• 2026/07/02 掲載

【狙い目12銘柄】AI株はもう遅い? 実はエヌビディアも入る「割安テック株」リスト(2/5)

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【銘柄1~3】最大43%割安、SAPら“堅守速攻”株の実力

■SAP
  • 米モーニングスターの株価/公正価値(注3):0.57
  • 米モーニングスターの不確実性評価:Medium
  • 米モーニングスターのエコノミックモート評価:Wide
  • 業種:ソフトウェア-アプリケーション

注3:株価/推定公正価値の比率が1.00超は株価が過大評価されていることを示し、1.00未満は株価が過小評価されていることを示す。

 ソフトウェアアプリケーション企業のSAPは、今買うべき最良のテクノロジー株リストの中で最も割安な銘柄である。SAPは1972年にドイツで元IBM社員らによって設立され、今や世界最大のエンタープライズアプリケーションソフトウェア提供企業である。同社株は現在、米モーニングスターによる推定公正価値である317ドルに対して43%割安となっている。

 SAPはエンタープライズアプリケーションソフトウェアの世界最大手であり、ERPソフトウェア分野におけるグローバル市場のリーダーである。同社は、クラウドベースのSaaS製品のサブスクリプション販売に加え、オンプレミスソフトウェアのライセンスおよび保守料金から収益を得ているが、オンプレミス製品は現在、段階的に縮小されている。主力のERP製品であるS/4HANAのほか、出張・経費管理向けのConcurや調達向けのAribaといったバックオフィスソフトウェアも提供している。

 同社はERPのクラウド化では出遅れたものの、現在では2つの有力な製品を提供している。大企業顧客がオンプレミスERP(ECC)からS/4HANAへ移行する際に利用するプライベートクラウド版のRISE with SAPと、より要件がシンプルなミッドマーケット企業向けのパブリッククラウド版となるGROW with SAPである。

 GROW with SAPは同社の製品ポートフォリオにおける重要な空白を埋めるものと私たちはみている。従来、SAPのERPは導入コストの高さから小規模顧客には魅力に欠けていたからだ。これら新製品の投入により、クラウド売上は急速に拡大しており、SAPは多くの中堅企業新規顧客を獲得している。

 SAPはエンタープライズソフトウェア市場で一般的な「ランド・アンド・エクスパンド」戦略を採用している。RISE with SAPおよびGROW with SAPが顧客獲得の入口となり、その後クラウドベースのモデルを活用して追加製品のアップセルやクロスセルを行う。同社は最新の長期目標をまだ公表していないが、少なくとも2027年までは売上成長の加速とクラウド事業の規模効率化に伴う利益率の上昇が見込まれている。

──ロブ・ヘイルズ氏(米モーニングスター シニアアナリスト)


■ブロードリッジ
  • 米モーニングスターの株価/公正価値:0.60
  • 米モーニングスターの不確実性評価:Medium
  • 米モーニングスターのエコノミックモート評価:Wide
  • 業種:情報技術サービス

 ブロードリッジ・ファイナンシャル・ソリューションズは、2007年にオートマティック・データ・プロセッシングからスピンオフして設立され、銀行、証券会社、伝統的およびオルタナティブ資産運用会社、ウェルスマネージャー、企業発行体向けに投資家コミュニケーションおよびテクノロジー主導のソリューションを提供するリーディング企業である。同社のエコノミックモート評価はWideで、株価は米モーニングスターによる推定公正価値である255ドルに対して40%割安となっている。

 ブロードリッジは20年以上にわたり、証券会社向けの議決権行使(プロキシ)および中間サービスの分野で支配的な地位を築いてきた。規制対象であるこれらのプロキシおよび中間業務は同社の中核事業であり、純利益の大部分はプロキシシーズンにあたる第3および第4四半期に集中している。

 同社は証券処理ソリューションを提供するグローバル・テクノロジー&オペレーション部門から、手数料収入およびEBITDAの30%超を生み出している。また、個人投資家の参加拡大に伴うポジション増加や取引量の増加も同社にとって追い風となっている。

 2007年のスピンオフ以降、同社は事業の効率化を進めるとともに隣接市場へと進出してきた。清算業務では長年損失が続いたことから、2010年にペンソン・ワールドワイドへ売却している。その後、郵送、データセキュリティ、処理能力を基盤として、2010年以降に30件以上の買収を実施してきた。

 主な買収としては、2016年のDSTの北米顧客コミュニケーション事業(4億1,000万ドル)や、2019年のRPMテクノロジーズ(3億ドル)が挙げられる。北米顧客コミュニケーション事業は、金融サービス、公益事業、医療など多様な分野に対して、印刷およびデジタルコミュニケーション、コンテンツ管理、郵送最適化、フルフィルメントサービスを提供。RPMはウェルスマネジメント向けのエンタープライズソフトウェアおよびサービスを提供している。

 2021年には、注文・執行管理トレーディングソフトウェアや注文ルーティング、ネットワーキング、コネクティビティソリューションを提供するアイティビティを25億ドルで買収したが、この買収は割高であったと私たちはみている。

 ブロードリッジは2023年12月の投資家向け説明会で、今後3年間の年次目標として、経常収益の成長率7~9%(オーガニック成長率5~8%)、調整後営業利益率の50ベーシスポイント以上の拡大、調整後1株当たり利益の8~12%成長を掲げた。これらの目標は従来の3カ年計画とほぼ同様であり、同社はその目標をおおむね達成している。

──ラジブ・バティア氏(米モーニングスター アナリスト)


■タイラー・テクノロジーズ
  • 米モーニングスターの株価/公正価値:0.63
  • 米モーニングスターの不確実性評価:High
  • 米モーニングスターのエコノミックモート評価:Wide
  • 業種:ソフトウェア-アプリケーション

 今買うべき優良テクノロジー株リストで次に挙げるのは、タイラー・テクノロジーズである。タイラー・テクノロジーズは、市町村、郡、学校、裁判所、その他の地方政府機関のニーズに対応する包括的なソフトウェアソリューションおよびサービスを提供している。同社株は現在、米モーニングスターによる推定公正価値である500ドルに対して37%割安となっている。

 私たちはタイラー・テクノロジーズを、成長が緩やかで十分なサービス提供が行われてこなかった公共サービス向けソフトウェアのニッチ市場における明確なリーダーとみている。SaaS需要の加速や地方政府における旧式ERPシステムの刷新ニーズの高まりを背景に、同社は今後10年にわたり年率約10%の安定した売上高成長を実現できると私たちは考えている。

 同社の中核製品は、基幹ERPシステムであるMunis、裁判所管理システムであるOdyssey、そしてWeb対応の取引プラットフォームの3つである。これらのシステムは、財務管理、人事管理、歳入管理、税金請求、資産管理など、政府機関の日常業務を支えている。

 タイラーは、市町村、郡、学校、裁判所、その他の地方政府機関のニーズに対応している。顧客先で稼働している既存の基幹システムの多くは導入から少なくとも20年が経過しており、非常に古いソフトウェアコード上で運用されている。しかも、これらのシステムを維持できる十分なスキルを持つ次世代のプログラマーはほとんど育っていない。こうしたレガシーシステムの延命を続けることはもはや現実的ではないと私たちは考えている。

 タイラーは近年、複数の施策を通じて、取引量に連動する経常収益の拡大へと大きく舵を切っている。過去5年間では、裁判所向け電子申請であるE-Filingや、水道料金のオンライン支払いなどの基本的な行政サービスを提供する地方自治体向けWebポータルが、こうした収益の主な源泉となっている。さらに、2021年4月に実施した政府向けソリューションおよび決済サービスの大手企業であるNIC Inc.の買収が、取引量ベースの経常収益へのシフトを一段と加速させたと私たちはみている。

 最後に、私たちはタイラーの製品ポートフォリオ拡大が、より多くのソリューションを含む大型案件の獲得につながっていると考えている。同社はかつて10万ドル規模の案件を1件1件獲得するために競争を強いられていたが、現在では政府機関向け市場で十分な実績と知名度を確立しており、関連する政府システムの選定プロセスではほぼ必ず候補企業として検討される存在となっている。潜在顧客基盤も確実に拡大している。

 事実、州全体を対象とした電子申請システム、取引プラットフォーム、裁判所システムなどに関する案件では、年間数千万ドル規模の契約が相次いでいる。さらに、地方公共機関向け市場は依然として細分化されており、タイラーと同等の規模や事業基盤を持つ競合企業は存在しない。このため、同社は市場において有利な立場を享受している。

──ダン・ロマノフ氏(米モーニングスター シニアアナリスト)
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