• 2015/06/25 掲載

AsMama(アズママ)甲田恵子社長に聞く、「子育てシェア」はなぜ生まれたのか?

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保育所探し競争を終え、新生活も2ヶ月が過ぎて、幼い子供たちも慣れてきたところ。しかし、急な発熱や残業でお迎えが間に合わないなど、ワーキングマザーの苦労は絶えない。こんな時に役立つのが「子育てシェア」というインターネットを使った取り組みだ。

中森 勇人

中森 勇人


中森勇人(なかもりゆうと)
経済ジャーナリスト・作家/ 三重県知事関東地区サポーター。1964年神戸生まれ。大手金属メーカーに勤務の傍らジャーナリストとして出版執筆を行う。独立後は関西商法の研究を重ね、新聞雑誌、TVなどで独自の意見を発信する。
著書に『SEとして生き抜くワザ』(日本能率協会)、『関西商魂』(SBクリエイティブ)、『選客商売』(TWJ)、心が折れそうなビジネスマンが読む本 (ソフトバンク新書)などがある。
TKC「戦略経営者」、日刊ゲンダイ(ビジネス面)、東京スポーツ(サラリーマン特集)などレギュラー連載多数。儲かるビジネスをテーマに全国で講演活動を展開中。近著は「アイデアは∞関西商法に学ぶ商売繁盛のヒント(TKC出版)。

公式サイト  http://www002.upp.so-net.ne.jp/u_nakamori/

リアルとネットの良いとこ取り

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 子供の送迎やお預かりが必要な時、ママ友やご近所さんに頼むことはままあること。これをシステム化したわけだが、わざわざネットを使わなくても直接頼めば良いのでは?そこには日本人特有の“遠慮”や“気兼ね”という障壁があるのだという。

 システムを運営する「AsMama」(本社・横浜市)の甲田恵子社長は「私自身も10歳になる娘の子育てをしながら仕事をしているのですが、過去にご近所さんやお友達に迎えを頼むことがありました。でも、帰り際に『お礼はどうしよう?』と悩んだり、断られて心が折れたり。だったら謝礼金を定額にして仲間同士で頼り合えばいいと考えたのです」と問題解決のカギを語る。

 子育てシェアの使い方はこうだ。

 まず、スマホ(パソコン)から無料の会員登録をする。その後はご近所さんやママ友、保育園仲間などに同じように会員登録と友達申請をしてもらう。後は困った時に子育てシェアで繋がっている人の中なら依頼をする人を選択(複数可)し、お預かりの時間や場所、オプションサービス(おやつ・夕飯・お風呂など)を入力して発信するだけ。瞬時に依頼先にメールが届き、条件の合った人から立候補の意思表示があり、その中から正式な依頼先を選ぶ。

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スマホとパソコンで子育てシェアー
 この間のやり取りは依頼人にしか見えないので、誰に頼んだか、誰が立候補したのか、誰にお願いしたのかは一切公開されない。依頼者から子供を預かった人への基本料金は1時間に付き500円~700円で交通費や食費などはオプションで指定した金額となる。こちらは現金で直接渡すかカード決済も可能。しかも、対象年齢が1歳以上なら最高5,000万円の保険が適用されるのだという。

 さて、システムの利用料や保険料、カード決済手数料だが、これらは全て無料。

 引っ越してきたばかりで友達がいないという方のために同社で研修を受けた「ママサポーター」が400名登録されており、こちらに依頼を出すこともできる。

 ただし、ママサポーターは全国で開催されている地域交流会や子育てフェアーで知り合いになる必要がある。

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子育てフェアー
 顔見知りにこだわる理由について甲田社長は「私もプロに子供を預けたことがありますが、知らない人に子供は不安を覚えます。でも、知り合いなら遊びに行く感覚なので安心できます。それにスマホを介すことで24時間いつでも依頼ができ、謝礼の気兼ねもありません」と話す。

 現在、登録者は2万5千人でイベントは年400回開催。80%以上の利用者がリピートし、月1,000人のペースで登録者が増えているのだという。

 子育てシェアを導入している企業や施設も増えており、新たな福利厚生としても注目を集めている。

 さて、気になるのはシステムの運営費がどこから出ているのか。

 「私は元々インターネット通信会社で広報やマーケティングの仕事をしていました。その経験や人脈が子育てに役立てられないかと2009年に起業。地域交流をしたいママ世代とショッピングモールや企業、施設を結びつけることで利用者の負担をゼロにするビジネスモデルを完成させたわけです」と話す甲田社長。次なる目標は新たな雇用として期待の高いママサポーターを1万人育てること。

 「自らの困った」を得意のフィールドでビジネス化する。仕事と家庭の距離感が近い女性ならではの発想だと言えるだろう。「ITは不便を便利にするスーパーツールです。電話をかける感覚でスマホでヘルプの依頼ができれば、子育てはもっと楽しくなると思います」と甲田社長は未来を見据える。


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