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  • 2014/08/12 掲載

TMJ 林純一 社長:Google AppsとQuestetraのBPMSで実現したビジネスイノベーション

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ベネッセグループでコンタクトセンター事業やバックオフィス事業を展開するTMJでは、日々、クライアントから受託した事務処理業務の生産性向上活動に取り組んでいる。そこでまず必要となるのが、事務処理プロセスを可視化し、文書化し、標準化することだ。その具体的な取り組みについて、TMJ 代表取締役社長の林純一氏が語った。

執筆:レッドオウル 西山 毅、構成:編集部 松尾慎司

執筆:レッドオウル 西山 毅、構成:編集部 松尾慎司

レッド オウル
編集&ライティング
1964年兵庫県生まれ。1989年早稲田大学理工学部卒業。89年4月、リクルートに入社。『月刊パッケージソフト』誌の広告制作ディレクター、FAX一斉同報サービス『FNX』の制作ディレクターを経て、94年7月、株式会社タスク・システムプロモーションに入社。広告制作ディレクター、Webコンテンツの企画・編集および原稿執筆などを担当。02年9月、株式会社ナッツコミュニケーションに入社、04年6月に取締役となり、主にWebコンテンツの企画・編集および原稿執筆を担当、企業広報誌や事例パンフレット等の制作ディレクションにも携わる。08年9月、個人事業主として独立(屋号:レッドオウル)、経営&IT分野を中心としたコンテンツの企画・編集・原稿執筆活動を開始し、現在に至る。
ブログ:http://ameblo.jp/westcrown/
Twitter:http://twitter.com/redowlnishiyama

働き手の変化に合わせて、仕事の形も変えていかなければならない

photo
TMJ
代表取締役社長
林 純一 氏
 BPMフォーラム2014で登壇した林氏はまず、現在の事務処理を取り巻く環境について触れ、日本人の労働力は今後も減り続けるという点に言及した。

 まず生産年齢人口(15~65歳)は2003年からの10年間で8%減少しており、全人口が減っている割合以上に減っているという。またこの環境下で、労働人口に対する正規従業員の割合は42%で、この比率は維持されている一方、非正規従業員の割合が16%から24%に増えている。「つまり労働人口全体が減っていることに加え、その中味も変わってきている」。

 さらに細かく見てみると、これまで非労働力人口だった専業主婦層が年々大幅に減って、非正規雇用のマーケットに流れていっている。その中でも特に35歳以上の層が大幅に増加しており、“子供の養育に一段落着いた時期から外に出始める”という傾向が見て取れるという。これに対して男性は、非労働力人口も、正規雇用/非正規雇用の割合も、ほとんど変わっていない。

「女性だけが大きく変わっている。非労働力人口の女性がどんどん減って、まず非正規雇用従業員となっている。女性が日本の労働力の増加を支えているのが現状」

 次に日本企業の現状に目を向けてみれば、製造業の生産拠点の海外移転が進んでいるものの、オフィスワークまでが外に出ていくわけではなく、事務処理プロセスが日本から大きく減少していくことは考えにくい。

「日本の国内労働人口が減り続ける中、今後は35歳ぐらいまで働いたことのない人たちも仕事の担い手になり、主に事務処理業務に就くことになる。であれば、事務仕事の形も徐々に変えていかなければならない。覚えるのに5年、10年かかる複雑な事務作業をもっとシンプルにして、もしかしたら海外の人たちでもできるように変えていかなければ、今後日本は間違いなく困ることになる」

どんなことでも改善できる。改善活動が終わることはない。

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 冒頭でも少し触れたが、TMJでは事務処理業務のアウトソーシングサービスを提供しており、林氏は自社の強みを「毎年、毎月、改善し続けること」だと強調する。

 その象徴となっているのが、2006年から全部門で取り組む「小さな改善」活動で、製造業でいうところのTQC(Total Quality Control)活動だ。

 当初は現場の活性化から始め、特性要因図などQCの7つ道具を非正規の契約社員にまで使いこなしてもらい、正規社員が行っている事務処理やコンタクトセンター業務の1つ1つを日々改善していくことを目指した。また2009年以降には、製造業が中心の外部のTQC大会にも出場し、参加した各大会のほぼすべてで、金賞や銀賞を受賞したという。

 さらに2011年からは、コンタクトセンターのオペレータの人たちに、1日の業務の中で気付いた改善点を提案してもらう取り組みを始めた。改善シート1枚につき300円を支払う形で、初年度には約5000件、その後6000件、7000件という数のシートが集まるようになったという。

 元々新卒でベネッセコーポレーション(当時福武書店)に入社した林氏は、1年めに進研ゼミのコンタクトセンター業務の改善活動に参加し、社外コンサルタントの人から事務処理の基本を徹底的にトレーニングしてもらったという。

「その時に業務のプロセスチャート、今でいうBPMN(Business Process Modeling Notation:ビジネスプロセスモデリング表記法)だが、その書き方をイチから教わり、1つ1つのプロセスに対して、改善案を30個出せと言われて、地道に取り組んだ。それぐらい、どんなことでも改善できる。改善活動が終わることはない」

 オペレータから募った提案内容は、オンライン上のデータベースに格納され、全社で共有されているので、何か困ったことに遭遇したユーザーは、その問題点をすぐに検索し、解決策を見つけることができるようになっている。

 また2013年からは、バランススコアカード(BSC)を採り入れた経営マネジメントを行い、BSCのKPIと改善活動を連動させるチャレンジを開始、2014年には、すべてのクライアント案件で、必ず1つはTQC大会に参加することを全社目標として掲げた。

「今までは“やったら褒められる”だったが、これからは“やらなかったら叱られる”という形で進めていくことになる。このクライアント案件における改善案もデータベース化されており、国内だけでなく海外拠点からも自由に検索できるようになっている」

【次ページ】BPMSアプリケーションで実現した4つの機能

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