- 2026/08/28 06:10 掲載
「勘・経験・根性」まさかの復権…なぜトップ営業は「10分」で本音を引き出せるのか(3/3)
売りたい気持ちを横に置くと「問い」は深くなる
最後に、ファクトファインディングの技術として大切になるのが「未来から逆算して聞くこと」です。多くの営業は、今の課題を聞こうとします。もちろん、それ自体は間違いではありません。
ただお客さまは、もし必要だと思っていればすでにその商品・サービスを買っているはずです。今買っていないお客さまに「現状の課題は何ですか」と聞き続けても、買っていない理由が明らかになるだけのこともあります。
だからこそ、対話で押さえるべきはお客さまの未来に目を向けた理想です。
「どのような状態を目指したいのでしょうか」
「半年後、あるいは1年後に、どんな変化が起きていれば成功といえますか」
「その状態に近づくために、特に今変えるべきことは何でしょうか」
このように未来を起点にすると、まだ取り組めていない必要な課題と、解消が求められる問題が浮き彫りになります。こうして見つけることができた真の課題こそ、「令和のガチ営業」には必要になるのです。
商品を売りたいからこそ、一度、売りたい気持ちを横に置く。お客さまが目指したい未来を一緒に描き、そこから逆算して必要な取り組みを考える。そのうえで、自社の商品やサービスがどう役に立つのかを提案する。この順番を間違えないことがとても重要です。
「勘・経験・根性」…今こそ理性と情熱を混ぜ合わせよ
1つは、AIやテクノロジーを使いこなし、生産性を高める力です。調査、準備、記録、整理、振り返りなど、人でなくてもできる領域は、できる限りテクノロジーに任せていくべきです。
もう1つは、人間らしく向き合う力です。観察する、感じ取る、言葉を選ぶ、踏み込む、逃げない、お客さまの未来に“本気”で関心を持つ。
かつて営業の世界では「勘」「経験」「根性」という言葉がよく使われていました。
これらは嫌厭(けんえん)され、古臭く聞こえるかもしれません。しかし、言い換えてみるとどうでしょうか。
「勘」とは、観察力や目利き力です。「経験」とは、体験や事例をもとにした引き出しです。「根性」とは、情熱、本気度、そしてお客さまに対して最後まで逃げない姿勢です。いずれもこれからの営業にこそ必要な力だと感じます。
営業パーソンにとって、売ることは1つのゴールかもしれません。しかし、お客さまにとって、買うことはスタートです。お金を払い、社内で責任を持ち、成功してようやく当たり前。失敗すれば、評価が下がることもあります。
だからお客さまは、売り方がスマートなだけの人よりも、買う前から自分たちのことを深く考え、泥臭く向き合い、本気で成功に伴走してくれそうな人を選ぶのです。
対人以外の領域では、AIやテクノロジーを徹底的に使い倒す。そして、人と向き合う時間には、人間らしさ、情熱、誠実さ、踏み込む勇気を全力で注ぐ。
いわば、「理性と情熱を混ぜ合わせた」営業です。
ファクトファインディングは、そのための中核となる技術です。お客さまがまだ言葉にできていない事実に近づき、未来から逆算して課題を見つけ、一緒に意思決定の輪郭をつくっていくのです。
営業戦略のおすすめコンテンツ
営業戦略の関連コンテンツ
PR
PR
PR