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  • 2014/05/13

「中堅企業研究会」が発足、慶應大 磯辺剛彦教授・タニタ・ライフネットら

13日、慶應義塾大学大学院経営管理研究科の磯辺 剛彦 教授、タニタ 社長の谷田千里氏、ライフネット生命保険 会長 兼 CEOの出口 治明 氏、JETRO顧問で元中小企業庁長官の林 康夫 氏、一橋大学大学院 商学研究科の沼上 幹 氏の5名で構成される「中堅企業研究会」が発足した。


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(左から)慶應大学大学院経営管理研究科の磯辺 剛彦 教授、タニタ 社長の谷田千里氏、JETRO顧問で元中小企業庁長官の林 康夫 氏、一橋大学大学院 商学研究科の沼上 幹 氏
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 中堅企業研究会とは、産官学各界の有識者により、日本の中堅企業を調査対象として、中堅企業の経営状況、日本経済における地位・貢献、他国との比較についての調査、および当該企業が直面する課題や問題の把握、競争力研究、施策への提言などを行う組織。年間売上高10億円から1000億円の企業を中堅企業と定義し、中堅企業に特化して研究する。

 なぜ中堅企業を取り上げるのかについて、磯辺教授は「これまでの研究の対象から、中堅企業はぽっかり抜け落ちていた」と説明。たとえばビジネススクールでのケーススタディでも、その多くは大企業かあるいはベンチャー企業・中小企業が主役のことが多く、中堅企業は「中途半端な存在」として軽んじて扱われてきたという。

 しかし、東大阪の企業100社にインタビューを実施した際、そのうち7割を占めた中堅企業は明らかに大企業とも零細企業とも異なるマネジメントを行っていることがわかった。「企業の成長ステージに合わせて、経営課題や成功要因は異なるのではないかという仮説に行き着いた」(磯辺教授)。

 たとえば、大企業では組織的な課題、マネジメントやリーダーシップがテーマになっていた。また、中小企業では限られた経営資源やリソースをどう活用するのか、またはその調達をどうするべきか、といったことが課題になっていた。一方、中堅企業は戦略的な課題、たとえばポジショニングや選択と集中をどうするべきか、といった課題が中心になっていたという。

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企業規模別の問題意識
(出典:中堅企業研究会)


 中堅企業をテーマにしたもう1つの側面として、ネガティブな理由もあるという。

 たとえば、日本の大企業はグローバル競争力が低下している。Fortune Global 500にしめる日本企業の数は1994年の149社から、2012年には68社まで減少。さらに売上高のシェアは37%から12.3%に大幅に減少した。一方、中小・零細企業は、単工程(鋳造、加工、メッキなど)に特化した企業が多く、世界的にみて高品質な技術を持ちながら、海外メーカーが扱いにくい状況になっている。また、起業活動に至っては、日本の起業活動率は100か国中100位と低迷している。

 こうした中で中堅企業は、製造業ではバリューチェーンの特定分野でトップシェアを持つ企業が多く、グローバル化率が高いといった特徴を持つ。

 「さびないネジなど、イノベーションの担い手になるケースが多く観察できる」(磯辺教授)ほか、顧客との距離が近く、現場をよく知っているのも特性だという。そのため、ポジショニング戦略がとりやすく、またトップと現場の距離が短いので、日本企業が得意とする組織力で戦いやすい点も特徴として挙げられる。

 沼上教授は、「中堅企業をどう活性化させていくのかが日本経済で重要」としたうえで、「さまざまなサポートをつけることで、のびしろがある。今現在、極めて重要」と指摘。林氏は、「大企業が海外に出て行く中で、中堅企業がいままでのバリューをどう維持するのかについて危機感がある」として、中堅企業研究の意義を強調した。

 中堅企業を年間売上高10億円から1000億円の企業と定義した理由について、磯辺教授は「国際間比較を可能にするため」と説明する。National Center for the Middle Marketなど、海外でも中堅企業を研究する機運が高まりつつあり、これらの海外の指標と揃えて整合性をとった。

 今後の活動内容は、まず日本の中堅企業の現状認識から開始する。「今年度中に分析の指標をつくっていきたい」(磯辺教授)。当初は5名で設立し、骨子を固める段階だが、「今後は色々な方や機関を巻き込んでいきたい」という。

 タニタやライフネット生命保険は、中堅企業の代表として研究対象として参画するとともに、「有識者の皆さまのさまざまなアドバイスをいただきたい」(タニタ 谷田社長)としている。

(執筆:編集部 松尾)

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