- 2026/07/02 掲載
【狙い目12銘柄】AI株はもう遅い? 実はエヌビディアも入る「割安テック株」リスト(4/5)
【銘柄7~9】「AI本命株」が“まだ買える”理由
■ダッソー・システムズ- 米モーニングスターの株価/公正価値:0.75
- 米モーニングスターの不確実性評価:Medium
- 米モーニングスターのエコノミックモート評価:Wide
- 業種:ソフトウェア-アプリケーション
ダッソー・システムズはコンピューター支援設計および製品ライフサイクル管理ソフトウェアの大手プロバイダーであり、ボーイングやフォルクスワーゲンといった顧客に対し、製品開発から生産に至るまでのプロセス全般を支援している。同社株は現在、米モーニングスターによる推定公正価値である29.30ドルに対して25%割安となっている。また、同社のエコノミックモート評価はWideである。
ダッソー・システムズは、CADソフトウェアの世界的リーダーである。同社のハイエンドCADソフトウェアであるCatiaは、自動車、航空宇宙、産業機械分野における業界標準として広く採用されている。一方、主力CADソフトウェアであるSolidWorksは、中小企業市場におけるリーディング製品となっている。
ダッソー・システムズはCAD以外にも、製造業向けの製品ライフサイクル管理やシミュレーションソフトウェアなどの関連分野で主導的な地位を確立している。また、臨床試験管理向け電子データ収集ソフトウェアのリーディング製品であるMedidataを通じて、ライフサイエンス向けソフトウェア市場でも強固な事業基盤を築いている。同社は、クラウドベースのSaaSとしてソフトウェアを提供するほか、オンプレミス版ソフトウェアの販売および関連保守サービスを通じて収益を得ている。
同社の中期戦略は、主に2つの成長ドライバーに基づいている。第一に、3Dexeprienceプラットフォームおよびクラウド環境における顧客基盤の拡大と利用領域の深化である。第二に、産業分野の顧客による新たな3D UNIV+RSESプラットフォームの採用拡大である。これにより、3Dexeprienceプラットフォームの導入が加速するとともに、生成AI機能の収益化が可能になると見込まれている。
ダッソー・システムズはまた、資本配分を通じた価値創出も目指している。産業イノベーション分野では、業界のベストプラクティスを活用することで新たな領域への進出や新規顧客の獲得を図る方針だ。ライフサイエンス分野では、患者データと臨床試験データをAIと組み合わせることで、提供サービスの拡充を進めている。また、主流市場向けソリューションでは、SolidWorksによる細分化された市場の統合が成長をけん引すると期待されている。
ダッソー・システムズは、2024年から2029年にかけて年率7~8%の売上高成長を目標としており、1株当たり利益については2.20ユーロ超への倍増を見込んでいる。
──ロブ・ヘイルズ氏(米モーニングスター シニアアナリスト)
■マイクロソフト
- 米モーニングスターの株価/公正価値:0.75
- 米モーニングスターの不確実性評価:Medium
- 米モーニングスターのエコノミックモート評価:Wide
- 業種:マイクロソフト
マイクロソフトは、コンシューマー向けおよびエンタープライズ向けソフトウェアの開発およびライセンス提供を行っている。同社の株価は米モーニングスターによる推定公正価値である600ドルに対して25%割安となっており、エコノミックモート評価はWideである。
マイクロソフトは、PaaSおよびIaaSソリューションを幅広く大規模に提供できる数少ないパブリッククラウドプロバイダーの1つである。OpenAIへの投資を背景に、AI分野においてもリーダーとしての地位を確立している。また、Office 365の上位プランへのアップセルにも成功しており、特に先進テレフォニー機能の追加がその一例である。これらの要因により、同社はよりフォーカスされた企業へと進化し、高い成長率と拡大する利益率、そして顧客との関係強化を実現している。
私たちは、Azureが新生マイクロソフトの中核であると考えている。事業規模はすでに約750億ドル規模と推定されるが、年間約30%の成長を維持している。
Azureにはいくつかの明確な強みがあり、顧客が特定のワークロードをクラウドへ移行しながら試行できる柔軟性を提供し、シームレスなハイブリッドクラウド環境を構築できる点が挙げられる。既存顧客は同一のマイクロソフト環境にとどまるため、アプリケーションやデータをオンプレミスからクラウドへ容易に移行できる。
また、同社は広範な既存ユーザーベースを活用し、Azureへの移行を促進する接点として活用できる。さらにAzureは、AI、ビジネスインテリジェンス、IoTといった構造的成長分野の基盤としても機能しており、これらを軸とした新サービスの投入が続いている。
マイクロソフトはまた、従来のオンプレミス製品をクラウドベースのSaaSへと転換している。LinkedIn、Office 365、Dynamics 365、Power Platformといった重要アプリケーションでは、この転換がすでに折り返し点を過ぎており、もはや財務上の重荷とはなっていない。Office 365はオフィス生産性ソフト分野において事実上の独占的地位を維持しており、近い将来にこの状況が変わるとは考えにくい。
さらに同社はゲーム事業においても、収益のサブスクリプション化およびクラウド化を進めている。私たちは、顧客主導でオンプレミスからクラウドへの移行が引き続き進むと見ており、今後数年間は高い売上成長と利益率の改善が継続すると考えている。
──ダン・ロマノフ氏(米モーニングスター シニアアナリスト)
■エヌビディア
- 米モーニングスターの株価/公正価値:0.75
- 米モーニングスターの不確実性評価:Very High
- 米モーニングスターのエコノミックモート評価:Wide
- 業種:半導体
エヌビディアは、GPU開発メーカー大手である。同社のエコノミックモート評価はWideであり、株価は現在、米モーニングスターによる推定公正価値である280ドルに対して25%割安となっている。
エヌビディアのWideなエコノミックモートは、AI市場の爆発的な成長を支えるGPU、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーキング技術における圧倒的な市場リーダーの地位によるものだ。長期的には、大手テクノロジー企業がAI分野におけるエヌビディア依存を軽減するべく、代替サプライヤーの確保や自社開発ソリューションの構築を進めると私たちは予想している。しかし、こうした取り組みが成功したとしても、エヌビディアのAI市場における支配的地位を部分的に侵食するにとどまるだろうと考えている。【次ページ】【銘柄10~12】AI時代の“隠れ勝ち組”、地味だが強い基盤株
エヌビディアのGPUは並列処理に適しており、多数のコアを用いて大量のデータを同時に効率よく処理することができる。これに対し、インテルのPCおよびサーバ向けプロセッサや、アップルのMacおよびiPhone向けプロセッサに代表されるCPUは、「0」と「1」のデータを逐次的に処理する方式を採用している。GPUの主戦場は長らくゲーム市場であり、エヌビディアのGPUグラフィックスカードは業界最高水準の製品として高い評価を受けてきた。
近年では、AIワークロードを高速化するうえで並列処理が事実上不可欠な要件となっている。エヌビディアはAI向けGPUハードウェアで早期に先行したが、それ以上に重要なのは、独自のソフトウェアプラットフォームであるCudaを開発したことである。これらのツールのおかげで、AI開発者はエヌビディアの環境上でモデルを構築できるようになった。
私たちは、エヌビディアがハードウェア面で優位性を持つだけでなく、Cudaを中心とした高いスイッチングコストの恩恵も受けていると考えている。このため、AIモデルの学習向けチップ市場において、他の半導体設計企業がエヌビディアに代わるリーダーとして台頭する可能性は低いとみている。
また、エヌビディアのネットワーキング分野への事業拡大も目覚ましい成果を挙げている。これにより顧客は複数のAI向けGPUをクラスター化して接続し、大規模なAIモデルの学習処理を効率的に実行できるようになっている。
私たちは、エヌビディアの将来性は当面、良くも悪くもAI市場の動向に大きく左右されると考えている。大手クラウドサービス事業者は今後も自社開発ソリューションへの投資を継続すると予想され、AMDもデータセンター向けGPUやAIアクセラレーターの開発を進めている。しかし私たちは、エヌビディアのGPUとCudaが依然として業界をリードする存在であるとみている。
また、同社の極めて高い企業価値評価が正当化されるかどうかは、今後数年間にわたるAIインフラ構築投資の拡大ペースにかかっていると考えている。
──ブライアン・コレロ氏(米モーニングスター シニアアナリスト)
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