- 2026/08/18 06:10 掲載
AIで時短したのになぜ疲れる?脳科学者に聞く「脳疲労」、思考を手放さないAIの使い方(2/3)
AIで思考が広がる人、奪われる人の「決定的な違い」
とはいえ、AIが便利なのは間違いない。では脳を疲れさせたり、考える力を奪われたりすることなく、AIを活用するにはどうすればよいのか。毛内氏は「受け身で使うか、能動的に使うか、その使い方が重要です」と述べる。そこで注意したいのが「確証バイアス」である。これは、人が自分に都合のよい情報だけを選ぼうとする傾向を指す。
「たとえば、占いで『今日のラッキーカラーは赤です』といわれたら、赤いものばかりに目がいってしまう。その結果、『確かに、今日は赤いものをいっぱい見た。占いが当たった』となるのですが、それは自分でそういった情報を選んでいるにすぎないのです」(毛内氏)
自分が期待する結論を前提に質問すれば、AIからもそれに沿った答えが返ってきやすい。さらに、継続的に使ううちにAIが利用者の好みや考え方に合わせるようになれば、自分にとって心地よい意見ばかりが返ってくる可能性もある。
だからこそ毛内氏は、AIの回答を鵜呑みにするのではなく、異なる見方や考え方、情報を求めることが大切だと説く。
「AIの回答が間違っていないか、自分の書いた文章が炎上する可能性はないか、別の視点ではどう見えるかなど、さまざまな角度から考えることが重要で、それが自分の思考を広げることにつながります。たとえば、AIに自分の仮説や考えとは逆のことを聞いてみるのもよいと思います」(毛内氏)
AIに「正解」を求めるだけでなく、自分が見落としている反論や別の可能性を出してもらう。それが、思考を拡張する道具として、能動的にAIを使う方法なのだ。
意外と大きい「23分」の損失…超シンプルな「脳疲労」予防術
「ピコンと通知が鳴ったら見ないわけにはいきません。見ないことがストレスになるからです。ところが、見てみたら『5%オフのクーポン』のようなその時に必要のない情報だったりします。だったら、最初から通知を切ればいいのです」(毛内氏)
毛内氏によれば、職場での観察研究では、作業を中断されたあと元の課題へ戻るまで平均約23分を要したとの報告もあるという。
「脳の特徴を理解し、自分の状態と情報環境の関係を考え、脳が働きやすい条件を整える力を、私は『ブレインリテラシー』と呼んでいます。『自分がやりたいことを自分がやりたいようにできている』という実感を積み重ねることがブレインリテラシーを高めることになり、メンタルヘルスにとっても重要なのです。そのために『通知』を切ってほしいですね」(毛内氏)
通知を切ることは「自分の時間を自分で使っている」感覚を取り戻す行為でもあるのだ。毛内氏自身も「通知絶ち」を実践しているというが、困ったことはほとんどないと話す。
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