- 2026/09/19 07:10 掲載
プロジェクトのゴール目前で「振り出しに戻る」はキツすぎ…手戻りを招く“見落とし”
1982年生まれ、東京大学工学部システム創成学科卒。製造業DX・人材ビジネス・IT開発・新規事業などの経験から、プロジェクト活動における「未知」という難しさを痛感。解決策を模索する中で、学生時代に学んだ設計学・サービス工学のプロジェクト活動への応用を着想した「プ譜(プロジェクト譜)」は、進行設計を計画書ではなく「譜面」として表現することで、管理に寄りすぎず、柔らかな進め方ができる手法として、静かながらも長年の支持を得ている。組織マネージャ、ITプロマネ、二児の父という三足のわらじが履ききれなくなって、2019年5月に独立。企業研修や実務支援に取り組む中で、どの業界、企業、人にも共通する悩みがあると理解し、何か一助になりたいと思いながらも試行錯誤を続けている。近年はプ譜を用いた壁打ちセッションを試行中。
企画や施策は「4×3」で整理できる、12の要素で見える全体像
プロジェクトは必ず「構想」「組成」「実行」「終結」の4段階を経ます。組成:成果物の主な仕様や要件、実行における進行プロセス、必要な契約関係を整理する
実行:進行途中で発生する課題や想定外に対処しながら、成果物を具体的な形にしていく
終結:成果物が当初の期待に応えるものになったか確かめ、取引先や社会に引き渡す
それぞれ「インプット」となる情報、実行する「プロセス」と「アウトプット」の3つに分解でき、これらにより、プロジェクトの全体像は4×3の計12の要素に分解されます。
2・進行戦略の検討:全体的な進行シナリオを立案し、分析や比較検討する
3・主要関係者の承認:欠かせない利害関係者の協力意思決定を得る
4・状況TPOの整理:社会実装にむけて、客観的な情勢と勝ち筋の想定を描く
5・ゴールとプロセスの定義:目標とする成果物と、それを作る過程を定める
6・座組みの確立:必要な資源を調達し、契約を結ぶ
7・実行計画の明確化:具体的な作業の中身や進め方のルールを整理する
8・作業の進行:実際に成果物を作るための作業を1つひとつ実行する
9・成果物の具現化:個別の部品や中間成果物を組み上げて完成させる
10・終了条件の整理:開始からの経緯を俯瞰し、終わらせる準備を始める
11・成果物の評価:成果物が、関係者の期待に見合うことを客観的に立証する
12・解散:得られた対価を分配し、座組みを解散する
ここでは、これらを12のマイルストーンと呼びます。マイルストーンは物事の過程で起こる画期的な出来事を意味する言葉で、ビジネス一般の文脈でも「工程の区切り」として使われる言葉です。
思いつきで始めるとなぜ手戻りする?“飛ばせない12項目”とは
12のマイルトーンを整理する目的は、手違いと手戻りの防止にあります。各マイルストーンは、意識するかしないかにかかわらず、絶対に飛ばすことはできず、1から12の順番に進んでいきます。そのことを理解せず、思いつきで行動を起こすと、手順違いが後から見つかり、前の段階に戻されてしまいます。
その際に「時間やお金をすでに使った」「すでに何かしらの約束をした」などの既成事実があると、単純な後戻りはできず、さりとて前進も難しく……というややこしい状況に発展することもあります。
後になって矛盾やほころびが広がってしまい、現実的に立て直しをしきれなくなり、問題をうやむやにして、無理矢理にプロジェクトを終結させてしまう、なんてこともよくあります。それもひとつの終わらせ方と言えなくもありませんが、終わった後に、気まずさや恨みを残してしまいます。そのような不幸を減らすために、12のマイルストーンを整理して、取り組みの全体を俯瞰します。 【次ページ】「絶対に売れる」と進めた結果…企画が“振り出し”に戻るワケ
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