れることになるのはこのモデルだろう。

 そして「Gemini Nano」は、スマホなどに内蔵して、端末内だけでAIの処理を完結させる「オンデバイス」とよばれる用途のためのモデルとなる。

AIチャットは「Bard」から名称変更へ

 チャット型AIサービスとしてのGemini(旧Bard)は、Googleアカウントさえ持っていれば誰でも利用可能な無料版に加えて、先述の最上位モデル「Gemini Ultra」を搭載した有料版「Gemini Advanced」が提供されている。

 無料版・有料版ともに、ChatGPTなどほかのチャット型AIサービスと同様に、テキストで質問や指示を送るとそれに対する回答が出力される。

 メールの下書きを作成したり、企画案を考えるためのブレインストーミングをしたり、自分で書いた文章の校正や要約をしたりと、さまざまな用途で利用可能だ。最新の情報を反映した回答ができるため、調べものにも使いやすい。

 さらに、画像をアップロードしてその内容について質問したり、回答結果に画像や表を出力させたりすることも可能だ。

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Geminiの画面。画面下部の入力欄に指示文を入力して送信する
(出典:著者提供)

 グーグルが提供するAIサービスならではの強みといえるのが、ほかのグーグルのサービスとの連携性の高さだろう。たとえば、「回答を再確認」は、出力された回答を裏付ける情報がWeb上に存在するかどうかを確認できるダブルチェック機能だ。

 また、連携の設定を有効にしている場合、自分のGmailアドレスに届いたメールやGoogleドライブに保管している資料について質問することも可能となる。さらに今後は、GmailやGoogleドキュメント内での文章生成をサポートする機能も搭載が予定されている。

「Gemini」の利用料金は?

 GeminiはGoogleアカウントを持っていれば、誰でも無料で利用可能だ。一方、上位版のGemini Advancedを利用するには、定額プラン「Google One AIプレミアム」(月額2,900円)への加入が必要となる。ほかのAIチャットサービスの有料版に比べて高価に感じるが、このプランには2TBのストレージ容量がセットになっている点がポイントだ。

 同じGoogle Oneのストレージ2TBのみのプランが月額1,300円なので、差額で考えれば月1,600円で有料版のGeminiが使える計算になる。

 普段からグーグルのオンラインストレージを利用しているユーザーならむしろ「お得感」すらある一方で、すでにほかのオンラインストレージサービスを利用している場合など、ストレージ容量を必要としない場合には少々手を出しづらい構成となっているのは難点だ。

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有料版のGemini Advancedを使うには、2TBのストレージがついたプランへの加入が必要
(出典:著者提供)

何ができる?ビジネス向けプランに本腰

 組織向けには、グーグルの業務ツール群「Google Workspace」に追加して利用できる「Gemini Business」(月額20ドル・年間契約)が用意されている。上位モデルの「Gemini Ultra」が利用可能で、通常のAIチャットに加えて、GoogleドキュメントやGmail、スライドなどのアプリケーション内でもGeminiを利用できる。

 個人向けのGeminiの場合、ユーザーによって入力されたデータがAIモデルを改善するための学習に利用される可能性があり、ユーザーもそれを承諾した上で使っている。

 一方でGemini Businessの場合は、入力データが学習に使われないことが保証されている。業務で利用する場合、プライバシーの保護は個人利用の場合以上に重要なファクターとなるので、この違いも大きいだろう。

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組織向けの「Gemini Business」は、Google Workspaceのオプションとして提供
(出典:著者提供)

 ビジネス向けにはこのほかに、以前から提供されていたGoogle WorkspaceのAIプラン「Duet AI for Workspace Enterprise」の後継となる「Gemini Enterprise」(月額30ドル・年間契約)も設定されている。

 さらに、開発者向けのクラウドサービス「Google Cloud」向けにもGeminiを利用できる環境が提供されており、グーグルがビジネス用途でのAIサービスの展開に本腰を入れ始めたことがうかがえる。

モバイルではより“手軽さ”を重視

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iPhoneの「Google」アプリのGemini画面。履歴はブラウザー版と同期される
(出典:著者提供)
 スマホからGeminiを利用する場合、PCと同様にブラウザーからアクセスする方法もあるが、より気軽に使えるアプリも提供されている。

 Androidスマホ向けには、専用の「Gemini」アプリが登場。本稿執筆時点では日本ではまだ利用できないが、今後順次各国へ提供されるとのことだ。

 iPhoneでは、「Google」アプリ内でGeminiを利用可能。こちらはすでに提供されており、アプリ画面上部のタブを「検索」から「Gemini」に切り替えることで利用できる。

 またグーグルのスマホ「Google Pixel 8 Pro」には、内蔵型のAIモデル「Gemini Nano」が搭載され、レコーダーアプリで録音した内容の要約や、メッセージアプリでの返信提案機能が提供されている(現状では英語のみ)。

 ブラウザーからアクセスして利用する通常のGeminiやスマホアプリはインターネットに接続して処理を行うのに対して、内蔵型のモデルは端末内だけで処理が行われる。そのため、通信環境の不安定な状況でも支障なく使えるのが強みだ。

グーグルの「AI逆転劇」は起きるのか

 Geminiの前身である「Bard」は、ChatGPTやCopilotなどの他の競合サービスに比べると少々影の薄い存在だった。

 実際、2023年春にリリースされた直後のBardは精度的に今ひとつだと感じる部分も多く、すでに高精度モデルの「GPT-4」が提供されていたChatGPTと比べると、どうしても見劣りしてしまうことは否めなかった。

 しかし、アップデートを重ねるごとにその不満は解消され、ほかのグーグルのサービス連携などの独自機能も搭載されるなど、着実に進化を続けている。

 そして今回、Geminiへのリブランディングが行われ、有料プランやビジネス向けサービスの展開も開始されたことで、いよいよグーグルのAIによる巻き返しが起きるかもしれない。本連載では、そんなGeminiの各サービスやグーグルのAIについて解説していきたい。

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