- 2026/10/23 07:10 掲載
4年で年商151億→430億円…茨城発「山岡家」、なぜ北海道でソウルフードに?(2/3)
北海道で支持拡大→全国へ…山岡家らしさを生んだ強み
北海道のスーパーやコンビニに入っても、山岡家のカップ麺や乾麺が結構な割合で置いてあるほど。北海道でここまで愛されているのはなぜか。「まず、夜遅くまで集客が見込める札幌中心部での24時間営業が効果的でした。特に、すすきの周辺は深夜でもかなりの人が歩いているので。今でもすすきのの店は深夜から朝方にかけてがピークで、逆に昼の客数は相対的に下がります」(渡部氏)
夜遅くまで営業する外食店が限られる道内の地方でも、24時間営業の多い山岡家は道民を空腹から救った。
「主にドライバーさんをターゲットにしたラジオCMも長らく流しており、イメージソングも浸透していると思います。北海道は車社会ですし」(渡部氏)
また、郊外のロードサイドを中心に、主要幹線道路沿いに出店しており、看板を繰り返し見ることによる“単純接触効果”もあったと語る。
「北海道で店舗を広げ、資金力ができて、全国へ広げる目処ができたのは間違いないと思います。北海道で成功しなければ、このような拡大はなかったはずです」(渡部氏)
まるでテーマパーク…なぜ札幌・狸小路に「3業態」が並ぶ?
札幌・狸小路4丁目には通常の「山岡家」に加え、「味噌ラーメン山岡家」と「煮干しラーメン山岡家」なる2つの別業態とともに、3店が横並びになっている。「たまたま山岡家狸小路店を出店していた立地に空き物件が出て、多くの観光客も訪れるこの地でほかの業態も出店しました。テーマパークみたいな位置付けで、山岡家の今ある業態、色々なラーメンの選択肢を楽しんでもらいたいと思います」(渡部氏)
まず注目したいのが「味噌ラーメン山岡家」だ。札幌味噌ラーメンとは異なる味で受け入れられた山岡家が、なぜ札幌味噌ラーメンを看板商品に据えた業態に挑戦したのか。
「創業者である山岡正が、北海道で最初に食べた札幌味噌ラーメンの味に衝撃を受け、昔ながらの味を再現すべくこだわり抜いた商品で挑戦しようということになりまして」(渡部氏)
看板商品の「札幌味噌ラーメン」は、北海道の味噌をブレンドしたスープが特徴だ。
「野菜をスープと一緒に中華鍋であおることで、野菜の甘みが溶け込み、コクと深みのある味わいに仕上がります」(渡部氏)
さっそく麺をすすると、パンチの効いたうまさで満足感に包まれた。
また、「煮干しラーメン山岡家」は煮干しラーメンとしては特筆ものの食べやすさで、コクがありながらもえぐみを感じなかった。
「関東圏で評判の煮干しラーメンは苦みが強く、お客さんを選ぶ感じですが、かなり改良を加えて万人受けの味にしています」(渡部氏)
スープはあっさり系の煮干しスープと、豚骨をじっくり炊いて煮干し粉末を加えた豚骨煮干しスープの2種類を用意。麺も太麺と細麺が選べ、客の好みに応える。
最もレアな業態が、全国の中でも札幌に1店しかない「餃子の山岡家」だ。その餃子は、通常の山岡家とは全然違う。ガッシリ・カリッとした厚めの皮と多めの餡で、スパイシーかつ食べごたえがある。
「すすきので、ラーメンと切っても切れない餃子を、さまざまなアルコール飲料とともに出しています。また、看板商品の餃子や唐揚げ、シュウマイは単品のほか定食も選べるんです」(渡部氏)
これらの業態はそれぞれのお店でしか味わえない商品がラインアップされつつ、ノーマルの「山岡家」とつながって相互にノウハウが生かされており、商品のブラッシュアップや限定メニュー開発、人的交流を通じて多くの取り組みが行われている。 【次ページ】「47都道府県出店」を目指す山岡家、東京23区に再チャレンジも?
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