- 2026/08/28 06:10 掲載
「勘・経験・根性」まさかの復権…なぜトップ営業は「10分」で本音を引き出せるのか(2/3)
最初の10分で「この人なら話せる」が決まる
商談が始まってからのオープニングも、とても重要です。明るく、はきはきと、しかし押しつけがましくないように。相手の話すスピード、声の大きさ、温度感に合わせながら、居心地のよいリズムをつくっていきます。
ここで無理にアイスブレイクをしようとする人がいます。もちろん、雑談が得意で、自然に空気をやわらげられる人は、それでよいと思います。
ただ、得意ではない人が無理に雑談をしようとすると、かえってお客さまの中に余計な緊張を生んでしまうことがあります。アイスブレイクのつもりが、大きな氷の壁をつくってしまうのです。
お客さまは、商談のために貴重な時間をくださっています。であれば、訪問の目的と、お客さまにとってのメリットを端的に伝えるだけでも十分です。
また、会社説明やサービス紹介にも注意が必要です。
初対面の相手に、いきなり20分も30分も自分の生い立ちや強みを語り続ける人は、日常生活ではあまり歓迎されません。それなのに、ビジネスの場になると、会社概要、サービスの特徴、競合優位性を延々と話してしまう営業は少なくありません。
会社説明の目的は、自分たちをすべて理解してもらうことではありません。この会社になら相談してもよさそうだと思ってもらうことです。
そのためには、10分前後で信用と興味が生まれるハイライトを伝え、相手が話しやすくなる余白を残すことが大切です。
「51対49」の顧客との絶妙な関係性
次に大切なのが、ファクトファインディングに臨む流儀です。深い事実に近づくためには、ときにお客さまが言いにくいことや、あえて濁していることにも触れていく必要があります。「なぜ、その取り組みは進まなかったのでしょうか」
「目標に対して、現状は順調といえますか」
「本当に今の体制で実現できそうでしょうか」
こうした質問は、聞き方を間違えると詰問に聞こえます。かといって、遠回しに聞きすぎると、何が聞きたいのかわからなくなります。
だからこそ、営業にはスタンスが必要です。
私は、お客さまとの関係は51対49くらいがちょうどよいと考えています。
完全に対等な50対50で正論をぶつけると、お客さまは気持ちよく話せません。一方で、お客さまを神様のように崇めてしまうと、必要な問いを投げられなくなります。
大切なのは、相手への敬意を持ちながらも、プロとして一歩踏み込むことです。そして最後の1%だけ、相手に譲る余白を残しておくことです。
この「1%の引き際」があるからこそ、質問は鋭くても乱暴になりません。核心に触れても、相手を傷つけることはなく、前に進めるための対話になります。 【次ページ】売りたい気持ちを横に置くと「問い」は深くなる
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