- 2015/06/25 掲載
AsMama(アズママ)甲田恵子社長に聞く、「子育てシェア」はなぜ生まれたのか?
リアルとネットの良いとこ取り
システムを運営する「AsMama」(本社・横浜市)の甲田恵子社長は「私自身も10歳になる娘の子育てをしながら仕事をしているのですが、過去にご近所さんやお友達に迎えを頼むことがありました。でも、帰り際に『お礼はどうしよう?』と悩んだり、断られて心が折れたり。だったら謝礼金を定額にして仲間同士で頼り合えばいいと考えたのです」と問題解決のカギを語る。
子育てシェアの使い方はこうだ。
まず、スマホ(パソコン)から無料の会員登録をする。その後はご近所さんやママ友、保育園仲間などに同じように会員登録と友達申請をしてもらう。後は困った時に子育てシェアで繋がっている人の中なら依頼をする人を選択(複数可)し、お預かりの時間や場所、オプションサービス(おやつ・夕飯・お風呂など)を入力して発信するだけ。瞬時に依頼先にメールが届き、条件の合った人から立候補の意思表示があり、その中から正式な依頼先を選ぶ。
さて、システムの利用料や保険料、カード決済手数料だが、これらは全て無料。
引っ越してきたばかりで友達がいないという方のために同社で研修を受けた「ママサポーター」が400名登録されており、こちらに依頼を出すこともできる。
ただし、ママサポーターは全国で開催されている地域交流会や子育てフェアーで知り合いになる必要がある。
現在、登録者は2万5千人でイベントは年400回開催。80%以上の利用者がリピートし、月1,000人のペースで登録者が増えているのだという。
子育てシェアを導入している企業や施設も増えており、新たな福利厚生としても注目を集めている。
さて、気になるのはシステムの運営費がどこから出ているのか。
「私は元々インターネット通信会社で広報やマーケティングの仕事をしていました。その経験や人脈が子育てに役立てられないかと2009年に起業。地域交流をしたいママ世代とショッピングモールや企業、施設を結びつけることで利用者の負担をゼロにするビジネスモデルを完成させたわけです」と話す甲田社長。次なる目標は新たな雇用として期待の高いママサポーターを1万人育てること。
「自らの困った」を得意のフィールドでビジネス化する。仕事と家庭の距離感が近い女性ならではの発想だと言えるだろう。「ITは不便を便利にするスーパーツールです。電話をかける感覚でスマホでヘルプの依頼ができれば、子育てはもっと楽しくなると思います」と甲田社長は未来を見据える。
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