• 2026/07/02 掲載

【狙い目12銘柄】AI株はもう遅い? 実はエヌビディアも入る「割安テック株」リスト(5/5)

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【銘柄10~12】AI時代の“隠れ勝ち組”、地味だが強い基盤株

■ベントレー・システムズ
  • 米モーニングスターの株価/公正価値:0.76
  • 米モーニングスターの不確実性評価:Medium
  • 米モーニングスターのエコノミックモート評価:Wide
  • 業種:ソフトウェア-アプリケーション

 ベントレー・システムズは、道路や橋梁などのインフラ資産の設計、シミュレーション、データ管理を可能にするソフトウェアを提供しており、土木技術者、建設事業者、地理空間情報分野の専門家を主要顧客としている。同社株は現在、米モーニングスターによる推定公正価値である43ドルに対して24%割安となっている。また、同社のエコノミックモート評価はWideである。

 ベントレー・システムズは、建設業向けCADソフトウェアであるMicroStationによって独自の市場ポジションを確立した後も、公共インフラや公益事業向けの事業領域を超えて製品群を継続的に拡充し、総アドレス可能市場の拡大を進めてきた。

 私たちは、資源セクターにおける成長機会をベントレー・システムズにとって魅力的なものとみている。2021年のSeequent買収により、同社は地下構造の複雑性を可視化・分析する業界有数の地盤解析ツールを獲得した。この機能は、多くの鉱業企業やエネルギー企業が求めているものである。私たちは、資源関連顧客からの売上高が今後数年以内に同社全体の約3分の1を占めるまで拡大するとみている。

 デジタルツインは、ベントレー・システムズにとって魅力的な長期成長機会である。同社のiTwinおよびSynchroは、インフラ資産の設計、建設、運用に関するデジタル環境を提供しており、その結果として、資産の数十年に及ぶライフサイクル全体を通じた安定的な収益獲得につながっている。

 もっとも、デジタルツインソリューションがインフラ市場に浸透するには時間を要するとみられる。これはインフラエンジニアリング分野における長期的な進化のプロセスとなるためである。私たちは、ベントレー・システムズのデジタルツイン分野におけるリーダーシップが、長期的には徐々に業績へ反映されていくと考えている。

 ベントレー・システムズは販売チャネル改革をほぼ完了しており、現在では売上高の90%以上が直販チャネルから生み出されている。さらに、同社はVirtuosity e-storeへの継続的な投資を通じてセルフサービス型の購入体験を合理化しており、中小企業がベントレー製品を導入する際のハードルを大幅に引き下げている。

 これは同社の長期成長にとって特に重要である。ベントレー・システムズは毎四半期多くの新規顧客を獲得しており、その大半は中小規模のインフラ建設業者だからである。また、直販チャネルの活用により、同社は顧客の利用状況に関するより詳細なデータを取得できるため、将来の製品開発をユーザーニーズにより適合させることが可能になる。私たちは、高い直販比率と大規模なサブスクリプション収益基盤が、今後10年間にわたるベントレー・システムズの2桁台の売上高成長を支える重要な要因になるとみている。

──ルーク・ヤン氏(米モーニングスター アナリスト)


■フェア・アイザック
  • 米モーニングスターの株価/公正価値:0.78
  • 米モーニングスターの不確実性評価:High
  • 米モーニングスターのエコノミックモート評価:Wide
  • 業種:ソフトウェア-アプリケーション

 フェア・アイザックは1956年に設立された応用分析分野のリーディング企業である。株価は米モーニングスターによる推定公正価値である1,600ドルに対して22%割安となっており、エコノミックモート評価はWideである。

 1956年設立のフェア・アイザック(FICO)は、信用スコア分野で業界のリーダーとしての地位を確立しており、これは非常に収益性の高い事業となっている。信用スコアは個人向け融資判断にとどまらず、投資家や金融機関、さらには業界全体にとってのベンチマークとして利用されている。

 FICOスコアは、同社の売上の約60%を占める一方で利益の80%以上を生み出している。スコア関連収益の約80%はBtoBであり、フェア・アイザックは金融機関に対してスコアを販売している。

 同社は長年にわたり、価格を安定的に維持しつつ取扱量の拡大によって収益を伸ばす戦略をとってきたが、2018年以降は価格戦略の見直しを進め、スコアの価格引き上げを開始した。同社は強固な市場地位を背景に、今後も複数のカテゴリーで価格引き上げを進めると私たちはみている。また、金融機関向け販売に加え、消費者向け事業でも年間約2億2,000万ドルの売上を計上しており、信用スコアを個人に直接、あるいはExperianなどのパートナー経由で提供している。

 FICOスコアの基礎データは、米国の3つの主要信用情報機関(Equifax、Experian、TransUnion)から取得されており、そのためスコアは通常これら3社を通じて販売される。信用情報機関とFICOの関係は、対立的なものから協調的なものへと変遷してきた。2006年には信用情報機関が共同でVantageScoreという合弁事業を立ち上げたが、FICOを置き換えるには至っていない。フェア・アイザックは直接ライセンスモデルへ移行を進める中で、信用情報機関を介さない形への転換を目指しており、これが結果的に信用情報機関側に競合であるVantageScoreの普及を促すインセンティブを与えていると私たちはみている。

 同社のソフトウェア事業は金融サービス分野の多様なユースケースにわたって展開されている。同社は2010年代初頭にクラウド移行に注力した点で先見性を示していたと私たちは考えている。最近の重点施策の1つはアプリケーションをFICOプラットフォーム上に統合することであり、同社はこれをモダンでモジュール化されたソフトウェア提供と位置付けている。近年は顧客維持率および経常収益の成長が堅調であり、このソフトウェア戦略が機能していることを示唆している。

──ラジブ・バティア氏(米モーニングスター アナリスト)


■アンフェノール
  • 米モーニングスターの株価/公正価値:0.78
  • 米モーニングスターの不確実性評価:Medium
  • 米モーニングスターのエコノミックモート評価:Wide
  • 業種:電子部品

 電子部品メーカーのアンフェノールは、今買うべき最良のテクノロジー株リストの最後を飾る銘柄である。アンフェノールは、コネクター、センサー、相互接続システムを世界的に供給している。同社株は現在、米モーニングスターによる推定公正価値である190ドルに対して22%割安となっている。

 アンフェノールは差別化を実現しているコネクターサプライヤーであり、優れた事業運営能力を持つ企業であるとともに、株主資本の配分において卓越した実績を有する企業だと私たちは評価している。電気部品業界は細分化されており競合企業も数多いが、アンフェノールは幅広い最終市場を対象としているため、特定市場が低迷する局面でも売上高を拡大することが可能である。

 私たちは、同社がコスト管理を徹底する能力において競合他社を上回っていると考えている。その結果、アンフェノールは同業他社と比べても最高水準の営業利益率を実現しており、数多くの買収先企業を迅速に全社平均並みの収益性へ引き上げることができている。

 アンフェノールは、過酷な環境下で使用されるミッションクリティカルな用途向けに、高性能かつ高信頼性のコネクターを提供している。そのため、同社の顧客との関係は非常に強固であると私たちは考えている。顧客が他の部品サプライヤーへ切り替える場合には、多額のコストや機会損失が発生するだけでなく、部品故障のリスクも負うことになるためである。

 私たちはまた、顧客がアンフェノールを単なる部品供給企業ではなく、最先端製品の提供や最終製品における新機能の実現を支援する設計パートナーとして位置付けていると考えている。既存製品がコモディティ化しても、同社は新たなソケット向けに新製品を投入することで高い価格水準を維持することができる。こうした高いスイッチングコストと価格決定力を背景に、アンフェノールはWideなエコノミックモートを有していると私たちは評価している。

 アンフェノールは今後も多様な最終市場構成を維持するとともに、M&Aを通じて技術領域および地理的事業展開を拡大していくと予想される。これまで同社の売上高成長の約3分の1は買収によってもたらされてきた。私たちはまた、中期的にはAI関連売上高が同社の最大の成長ドライバーになると見込んでいる。

 ただし、その売上構成比は全体の半分未満にとどまると考えている。同社はエヌビディアをはじめとする主要企業のサーバ構成において有力なポジションを確立しており、その恩恵を受ける見通しだ。事業規模が拡大しても、アンフェノールは業界最高水準の営業利益率を維持できると私たちは考えている。

 その背景にあるのは、分権型の組織運営モデルである。同社は140人超のゼネラルマネージャーを擁しており、それぞれが大きな裁量権を持って顧客ニーズへの対応やコスト管理を行っている。アンフェノールが買収を進め新たな市場へ進出するにしたがい、ゼネラルマネージャーの数もさらに増加していくと私たちはみている。

──ウィリアム・カーウィン氏(米モーニングスター シニアアナリスト)

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