- 会員限定
- 2014/04/07 掲載
「九州が1つにまとまって観光客を誘致する作戦を模索している」佐賀県知事 古川 康氏
連載:地方行政の今を知る vol.2(後編)
中森勇人(なかもりゆうと)
経済ジャーナリスト・作家/ 三重県知事関東地区サポーター。1964年神戸生まれ。大手金属メーカーに勤務の傍らジャーナリストとして出版執筆を行う。独立後は関西商法の研究を重ね、新聞雑誌、TVなどで独自の意見を発信する。
著書に『SEとして生き抜くワザ』(日本能率協会)、『関西商魂』(SBクリエイティブ)、『選客商売』(TWJ)、心が折れそうなビジネスマンが読む本 (ソフトバンク新書)などがある。
TKC「戦略経営者」、日刊ゲンダイ(ビジネス面)、東京スポーツ(サラリーマン特集)などレギュラー連載多数。儲かるビジネスをテーマに全国で講演活動を展開中。近著は「アイデアは∞関西商法に学ぶ商売繁盛のヒント(TKC出版)。
公式サイト http://www002.upp.so-net.ne.jp/u_nakamori/
ブランド向上にはプレゼンテーション力が必要
──佐賀県の認知度やブランドを向上させるには、どういった施策が必要でしょうか?
その点について、たとえば京都は長けておられて、プレゼンテーション力があると感じます。仮に同程度の魅力があるお寺が京都と他県にあったとしても、やはり「そうだ 京都、行こう」となるわけじゃないですか(笑)。
先日、奈良市長とお話をさせていただきましたが、「よほどのことがない限り、奈良へ足を伸ばしてもらえない」とおっしゃっていました。奈良については、2012年の『ミシュランガイド』に掲載されましたが、これも奈良県が相当努力された結果のようです。
奈良県の知事は昔、パリに居られたそうで、ミシュランガイドの価値と意味を熟知されていたので、最初は京都、大阪、神戸だった関西版に対して、奈良もぜひ掲載してほしいと働きかけたと聞きます。
ミシュランガイド制作の裏話と狙い
──佐賀県でも、ミシュランガイドへの掲載が決まったそうですね。古川知事■はい、『ミシュランガイド 福岡・佐賀 2014 特別版』が今夏に発売されます。ミシュラン側からも、関東版と関西版のあと、北海道版か九州版かを作成したいという話があったものですから、元々私が食べるのが好きということもありまして、九州を押したような次第です。九州は食器が充実していますので、器での楽しみ方を提案しました。
その後は紆余曲折がありましたが、広島版が出たことを契機にこちら側からオファーをさせていただき、最終的に福岡・佐賀版で決定しました。佐賀県を訪れる1つのきっかけになってくれればと考えています。
また、ミシュランガイドは海外でも共通の価値観を提供されていますので、ミシュランガイドで星が付いているということは、国内もさることながら、海外の方々にも客観的な情報として案内ができると考えています。
今回は日本語版で出版されますが、私はミシュランの意味は外国語版だと思っていまして、外国語版で情報を発信していただけるように話をしているところです。他の地域でも英語版はオプションで出ていますので、海外から佐賀へ来られて「どこか食べに行こう」となった時に、活用いただければと思っています。紙媒体だけでなく、英語のWeb版も出していただけるので、ネットならではの広がりに期待をしております。
【次ページ】 海外からの観光をいかに増やすか
政府・官公庁・学校教育のおすすめコンテンツ
PR
PR
PR