- 2026/01/20 掲載
メルカリ生成AI担当・ハヤカワ五味氏、「他社事例は見るな」と断言する納得のワケ(3/3)
「反対派」とはどう向き合うべきか
会社組織で人が集まれば、さまざまな意見が飛び交う。生成AIに対しては不安や懸念を持つ反対派も根強く、「生成AIで作業時間が減っても他の仕事が増えるだけ」と、消極的な意見もある。導入推進において壁となる感情面について、どのように捉えるべきだろうか。「実際に生成AIに反対する人も多いと思います。弊社では、『なぜ生成AIを導入するのか?』『なぜ生成AIを使うのか?』『メルカリはこれから生成AIと一緒にやっていく』というメッセージを整理しています」
「直近では弊社のCTOも、『これまでの人間中心だったものがAI中心になるが、それは終着点ではありません。お客さまが中心であり、お客さまに対して価値を最短かつ最大限に提供することが、生成AIを導入する意義です』としています。社員にとってもお客さまの価値を最大化することが目標であれば、1周回って給料が上がったり、会社存続など自分のメリットにつながるでしょう」
同様に生成AIによる業務改善に必要な作業手順の棚卸しなどは、負担などを理由に反対されることも多い。メルカリにおいては、2025年7月に発足した生成AIの専任チームである「AIタスクフォース」が活躍するという。
「実際に業務の棚卸しなどは負担も大きく、難しいと思います。そこでメルカリではAIタスクフォースがこうした業務に取り組んでおり、100人強の人員を投じています。1人2人でできることではありませんし、現場にきちんと人を入れてやるべきなので、苦労はあってもやらなければいけません」
「これは私個人の意見ですが、会社として何を提供すべきかを定めることが重要だと思っています。そこに対する最短経路を引き直すために、AIを前提として考え方や仕事の進め方が必要でしょう。そのための準備段階として、作業の棚卸しが必要であると理解しています」
AIエージェント活用へ…超重要な「Do以外」とは
メルカリではすでに生成AIの導入推進が定着しており、次の段階に進もうとしている。最後にハヤカワ氏に今後の展望について聞いた。「直近ではAIエージェントにおけるマルチエージェントについて考えています。生成AIを組織に取り込む場合に、どのようなAIエージェントの組み合わせが効果的かを調べたり、AIエージェントが成果を出せる環境作りなどに取り組んでいます」
そのため、PDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルのDo以外の部分でAIに活躍してもらうことが必要だという。
「生成AIによる業務改善のために作業内容を掘り下げると、PDCAサイクルのDoをAIにやらせたいという人が多いです。しかしこれは旧来的な自動化と同じ領域だと思います。そこで実際にAIが活躍するのはDo以外の、PCAの部分でしょう。その点における活用は弊社でも、まだまだ進んでいません。こうした点を生成AIとともに取り組みながら、新たな事例を作るのが直近の目標と考えています」
生成AIに対する視聴率を上げながら、担当者だけでなく経営層も含めた組織全体として関心を持ってもらう。他社の事例にこだわらず、自社に合わせた取り組みを行う。生成AIの導入推進はまだまだ道半ばであるが、成功に導くためのヒントが得られた取材となった。生成AIに取り組む企業においては、担当者だけでなく、組織全体としてメッセージの発信に取り組むことを期待したい。
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