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- 2018/03/26 掲載
BTジャパン吉田晴乃社長が語る、なぜデジタルが女性活躍を強力に後押しするのか
「女性活躍推進」と言いつつ、男女格差が拡大する日本
「その閣僚が参加した国際会議では、ランチ後に会議メンバーがなかなか会議室に戻らないことが頻発したそうです。そして会議が始まると、多数のメンバーの間ですでに合意形成ができている。実は、会議メンバーの多くは女性で、“本当の議論”はランチ後の女性のパウダールームで行われていたんです。しかし、日本の会議メンバーは男性ばかりなので“議論”に加われない。だから、その閣僚は『女性活躍推進は不可欠です』と言うのです(笑)」
2012年に世界銀行が公開した「世界における女性閣僚の割合」を見ると、日本の女性閣僚の割合は11.8%で、世界186カ国中112位と低い。ちなみに1位はノルウェー(52.6%)で、以下、2位スウェーデン(52.2%)3位アイスランド(50.0%)と、北欧諸国が上位を占める。
さらに日本は男女格差の度合いを示す「ジェンダーギャップ指数(2017年版)」でも、世界144カ国中114位と低い。安倍内閣は「すべての女性が輝く社会づくりを推進しています」とアピールしているが、この順位は過去最低だった前年の111位からさらに後退している。
こうした現状について吉田氏は、「ジェンダーギャップ指数の後退は恥ずべきこと。女性活躍推進は政府や経済界が一丸となって取り組む必要があります」と指摘する。
BTジャパン社長の「4足のわらじ」
今回、吉田氏は「The Digital Possible(デジタルがもたらす可能性)」をテーマに話を進めた。これは、BTがグローバルで打ち出しているスローガンでもある。吉田氏は「私が現在のキャリアパスを構築できたのは、デジタル化による労働環境の変革があったからです」と語る。「私は現在、『BTジャパンの社長』『経団連役員』『規制改革推進会議委員』『一人娘の母親』と、異なる4足のわらじを履いている状態です。これらすべての役割で100%の力を発揮し、利益と成果を出せているのは、どこからでも情報やリソースにアクセスできるモバイル環境があるから。こうしたデジタル革新は、女性活躍を強力に後押しします」(吉田氏)
だが、技術革新によって最新技術が利用できる環境があるにもかかわらず、日本企業の生産性は低い。グローバルではリモートワークや遠隔地からのビデオ会議、クラウド環境を利用したコラボレーションソリューションを活用する機運が高まっている。効率的に働いて生産性向上を実現しているグローバル企業がある一方、日本ではこうした新技術を積極的に導入する企業は限定的だ。
吉田氏は「日本では『電子メール』ではなく『伝書鳩』を使っているような労働環境の企業もあります。しかし、考え方によっては、改善の余地があるということです。洗濯機や掃除機、電子調理器具などが女性を家事から解放したように、デジタル化を推進し、業務の効率化を図らなければ企業の成長はありません。今後はあらゆる労働者に、多様な働き方を提供できる環境が求められます。ビジネスの観点から見ても、デジタル化による革新は必須なのです」と強調した。
【次ページ】「保育園落ちた日本死ね」の反省
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