• 2025/09/16 掲載

今アツい「医療AI」、アップル・エヌビディア・グーグルも参戦「5兆円市場」の最前線(2/3)

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エヌビディアも参入、「デジタル手術」が医療現場を変える

 AIアルゴリズムは、手術プロセスの各段階を強化する。

 術前計画では、高度な画像解析、3Dモデリング、患者固有のリスクを評価する予測分析により、パーソナライズされた手術戦略の立案が可能となる。また、臓器のセグメント化と腫瘍の計測をAIが行うことで、効率化と人為的ミスの低減にもつながっている。

 手術中はAIが拡張現実(AR)と手術器具の追跡機能を通じてリアルタイムのガイダンスを提供し、意思決定支援システムがライブデータを分析すれば、外科医の正確かつタイムリーな判断をサポートできる。さらに、AI搭載のロボットは手術精度を高め、医師の疲労を軽減できるため、より安全な手術の実現と、患者の治療効果改善が期待されている。

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デジタル手術技術の市場規模の予測
(出典:BIS リサーチ社のレポートより編集部作成)

 エヌビディアは、ロボット支援手術や自律型画像処理の進展を目指した、新たなAI戦略を発表した。医療機器世界最大手のメドトロニックや、ジョンソン・エンド・ジョンソン傘下のエチコン(Ethicon)といった大手医療機器メーカーとの提携により、最先端のコンピューティング・プラットフォームとデジタル手術技術を統合し、リアルタイムのデータ処理、可視化技術の高度化、AIによる意思決定支援を目指している。

心臓疾患用AIが「95%超」の精度を実現

 AIによる心臓疾患モニタリング・診断は、検出・分析・管理の精度向上をけん引している。AIアルゴリズムの進化で、迅速かつ正確な診断や不整脈などの早期発見、遠隔モニタリングが可能となり、患者の治療成果と合併症予防に寄与する。

 特に、医療アクセスが難しい地域でもAI医療の普及が進み、専門的診断の効率化・低価格化によって多くの人が医療を受けられる時代が到来しようとしている。

 心臓疾患用AIのモニタリング技術については、アライブコア(AliveCor)、アイドック(Aidoc)、ハートフロー(HeartFlow)、アイリズム(iRhythm)、ウルトロミクス(Ultromics)などの主力企業がリードしており、GE、フィリップス、シーメンス、ボストン・サイエンティフィックなどの大手企業も、AIと心血管治療の統合を進めている。

 一方、ビズAI(Viz.ai)やテンパス(Tempus)のようなスタートアップは、リアルタイム診断や個別化医療の強化に注力し始めている。

 2025年初頭に米国立医学図書館で発表された『The role of AI in cardiovascular event monitoring and early detection(心血管イベントのモニタリングと早期発見におけるAIの役割)』という研究では、心血管疾患(CVD)の分類、予測、診断、モニタリングの精度向上におけるAIとMLの役割が強調されている。特にディープラーニングのような技術は、一部では95%を超える高い精度を示したという報告もあり、今後の応用が期待されている。 【次ページ】ヒューマノイドロボットを社会実装するための「7つの論点」
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