- 2026/01/14 掲載
売上95%減の絶望…峠の釜めし6代目が「脱・観光依存」のためにやった「5つのこと」
フリーのテクニカルライター。コンシューマからエンタープライズまで、初心者向けの記事からテクニカルな解説記事、広告記事、企業取材記事などを手がける。執筆した書籍はこれまでに約80冊。オールアバウトでは「パソコンソフト」「ワード(Word)の使い方」「MS Officeの使い方」のガイドもつとめる。2008年からWordカテゴリーでのMicrosoft MVP。
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前編はこちら(この記事は後編です)
一時売上95%減…コロナ禍で直面した「経営危機」
高見澤氏は2012年に代表取締役社長に就任して以降、新たな事業の柱作りと認知度向上に向けたさまざまなチャレンジをいくつも断行してきた。その背景には、前編で触れたように、入社当時から抱いていた危機感にあるという。「入社した当時に、釜めしに頼りっぱなしの状態に危機感を覚え、第2、第3の柱を作らなければならないと強く思いました。もう1つ感じたのが、お客さまの世代交代とともに『峠の釜めし』の認知度が下がっていたことです。このため、もっと多くの若い方々に知っていただくことも、私にとっての重要なテーマとなりました」(高見澤氏)
具体的な新事業については次のページ以降で紹介するが、高見澤氏や荻野屋にとって大きな1つの転機となったのが2019年末に起きたコロナ禍だ。緊急事態宣言が発出されたのは2020年4月だが、その少し前からコロナ禍の影響が徐々に現れていたと、高見澤氏は次のように振り返る。
「春先の花見シーズンは最初の繁忙期なのですが、観光バスのキャンセルが相次いで売上が一気に減りました。一時期は前年比で95%減まで落ち込んで大変な危機感を覚えました。ですが、弊社だけではありません。むしろこの機会を、コストを徹底的に見直すきっかけにしようと考えました」(高見澤氏)
もともと2012年の社長就任以降、コスト構造の見直しは進めていたが、コロナ禍をきっかけに、より大胆なスクラップ&ビルドを断行。具体的には、不採算店舗の閉店、物流コストをはじめとする固定費の見直し、人の再配置、一部システムの変更などを進めたという。
とはいえ、売上が伸びなければいずれ経営は行き詰まる。厳しいコロナ禍を耐え抜くことができた理由について、高見澤氏は次のように述べる。
「幸いにしてテイクアウト、中食が重宝され、スーパー・百貨店など取引先さまから釜めしを求められる機会が多かったことに救われました。また、GoToトラベル事業も、我々にとってはプラスでした」(高見澤氏)
さらに拍車をかけたのが、「鬼滅の刃」とのコラボだった。『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の公開に合わせて、同社にコラボ弁当の声がかかったのである。
「2020年10月9日から12月31日の期間、群馬県を舞台に『鬼滅の刃×SLぐんま~無限列車大作戦~』と題したコラボイベントが開催されました。そのイベントに声をかけていただき、アニメに登場するキャラクターに合わせた釜めしを製造・販売したところ、とても好評でした。これらによって、コロナ禍を何とか耐え抜くことができたと感じています」(高見澤氏)
こうした経験を経て、高見澤氏は代表取締役就任から掲げる「観光業依存の脱却」への重要度を高め、事業の再編などに注力。では具体的にどのような、戦略で進めているのだろうか。 【次ページ】「脱観光」へ新業態、そこでぶち当たった「物価高」
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