- 2025/11/08 掲載
キーエンスが活用、売上不振のお悩みも最強「診断ツール」で原因が丸わかり(3/3)
時間帯・曜日・担当者──原因をさらに深掘り
- 9-10時:38%(前月比2ポイント増)
- 10-11時:35%(前月比0ポイント)
- 11-12時:32%(前月比1ポイント減)
- 13-14時:30%(前月比1ポイント減)
- 14-15時:25%(前月比3ポイント減)
- 15-16時:20%(前月比5ポイント減)
- 16-17時:15%(前月比8ポイント減)
- 17-18時:10%(前月比10ポイント減)
まず時間帯別の分析です。朝の時間帯は比較的好調で、9~10時のコンタクト率は38%と高水準を維持しています。
これは前月より2ポイント改善しており、朝一番は担当者がオフィスにいる可能性が高いことを示しています。10~11時も35%と安定していますが、午後になると状況は一変します。
14時台には25%まで低下し、その後も時間が経つにつれて悪化していきます。
16~17時は15%(前月比8ポイント減)、17~18時にはわずか10%(前月比10ポイント減)まで落ち込みます。つまり、夕方の時間帯は10回電話をかけても1回しかつながらない状態です。
- 月曜日:28%(前月比2ポイント減)
- 火曜日:30%(前月比0ポイント)
- 水曜日:29%(前月比1ポイント減)
- 木曜日:27%(前月比3ポイント減)
- 金曜日:18%(前月比12ポイント減)
次に曜日別の傾向を見てみましょう。
月曜から木曜までは27~30%の範囲で推移しており、比較的安定しています。しかし金曜日は劇的に悪化し、コンタクト率は18%まで急落します。
これは前月の30%から12ポイントもの大幅な低下で、金曜日は在宅勤務や早退が多いことを示唆しています。
さらに重要なのが担当者別の分析です。
- Aさん(ベテラン):32%(前月比0ポイント)
- Bさん(中堅):28%(前月比2ポイント減)
- Cさん(中堅):26%(前月比3ポイント減)
- Dさん(新人):23%(前月比5ポイント減)
- Eさん(新人):16%(前月比9ポイント減)
ベテランのAさんは32%という高いコンタクト率を維持し、前月からの変化もありません。中堅のBさん(28%)、Cさん(26%)も比較的安定しています。
しかし、新人のDさんは23%(前月比5ポイント減)、Eさんに至っては16%(前月比9ポイント減)と大幅に悪化しています。
これらのデータから、3つの重要な示唆が得られます。
第1に、在宅勤務の定着により、特に午後遅い時間と金曜日はオフィスにいる人が激減していること。第2に、この環境変化に新人が対応できておらず、ベテランとの差が開いていること。第3に、従来の「終日均等に電話をかける」戦略では、もはや効果が出ないことです。
原因を特定したことで立てられた、具体的な改善策4つ
原因が特定できれば、改善策も具体的になります。ここでは4つの改善策を実施します。1.時間帯の最適化
特に最もコンタクト率の高い9~11時を「ゴールデンタイム」と位置づけ、チーム全員がこの時間帯に集中的に架電を行います。逆に、コンタクト率が15%を下回る16時以降は、新規架電を控え、すでに約束のあるアポイントの確認電話などに限定します。
2.金曜日の活動内容の抜本的な見直し
金曜日のコンタクト率18%という数字は、この日に新規架電を行うことの非効率性を明確に示しています。そこで、金曜日は外出日に設定し、そもそも架電自体を減らします。ちなみにキーエンスにおいても年末最終日と年始の最初の日は電話がつながりづらいため、外出が推奨されていました。
ベテランAさんの32%と新人Eさんの16%という倍の差は、スキルの差を如実に表しています。そこで、Aさんの電話トークを録音・分析し、成功パターンを抽出します。特に受付突破のアプローチ方法を重点的に開発し、週1回30分の電話スキル向上ミーティングで新人に伝授します。
4.電話以外のコンタクト手段の開発
そもそもコンタクト率が全体的に低下している現状を踏まえ、電話一辺倒から脱却する必要があります。メールでの初回アプローチ、LinkedInなどのビジネス特化型SNSの活用、さらにはチャットツールでのコンタクトなど、複数のチャネルを組み合わせた新しいアプローチ方法を開発・試行します。
このように、KPIがあることで、問題の所在が明確になり、具体的な改善策が立てられます。
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