- 2026/08/28 06:10 掲載
「勘・経験・根性」まさかの復権…なぜトップ営業は「10分」で本音を引き出せるのか
連載:令和のガチ営業
セレブリックス取締役 執行役員 CMOとして、全社のマーケティング戦略を主導するとともに、新規事業開発を牽引。セレブリックス営業総合研究所の所長兼セールスエバンジェリストとして、法人営業・法人購買・AIを活用した営業手法など、セールスの最前線で実践的な研究活動や情報発信を行っている。2021年に、営業本のベストセラーとなった『Sales is 科学的に「成果をコントロールする」営業術』を出版し、その続編として2026年、渾身の最新作『Sales is 2:ファクトファインディング おもしろいほど成果が出る、究極の「問いの技術」』を出版。シリーズ累計発行部数は10万部を超える。現場に即したわかりやすい解説と実践的なノウハウで、多くの営業パーソンやマネジメント層から圧倒的な支持を集めている。
質問力より先に磨くべき「話したくなる人」の条件
前回、私は生き残り、重宝され、お客さまに最後に選んでもらえるビジネスパーソンになるための鍵は「問い」にあるとお伝えしました。
ただし、ここでいう問いとは、表面的なヒアリングのことではありません。お客さまとの対話を通じて、まだ言語化されていない事実や、本当のニーズに一緒に気づいていく営みです。私はこれを「ファクトファインディング」と呼んでいます。
ファクトファインディングで本当に大切なのは、質問の技術そのものではありません。
意外に聞こえるかもしれませんが、質問がうまい人になる前に、お客さまから「この人は話しやすい」と感じてもらえる営業であることの方が、ずっと大切なのです。
「二者択一で選びやすくする」「オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンを使い分ける」「深掘りの順番を工夫する」もちろん、これらは有効な技術です。
ただ、いくら質問の型を覚えても、相手が心を開いていなければ、深い情報は出てきません。お客さまが本当に話しにくいこと、まだ整理できていないこと、自分でも言葉にできていないことに触れていくには、技術以前に「この人には話しても大丈夫だ」と思われる必要があります。
ファクトファインディングは商談中の質問から始まるのではありません。商談前の準備、当日の入り方、最初の数分の空気づくりから、すでに始まっているのです。
商談に「サプライズ質問」はいらない
商談前にできることの1つが、当日話したいテーマを事前に共有しておくことです。 たとえば、次のような一文を添えるだけでも変わります。日常生活において、サプライズは嬉しいものとして語られることが多いです。しかし、ビジネスにおけるサプライズは、必ずしも良い意味ではありません。
「急にそんなことを聞いてくるのか」
「なぜそこまで聞かれなければならないのか」
「まだ心の準備ができていない」
このように感じさせてしまう質問は、お客さまにとって小さなストレスになります。
もちろん、対話の中で新しい気づきが生まれる驚きはあってよいと思います。むしろ、それは商談の価値です。しかし、質問そのものが唐突である必要はありません。
事前に論点を共有しておくと、お客さまは安心して話しやすくなります。さらに、その場の思いつきや直近の出来事だけに引っ張られた回答ではなく、少し寝かせて考えた情報をいただきやすくなります。それは、事実に近づくための大切な入口になります。 【次ページ】最初の10分で「この人なら話せる」が決まる
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