- 2026/07/02 掲載
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【銘柄4~6】ソニーはまだ割安?知られざる“鉄壁ニッチ株”
■ソニーグループ- 米モーニングスターの株価/公正価値:0.66
- 米モーニングスターの不確実性評価:Medium
- 米モーニングスターのエコノミックモート評価:Wide
- 業種:コンシューマー・エレクトロニクス
ソニーグループは、コンシューマー・エレクトロニクス事業をルーツとする複合企業であり、電子機器やデバイスの設計、開発、製造、販売を手掛けるだけでなく、コンソールゲームやモバイルゲーム、音楽、映画などのコンテンツ事業も展開している。私たちは同社のエコノミックモート評価をWideとしており、同社株は現在、米モーニングスターによる推定公正価値である32.50ドルに対して34%割安となっている。
技術や消費者の嗜好が急速に変化する中、コンシューマー・エレクトロニクスメーカーがエコノミックモートを構築することは困難である。デジタル家電の買い替えサイクルは通常4~6年程度だが、多くの製品がコモディティ化しているため、顧客が他社ブランドへ乗り換えるのを防ぐようなエコシステムを構築することは容易ではない。そのため、ソニーのエレクトロニクス事業の収益性は過去には不安定であった一方、音楽、映画、金融サービスの各事業は堅調な業績を生み出してきた。
ソニーは過去10年間、コンシューマー・エレクトロニクス事業の収益変動を抑制するとともに、音楽、映画、ゲームなどのエンターテインメント事業向けコンテンツの獲得に積極投資を行うことで、より堅固で安定した成長を実現できる事業モデルへと変革を遂げてきた。
コンシューマー・エレクトロニクス事業では、ソニーが強みを持つデジタルカメラや音響機器が利益を生み出している。一方、テレビ事業では、プレミアム製品に注力するとともに在庫を厳格に管理することで、損失回避を最優先としている。
音楽および映画事業では、コンテンツの拡充や新たなアーティストの発掘を進めることで、ストリーミング市場の拡大といった成長機会を取り込むことに成功している。
イメージセンサー事業は世界最大の市場シェアを有している。売上の大半はモバイル市場向けであり、スマートフォンカメラの画質向上に対する旺盛な需要の恩恵を受けている。ただし、エンターテインメント事業とは異なり、イメージセンサー事業には多額の設備投資と研究開発投資が必要だ。固定費負担も大きいため、同事業の収益性は十分に高い水準には達していないと私たちは考えている。
PlayStation事業はソニー最大の収益源である。ユーザーのPS4からPS5への移行は順調に進んでいるものの、ゲーム開発コストの上昇に加え、Steamなど他プラットフォームとの競争激化が事業上の懸念材料となっている。
──伊藤和典氏(モーニングスター ディレクター)
■ガイドワイア・ソフトウェア
- 米モーニングスターの株価/公正価値:0.69
- 米モーニングスターの不確実性評価:High
- 米モーニングスターのエコノミックモート評価:Wide
- 業種:ソフトウェア-アプリケーション
ガイドワイア・ソフトウェアは、損害保険会社向けのクラウドベースのソフトウェアソリューションを提供している。同社は割安なテクノロジー株の1つであり、株価は現在、米モーニングスターによる推定公正価値である220ドルに対して31%割安となっている。また、私たちは同社のエコノミックモート評価をWideとしている。
ガイドワイアは長年にわたり、損害保険会社向けの先進的ソフトウェアを開発するとともに、老朽化した基幹レガシーシステムをガイドワイアのソリューションへ刷新する案件の獲得に取り組んできた。
こうした近代化の流れは現在も続いているが、同社は今や保険会社のクラウド移行を主導する立場にあり、レガシーソフトウェアベンダーによるサービス提供が十分ではなかった保険業界に再び変革をもたらしている。新規顧客の獲得、既存顧客内での適用業務領域の拡大、さらには追加ソリューションのクロスセルを通じて、同社には長期にわたる成長余地があると私たちはみている。
ガイドワイアは典型的な「ランド・アンド・エクスパンド」戦略を実行している。まず、顧客との接点を担い保険金請求処理を管理する最も重要なシステムであるClaimCenterから導入を進め、その後数年にわたりBillingCenterやPolicyCenterを段階的に展開してきた。現在では、保険会社の業務ニーズ全般をカバーする幅広いソフトウェア群を強力なプラットフォーム上に統合しており、多様な追加ソリューションも提供している。中でもアナリティクス分野は重要な成長ドライバーとなっている。
客観的な指標で見れば、ガイドワイアは損害保険業界向け基幹ソフトウェアのリーディングプロバイダーとなっている。同社のソリューションはすでに業界の正味収入保険料の25%以上をカバーしており、年間獲得案件数も主要競合各社の合計を上回っている。同社がかつて業界のシステム近代化を後押ししたように、現在はInsuranceSuite Cloudをはじめとするクラウドソリューションを通じて大手保険会社のSaaS移行を主導しており、今後も業界変革の最前線に立つと私たちはみている。
私たちはガイドワイアが今後も市場シェア以上のペースで新規顧客を獲得し続けると予想しており、特に大手保険会社市場でその傾向が強まると考えている。その後は、追加の保険業務分野への展開や機能拡張によるアップセルが成長を支える見通しだ。
同社はティア1保険会社の重要案件を数多く獲得しており、事業モメンタムは同社に有利に働いていると私たちは考える。また、業界全体としても、場合によっては1950年代に構築されたレガシーシステムを維持し続けることは、もはや時間的にもコスト面でも許容できなくなっているとみている。
──ダン・ロマノフ氏(米モーニングスター シニアアナリスト)
■ジャック・ヘンリー・アンド・アソシエイツ
- 米モーニングスターの株価/公正価値:0.71
- 米モーニングスターの不確実性評価:Medium
- 米モーニングスターのエコノミックモート評価:Wide
- 業種:情報技術サービス
ジャック・ヘンリーは、米国の銀行および信用組合向けに、基幹処理システムや電子資金移動、決済処理、融資処理などの補完サービスを提供する大手企業であり、特に中小規模の銀行を主要顧客としている。同社のエコノミックモート評価はWideで、株価は現在、米モーニングスターによる推定公正価値である191ドルに対して29%割安となっている。
ジャック・ヘンリーは、「遅くとも着実な歩みが最終的に勝利につながる」という考え方を一貫して貫いている。銀行向けテクノロジー市場の大手競合各社は、買収を積み重ねるロールアップ戦略によって主導的地位を築き、その後もM&Aを通じて銀行向けテクノロジー以外の分野へ事業領域を拡大してきた。【次ページ】【銘柄7~9】「AI本命株」が“まだ買える”理由
一方、ジャック・ヘンリーは歴史的に自社の競争力をオーガニック成長によって構築してきており、現在も銀行向けテクノロジー分野に経営資源を集中させている。私たちは、この戦略によってジャック・ヘンリーがWideなエコノミックモートを築くことができたと考えている。また、同社は今後もこれまでの戦略を維持し、大手競合各社をわずかながら上回る業績成長を続けるとみている。
同社も最近は課題に直面していないわけではない。ジャック・ヘンリーの事業は非常に安定しており、売上高の大部分は長期契約に基づく経常収益で構成されているほか、銀行や信用組合にとって不可欠なサービスに関連している。事実、2008年の金融危機後も同社の売上高はほぼ横ばいを維持した。マクロ経済の観点から見て、当時は業界にとって事実上の最悪のシナリオだったと私たちは考えている。
一方、短期的な業績は銀行業界のM&Aサイクルの影響を受けることがある。これは、ジャック・ヘンリーの顧客銀行が他行に買収された際に受け取る「システム移行解除手数料」に起因する。この手数料はほぼ全額が利益に直結するため、利益率や収益性に大きな影響を及ぼす可能性がある。近年は銀行業界のM&A活動が低調であったため、これが業績の足かせとなっていた。しかし、直近の業績動向を見る限り、その状況は改善しつつあることが示唆されている。
ジャック・ヘンリーはこれまで成長率の面で大手競合各社をおおむね上回る実績を示しており、この傾向は今後も続くと私たちは予想している。同社が展開するプラットフォーム群は対象領域が絞り込まれており、これが競争上の大きな強みになっていると考えられる。この強みによって、ジャック・ヘンリーは時間の経過とともに市場シェアを徐々に拡大していくことが可能だろう。ただし、主力である基幹処理システムには極めて高いスイッチングコストが伴うため、そのプロセスは非常に緩やかなものになるとみている
他のソフトウェア企業と同様、ジャック・ヘンリーもAIが事業モデルに与える影響についての懸念に直面している。しかし私たちは、その可能性は極めて低いと考えている。銀行向けサービスは業務遂行に不可欠なミッションクリティカルなシステムであり、極めて高いレベルのセキュリティと信頼性が求められるからだ。歴史的に見ても、銀行は基幹処理システムの変更に極めて慎重であり、今後もその姿勢に大きな変化はないと私たちは考えている。
──ブレット・ホーン氏(米モーニングスター シニアアナリスト)
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