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- 2024/07/04 掲載
1.4億円でも引き抜き失敗? 生成AIで大波乱の「AI人材」争奪戦、狩り場は「あの会社」
連載:米国の動向から読み解くビジネス羅針盤
米NBCニュースの東京総局、読売新聞の英字新聞部、日経国際ニュースセンターなどで金融・経済報道の基礎を学ぶ。現在、米国の経済を広く深く分析した記事を『週刊エコノミスト』などの紙媒体に発表する一方、『Japan In-Depth』や『ZUU Online』など多チャンネルで配信されるウェブメディアにも寄稿する。海外大物の長時間インタビューも手掛けており、金融・マクロ経済・エネルギー・企業分析などの記事執筆と翻訳が得意分野。国際政治をはじめ、子育て・教育・司法・犯罪など社会の分析も幅広く提供する。「時代の流れを一歩先取りする分析」を心掛ける。

AI利用率「20→72%」、生成AIは「1年で倍増」
OpenAIのChatGPTが火をつけた世界的なAIブームは、衰えを知らない。米コンサルティング企業のマッキンゼーの調べによると、世界の企業や組織におけるAIの利用率は、2017年の20%から2024年には72%に達した。生成AIでは、2023年の利用率33%が、2024年には65%と倍増している(冒頭の図1)。またAIブームの主要なけん引役を務めるマイクロソフトの発表では、同社アンケート調査の回答者のうち、75%が「生成AIを実際に仕事で使っている」と答え、そのうち46%が「生成AIを使い始めたのは、過去半年の間」とするなど、将来的な需要が急速な成長を続ける可能性が示唆されている(図2)。

このようにAIの利用率が高まる中、テック大手各社はAIの需要持続を予想し、AIこそが「次なるメシの種」と見定めた。そして、データセンターの大量建設やAI対応のデバイス・半導体の開発などハードウェア面での対応を加速させている。
一方、ソフトウェア面では、LLM(大規模言語モデル)開発やAI演算処理に適したGPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット)向け開発環境の整備、AIフレンドリーなクラウド環境の構築、AI検索エンジンの開発、プロンプトの開発・最適化(プロンプトエンジニアリング)、そして究極的なAGI(汎用人工知能)の構築など、需要の高まりとともにAIのエンジニア不足が顕著となっている。

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