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  • 2014/04/23

モバイル活用戦略のポイントは「HTML5」とコーディネータとしての役割 ガートナー

現代は消費者向けの製品や技術の進歩を、企業のITが採り入れていかなければならない時代になっている。いわゆるコンシューマライゼーションの到来だ。BYODもその変化の1つであり、ガートナー リサーチ部門 バイスプレジデント 兼最上級アナリストのジーン・ファイファー氏は「2014年までに9割の企業は、パーソナルデバイス上でエンタープライズアプリケーションをサポートすることになる」と指摘する。一方で、ファイファー氏はモバイル対応をめぐって企業内のエンドユーザーとIT部門との間には緊張関係が高まるとも指摘する。企業のモバイル活用における課題とは何か、その課題に対応するために企業は自社のモバイル活用戦略をどのように変えていく必要があるのか。

執筆:レッドオウル 西山 毅、構成:編集部 松尾慎司

執筆:レッドオウル 西山 毅、構成:編集部 松尾慎司

レッド オウル
編集&ライティング
1964年兵庫県生まれ。1989年早稲田大学理工学部卒業。89年4月、リクルートに入社。『月刊パッケージソフト』誌の広告制作ディレクター、FAX一斉同報サービス『FNX』の制作ディレクターを経て、94年7月、株式会社タスク・システムプロモーションに入社。広告制作ディレクター、Webコンテンツの企画・編集および原稿執筆などを担当。02年9月、株式会社ナッツコミュニケーションに入社、04年6月に取締役となり、主にWebコンテンツの企画・編集および原稿執筆を担当、企業広報誌や事例パンフレット等の制作ディレクションにも携わる。08年9月、個人事業主として独立(屋号:レッドオウル)、経営&IT分野を中心としたコンテンツの企画・編集・原稿執筆活動を開始し、現在に至る。
ブログ:http://ameblo.jp/westcrown/
Twitter:http://twitter.com/redowlnishiyama

CIOの喫緊の課題となっているモバイル・テクノロジー

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ガートナー
リサーチ部門
バイスプレジデント
兼最上級アナリスト
ジーン・ファイファー氏
 ガートナー エンタプライズ・アプリケーション&アーキテクチャ サミット 2014にて登壇したファイファー氏は、モビリティによって、企業内のエンドユーザーとIT部門との間には緊張関係が高まるという考えを示した。

 たとえばユーザーは、自分が使いたいアプリケーションやデバイスを利用したいが、それを実現するためにはIT部門にセキュリティの担保が課せられることになる。

 またユーザーがアプリケーションは自社開発のものを使いたいと思う反面、IT部門はアウトソーシングすることを考え、さらにユーザーがシンプルなアプリケーションを求めるのに対し、実際のモバイルアプリケーションには複雑なプロセスが必要となる。

「今後IT部門は、こうした緊張関係のバランスを取りながら、効果的にモバイルに対応していかなければならない。ガバナンスも必要だ」

 実際にガートナーのCIO調査によれば、モバイルテクノロジーは過去3年間、優先すべきテクノロジーの3位以内に毎年入っており、「CIOが優先するテクノロジーのトップ中のトップ」だという。


 モバイルテクノロジーを採用した多数の企業では、現段階でアプリを1~2つ開発したという状況で、その他の企業では60~80のプロジェクトを準備しているところだという。

「しかし残念ながら、その多くでIT部門は関与していない。ほとんどの場合、マーケティング部門などが外部の協力会社を使って開発を進めることになる。すべてのアプリを自社開発しなければならないということではなく、IT部門はビジネス部門から見た時の信頼できるアドバイザとして、ぜひ第一歩から“関与”していただきたいい」

 モバイル戦略は孤立させることなく、ビジネス戦略と結び付いていかなければならない。そのためにIT部門は、マーケティングやセールス、カスタマサポートといった各チームだけでなく、従業員や社内に関係するテーマなら人事部門や広報部門と、また協力会社に関するテーマなら調達部門と話をして、ビジネス戦略を叶えるためのモバイル戦略を考えていく必要がある。

モバイルアプリケーションを整理するための3つのレイヤ

 モビリティはビジネスを変革し、成長させ、そして動かしていく。

「モバイルアプリケーションは、この変革、成長、運営という3つのタイプに分類することができ、さらにその各々で消費者向けか、従業員向けかに分けられる」

 たとえば変革を起こすソリューションで、消費者向けのものならM2M、従業員向けのものならBYODが挙げられる。また成長を促すソリューションで消費者向けのものならマルチチャネル統合やモバイルマーケティング、従業員向けのものならSFAやモバイルソーシャルネットワークなどが挙げられる。

「3種類のアプリケーションを、2つのユーザーグループのうち、どちらに向けて開発するのかをきちんと整理して考える必要がある」

 また提供するビジネス価値においても、顧客向けと従業員向けでは違ってくる。顧客向けのアプリなら、モバイルを通じて“どうやって顧客の経験をよくするか”を第一に考えなければならない。それにより顧客のロイヤリティを高め、売上の拡大を目指す。

 これに対し従業員向けアプリでは、コスト削減が一番重要な価値となる。ペーパーレスやサービスのために現場に出向く回数の低減、データの直接入力機会の削減などだ。

 ここでファイファー氏は、モバイルアプリケーションをガートナーの提唱するペース・レイヤ戦略の3つのレイヤに分類して提示した。

 ペース・レイヤ戦略とは、アプリケーションを使用目的と変更の頻度で分類し、その分類ごとに、異なる管理とガバナンスのプロセスを定義するというフレームワークで、アプリケーションを、トランザクションの処理やマスタデータの管理を支援する“記録システム”、企業特有のプロセスや機能を支援する“差別化システム”、企業がイノベーションを起こすために必要となる“革新システム”という3つのレイヤに分類して考えるものだ。


 記録システムに相当するモバイルアプリなら、ERPといったバックオフィスのシステムで承認などができるように作る必要がある。また差別化システムなら、保守担当のスタッフが生産性を高められるようなフィールドサービス用のアプリが考えられる。革新システムなら、顧客の目の前で他社との価格差が分かるようなアプリがあれば、顧客体験は向上する。

「たとえば革新システムをより速いスピートで実現するためには、IT部門に発明家タイプの開発者が必要となる。ITスタッフのスキルをしっかりと評価して、記録、差別化、革新の各システムに割り当てることが重要だ」

【次ページ】モバイルアプリ開発ではオープンな統合APIとHTML5が必須

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