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  • 2014/08/29

積水化学工業のAWS活用法 なぜ2万人のメール基盤にSaaSではなくIaaS?

7月17日と18日の2日間にわたって都内で開催された「AWS Summit Tokyo 2014」では、大企業による情報システムのクラウド化事例も紹介されました。

Publickey 新野淳一

Publickey 新野淳一

ITジャーナリスト/Publickeyブロガー。大学でUNIXを学び、株式会社アスキーに入社。データベースのテクニカルサポート、月刊アスキーNT編集部 副編集長などを経て1998年退社、フリーランスライターに。2000年、株式会社アットマーク・アイティ設立に参画、オンラインメディア部門の役員として2007年にIPOを実現、2008年に退社。再びフリーランスとして独立し、2009年にブログメディアPublickeyを開始。現在に至る。

 多くの企業において情報システムのクラウド化は、コスト削減や迅速性といった経営上の文脈で語られます。しかし積水化学工業の原和哉氏が行ったセッション「オープンソース&内製化&クラウド移行で、情報系システムを進化させた、積水化学グループ」では「エンジニア(関係会社)のモチベーションが大きく上がった」という点が結論として強調されるユニークなものでした。

 また、個人的意見と断りながらも指摘された「ITの運用部門は非常に厳しい環境に置かれている」という点も、企業のクラウド採用が進む背景として無視できない現実でしょう。

 クラウドという技術はエンジニアにとってエキサイトなものと多くの人が感じつつ、いざ企業のクラウド導入という文脈ではなかなか語られなかった面にスポットを当てたこのセッションについて、クラウド採用のきっかけとオンプレミスとの比較、そして結論部分を中心にダイジェストで紹介します。

オープンソース&内製化&クラウド移行で情報系システムを進化

 積水化学工業株式会社 コーポレート 情報システムグループ 部長 原和哉氏。

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 積水化学グループは従業員数が連結ベースで2万3000名、売上高が1兆1100億円ほどです。住宅事業などの住宅カンパニーが約4700億円、高機能プラスチックカンパニー、環境・ライフラインカンパニーなどの事業展開をしています。

 AWSへの移行対象となったシステムは「Smile」という社内システムです。

 Smileは間接業務の削減や効率化を目的として、2004年にメール機能、2005年にグループウェア機能などを実装、日英中の言語にも対応し、社内のナレッジマネジメントやグローバルな情報共有を行う、積水化学グループ全員が使うイントラ基盤です。

 ポータル画面がSmileの顔になっていて、メールが中心的な機能。CMS以外はすべて自社開発のオープンソースソフトウェアです。そして今回2013年に、AWSへの移行による機能強化やBCP(ビジネス継続計画)対応などを行いました。

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 移行の検討を始めたのは、メールストレージの保守期限が来て、ハードウェアを更新しなくてはいけないのがきっかけでした。でもこのストレージが高価で、2万人のメールを預かっているのでひと声何千万円の世界です。高価なので一人当たりにはそんなに容量を渡せなくて、一人あたり100メガバイトまででした。従業員からは「しょぼい」という声もありました。

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 Smileは延べで100台くらいのサーバで動かしていますが、これを20台ずつ入れ替えても5年がかりで、これもまた大変です。新しいサーバを買って、インストールして動いたらデータをコピーして、古いサーバの空き地にまた新しいサーバを入れてというのは、全然やりたい作業ではないですね。

 また、コンプライアンスの件でメールのアーカイブ機能がほしいという要望もありました。震災の後ですからディザスタリカバリも求められますし、社業がグローバルになっていくので、インターネットで利用できるものにしたいですね、というのもありました。

【次ページ】 オンプレミス、SaaS、IaaSの比較でIaaSに決定

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