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- 2016/12/14 掲載
ローソンやGUも採用の「セルフレジ」、今後はアマゾン「レジなし」の脅威に直面する
話題となったジーユーのセルフレジはICタグと連携
同取り組みが話題となったのは、その手軽さと短時間で精算が可能になることが大きい。ジーユーほどの人気店になると、レジ待ちで多くの人が列をなすことも少なくない。その時間の短縮効果があることはもちろん、店舗従業員の負担を軽減することも可能となる。
ジーユーでは、ICタグを各商品に添付して、商品情報の認識や、検品、盗難防止にも活用した。ICタグのなかでもコストが比較的安価なUHF帯ICタグは、大手アパレルが導入の検討を以前から進めているが、日本でのブレイクは一歩手前という状況だ。
実際、ジーユーほどの規模の企業が採用した場合、1店舗あたり数万枚を用意しなければならない。ジーユーでは、これまで実施していた4店舗に加え、銀座店でも無人レジの試験運用を実施している。
都会勤めの社会人などは時間に追われることも多く、商品を購入せずに帰宅してしまうケースがあったのは想像に難しくない。無印良品のセルフレジは、スーパーマーケットなどに設置されているセルフレジに比べコンパクトなため、限られたスペースでも設置することができる。
両社は2014年2月から「ICTを活用した次世代コンビニ」をオープンしており、同発表もこの取り組みの一環となる。2017年2月からはICタグを活用した実証実験を追加で行い、精算時のスキャン登録もなくす考えだ。
そのほか、イオングループをはじめ、イトーヨーカドー、西友など、大手スーパーマーケットでのセルフレジそのものの運用は当たり前になっている。ピーク時のレジ混雑を減らすことで、顧客のレジ待ちのストレスを軽減することにつながっているそうだ。
「フルセルフ」に加え、「セミセルフ」型も広がる
2010年以降は顧客が商品情報のバーコード読み取り、精算まですべて行う「フルセルフ」が主流だったが、近年では、店員が商品のバーコードを読み取り、来店客自身で精算する「セミセルフ」も広がってきた。「セミセルフ」では、商品の読み取りは従業員が行うため、商品の買い上げ点数が多い場合、フルセルフに比べレジの回転スピードを高めることにつながっている。
また、フルセルフの場合、バーコードが付いていない、ばら売りの生鮮食品などは顧客自身がタッチパネルで選択する必要があるが、商品スキャンに慣れたスタッフがその部分を担うことで効率が高まる。
逆に、商品の買い上げ点数が少ない場合、「フルセルフ」の方が役立つという声もある。そのため、商品が1~2点と少ない場合は「フルセルフ」、商品点数が多い場合は「セミセルフ」といったように、両機能を上手く使い分けることで、効率化につなげることが重要となる。
このように、セルフレジが普及する1つの要因として、労働力不足が挙げられる。完全失業者数が減少する一方で、サービス業では人手不足感が強くなっている。そういった悩みを解決する目的として、セルフレジを採用するケースもある。
【次ページ】今後は「レジなし」へと向かう!?
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