- 2026/07/22 07:10 掲載
「それは無理」を覆す人は何が違う? 世界初CVTを生んだ“天才脳”をAIで再現(2/2)
【神プロンプト公開】「世界初」を生んだ天才頭脳をAIで再現
では、柴山氏の思考を再現するにはどうしたらよいでしょうか。まずは実現したいゴールを明確にし、そのゴールに対して周囲が指摘しそうな「できない理由」を洗い出すことが重要です。その上で、それぞれの理由を「解くべき課題」に再定義し、解決策の仮説まで用意しておきます。
ポイントは、相手に会ってから初めて反対意見に対応するのではなく、会う前に準備しておくことです。相手が指摘しそうなことを事前に想定し、そこから課題化と解決策の仮説まで考えておくことで、議論を後ろ向きにせず、前向きにリードしやすくなります。
プロンプト
ゴール実現のために議論するべき相手ごとに、会いに行く前に以下を準備します。その後相手に会って「できない理由」の指摘があれば「解くべき課題」へと再定義し、解決方法を一緒に議論します。
相手が言うであろう「できない理由」とこれの課題化、解決策まで会う前に準備するのは、会って話す中で後ろ向きの議論に必要以上に時間を割かず、議論をリードし、参加者の前向きなスタンスを引き出すためです。
① 相手が指摘するであろう「できない理由」
② それぞれの「できない理由」の背景にある、関連する現状とゴールとのギャップ
③ それぞれの「できない理由」の「解くべき課題」への再定義と、理解を深める参考としての解決案
このプロンプトは、AIに、ゴールに関わる利害関係者や有識者の役割を担わせることで、ゴール実現課題と解決策を得るためにも有効です。ただし、誰もがリーチ可能なAIの答えだけでは現状の延長線を超える価値を生み出すイノベーションは実現できないので、以下の方法で有識者と議論し、衆知結集し、仲間を増やすことが必要です。
■プロンプトの具体的な使い方
(1)最初の入力
まずは、自分が実現したいゴールと、議論する相手を具体的に入力します。
入力例
・現在想定しているイノベーションの「ゴール」は{{イノベーションによって実現するゴール;妥当なフレームワークに基づいて作成}}です。
・議論する相手と目的は {{議論する相手;所属や立場、相手が持っている知見と権限、議論の目的}}です。
・相手との議論において、以下を考えて。
① 相手が指摘するであろう、上記ゴールに対する「できない理由」
② それぞれの「できない理由」の背景にある、関連する現状と上記ゴールとのギャップ
③ それぞれの「できない理由」の「解くべき課題」への再定義と、理解を深める参考としての解決案
(2)AIの回答の評価と拡充
AIの回答は、そのまま使うのではなく、必ず自分の知識や追加情報を入れて磨き込みます。
追加指示
{{事実誤認}} は事実誤認で、正しくは {{訂正情報}} です。また検討に必要な追加情報として{{追加情報}} があります。①②に関わる違和感、さらに検討を深めてほしいポイントとして {{違和感、視点、論点など}} があります。これらを基に再度検討して。
(3)人間側のプロセス
上記①②は、相手に会う前にポイントを暗記しておく、当日参照できるメモなどを用意しておくことが必要です。その後相手に会い、以下を行います。
| (A) | ゴールと、その価値や意義を共有し |
| (B) | 議論し、できない理由は課題として再定義し、一緒に解決策を考え |
| (C) | 相手に、ともにゴール実現にむけて進む、あるいは応援してくれる仲間になってもらう |
実際に使うとこうなる…「AIプロンプト活用例」
では、実際にこのプロンプトを使うと、どのような入力になるのでしょうか。読者の皆さんの理解を深めるために、具体例を紹介します。入力例
私は、大手製造業の事業開発担当部長です。主に企業買収の戦略策定と実行支援を行っています。前職は外資系製造業の日本支社で、4年前から現職にあります。
現在想定しているイノベーションのゴールは、当社の中期経営計画を止め、欧米型のビジョン中心の戦略と、環境変化が予見された場合に「問い」をたてて戦略を機動的に改定するという、グローバルレベルのスピードを実現することです。
現在の中計計画は3年単位で、その都度事業部門や管理部門がかなりの労力と調査やコンサルティングの費用を使って計画を策定します。しかしその後、毎年ローリングはしますが、次の3年までに経営環境が変化しても、大きな戦略の改訂は行われません。
また、中期計画の中身は、現在の努力の延長線を細かく示している場合と、若手を中心とした組織のアイデアがまとめられている場合が多く、経営者が侃々諤々で現在の戦略を見直しているわけではありません。そもそもその時点で、経営環境が大きく変化しない事業で、手間と費用を使って中計計画を作る必要はなく、また、たとえ中期計画を作った直ぐ後でも、大きな変化が予見される事業では、戦略の改訂が必要です。すでに日本でも、上述の考え方に沿って、従来の中期計画を止めた企業が存在しています。
私の上司は経営企画担当役員で、彼の下で、月1回、経営企画関連部長の集まる会議があります。この会議に、上記ゴールを提案したいと思っています。
主な出席者は、上長の経営企画担当役員、各事業本部の経営企画部長と私です。この会議で、まず私の問題意識とゴールイメージを示し、出席者の考えを聞き、決定は難しくてもこのゴールに対して前向きな考えをしてくれる人を1人でも増やし、今後の本格提案につなげたいと思っています。
そこで会議前に、準備をしておきたいと思います。以下を考えてください。
① 相手が指摘するであろう、上記ゴールに対する「できない理由」
② それぞれの「できない理由」の背景にある、関連する現状と上記ゴールとのギャップ
③ それぞれの「できない理由」の「解くべき課題」への再定義と、理解を深める参考としての解決案
「それは無理」と言う人ほど、実は頼れる味方になるワケ
折角の頭脳を、できる方法ではなく、できない理由を考えるために使うのはもったいないことです。しかし組織全体を、できる方法を考える前向きな方向に変えることは、簡単ではありません。ジヤトコの「チャレンジ」のように、組織文化の変革が必要になります。一方上記のプロンプトは、これを使う人間のみならず、一緒に議論する人たちの姿勢を前向きに変える効果があります。つまりこのプロンプトは、組織全体を前向きに変えるスタートにもなるのです。
その場合、議論を課題発見で止めないことが重要です。
相手の「できない理由」を「解くべき課題」に定義し、それで止まらず「解決の方法はあるでしょうか」と聞くのです。できない理由を言う人間は、ゴールを理解し、関連する知識や経験がある相手なので、定義した「解くべき課題」に対するアイデアを得るために重要な相手でもあります。相手も「解くべき課題」まで議論する中で、自分が先に言った「できない理由」が誤りであったことに気づけます。
また、「解くべき課題」で止めず解決策まで議論することで、一度持ち帰りまた同様な議論の場を設定するという時間のむだが省け、イノベーション実現スピードを上げることにも寄与します。
なお、特に上長や先輩、顧客などに解決の方法まで聞く場合、自分が考える解決方法をまず提示し「ほかにないか」と聞かなければ、「それはお前が考えろ」といった反応になる場合があります。企業の中には、議論は課題を出すところまでで、解決策は担当者が持ち帰って検討することが常識になっているところもあります。これでは、イノベーションのスピードは高まりません。
これらを打破し、議論を前向きにリードする意味でも、今回のプロンプトによる準備が重要になります。
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