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  • 2014/08/08

高知県知事に聞く県庁のIT活用:過疎地での見守りに活躍、来年は救急車にタブレットも

連載:地方行政の今を知る 高知篇(vol.4)

地域の活性化なくして、日本経済の再生はない。変化の激しい今の時代に、地方行政の首長が抱く展望とは。連載「地方行政の今を知る」の今回は、高知県の尾崎 正直知事にインタビューを実施。本稿では、観光産業を活性化させるための施策と工夫、また高知県ではITをどのように活用しているのか、お話を伺った。

中森勇人

中森勇人

合同会社 関西商魂
代表

連載:地方行政の今を知る

工夫を凝らした観光キャンペーンでNHK大河ドラマ効果を最大化

──縮小する地元経済にあって、外からお金を引っ張ってくる、と言う意味では、観光産業も重要になりますね。

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高知県 尾崎 正直知事
 尾崎 正直知事(以下、尾崎知事)■その通りです。昔の高知の観光入込客数は年間310万人前後でした。その後、NHK大河ドラマ『龍馬伝』(2010年)の影響で、史上最高の435万人まで上昇します。2012年からは「リョーマの休日」と銘打った観光キャンペーンを実施し、2013年は407万人でした。これは史上第2位です。

 第5位が2006年のNHK大河ドラマ『功名が辻』のときで「土佐24万石博」を実施して322万人。これは私が就任する前のことですが、同じNHK大河ドラマの効果でも、明らかに違いますよね。これは取り組みの違いが出ているのではないかと思います。

 高知県には、自然や食などの素晴らしいものが沢山あります。しかし、大きなテーマパークなどはありません。だから、自然や食を売り込んでいかなければなりませんが、それは人の知恵次第。たとえば「清流」なら、単に自然としてアピールするだけではなく、旅行客にどう楽しんでもらえるのかについて、企画をアレンジしていく。カヌーや屋形船、手ぶらで行けるバーベキュー、雨のときはここから清流を見ていただこうとか、ショップで関連商品が買えるように仕込むといった具合です。

 企業が自社の製品を持って外に売り込んでいくのと同じく、私たち高知県民の持っているものを生かして、定常的に外から観光客に来てもらえるように仕込んでいくことが大事です。

家族のようにもてなし、IT活用で移住を促進

──観光にも深く関わることですが、高知県のイメージ戦略はどのようにお考えでしょうか。

 尾崎知事■2013年度からは、高知県への移住促進に力を入れています。「高知県は一つの大家族、『高知家』です」、というメッセージを中心に、家族によるおもてなしをイメージしたさまざまなキャンペーンを実施していますが、究極は高知家の一員になっていただく、つまり移住促進につなげていくことです。

 高知県のホームページでは、移住促進のポータルサイト「高知家で暮らす」へ誘導するような作り込みをしていますが、そこでは移住に関するさまざまな情報を提供しています。移住者の体験談や高知県の住まいの情報、仕事の情報が検索可能です。不動産業界の方々の協力も得て不動産情報を提供していますし、就職や就農などの情報も沢山あります。

──Webサイトを上手く活用されているようですが、ITの利点についてはどのようにお考えですか?

 尾崎知事■ITのありがたさは、間口が広いわりに結構密な交流ができることだと思います。たとえばテレビ番組などのマスメディアに高知県が取り上げられた後に、「高知家って何?」と思って検索していただくと、ポータルサイト「高知家で暮らす」の中にある高知暮らしのさまざまな情報に順を追ってたどり着きます。

 入り口はWebサイトですが、一定の興味を持っていただいた方には「移住コンシェルジュ」というスタッフとコンタクトが取れるようになっています。移住コンシェルジュは6人いまして、相談者お一人お一人のニーズに応じて様々なご相談にお答えし、さらに市町村の専任担当者につないでいく仕組みになっています。

 最初はIT(Webサイト)で広く周知して情報を与え、最終的には人力によるフェイス トゥ フェイスで、寄り添いながら移住をサポートしていきます。Webサイトでざっくり調べていただき、その後、リアルな体験をしていただく。ITは、世間と私たちスタッフを結び付けてもらうツールとして利用しています。

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