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  • 2015/11/04

「プロの店」が絶好調!業務スーパーやコーナンPROが右肩上がりを続ける理由とは

イオンやイトーヨーカドーのようなGMS(総合小売店舗)の不振が話題になっているものの、全般的にはようやく1年半前の消費増税の悪影響を抜け出してきた感がある流通業。その中で、消費増税後の反動減もあまりなく好調が続いている業態が「プロの店」である。プロの料理人が食材を買いに来たり、プロの建設職人が道具を買いに来る。スーパーやホームセンターなど一般消費者向けの店とはまた違った苦労があるが、プロから信頼されたら手堅い商売ができるようだ。

経済ジャーナリスト 寺尾 淳

経済ジャーナリスト 寺尾 淳

経済ジャーナリスト。1959年7月1日生まれ。同志社大学法学部卒。「週刊現代」「NEXT」「FORBES日本版」等の記者を経て、経済・経営に関する執筆活動を続けている。

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神戸市西区の「業務スーパー押部谷店」
(写真:神戸物産提供)

飲食店が仕入れに来る業務用スーパーに急成長企業あり

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 街なかにある飲食店は、食材を一般消費者向けの商店やスーパーで買っていたら採算が厳しくなる。酒も米も肉も魚も野菜も調味料も、一般消費者向けとはまた別の「業務用」のルートで仕入れている。全国津々浦々に「業務用卸」のビジネスを行っている個人商店や企業がある。

 だが、卸売業の世界も流通革命と無縁ではない。たとえば街なかの零細な駄菓子店は、電話一本で菓子の卸問屋の人が商品を補充しに来てくれるわけではない。店主自らクルマを運転して幹線道路沿いにある「現金前売問屋」まで行き、その店舗内に陳列されている菓子をカゴに入れて、レジで現金精算して仕入れる。掛け売りはしない。見た目は一般のスーパーの買物風景とほとんど変わりないが、会員でないと入場も仕入れもできない。

 飲食店向けにもこの現金前売問屋と同じようなシステムの店舗があり「業務用スーパー」と呼ばれている。そこでは各種食材が一般のスーパーや小売店よりも安い価格で売られていて、飲食店の営業時間前で仕入れがピークの時間帯は、和・洋・中の料理人、バーやスナックのマスター、旅館や民宿を営む人など同業者で混みあう。業務用スーパーには「一般客お断り」の店も「一般客歓迎」の店もあり、後者は肉や野菜のまとめ買いをする一般消費者も訪れる。

 この、本来は「プロのための店」の業務用スーパーの業態に急成長している企業がある。その代表が神戸物産(本社・兵庫県稲美町)で、1981年に創業後34年間で年商2,140億円(2014年10月期)の東証1部上場企業に成長した。直近10年間の業績は、その途中にリーマンショックも東日本大震災も消費増税後の反動減もあったにもかかわらず売上高は一貫して右肩上がりの成長を続けていて、売上成長率2ケタの年も5度あった。

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神戸物産の売上高の推移(10月期決算)
(出典:各年度決算短信より)


 同社の特徴は、店舗の看板に書いてあるように「プロの品質とプロの価格」を掲げながら「一般のお客さま大歓迎」だということと、全国各地の業務用スーパーとフランチャイズ(FC)契約を結んで「業務スーパー」(登録商標)ブランドでチェーン展開を図っていること。今年9月末の総店舗数は708店舗だが、そのうち706店舗がFC店である。

 同社のFCのフランチャイジーにはホームセンターのカンセキ(栃木県)、食材宅配、食品スーパーのオーシャンシステム(信越地方、東北地方)、ディスカウンター、食品スーパーのマキヤ(静岡県、山梨県)、カー用品チェーンのG-7ホールディングス(東海地方、九州地方)のような上場企業もある。

 たとえばG-7ホールディングスの今年3月期決算では、神戸物産のフランチャイジー「G-7スーパーマート」が属する業務スーパー・こだわり食品事業が売上高6.4%増、営業利益3.7%増で、売上高8.0%減、営業利益40.4%減のカー用品チェーン「オートバックス」の不振をカバーして企業全体の売上高を0.1%のプラスにしていた(営業利益は20.5%減)。他のフランチャイジーも業務用スーパーの成長が全体の業績を下支えしている。

 そのFC総本部、神戸物産の今期2015年10月期の通期業績見通しは、8月に上方修正して売上高は6.5%増の2,280億円、営業利益は21.7%増の63億円、当期純利益は92.2%増の50億円と大幅増益を見込む。いま、業務用スーパーは流通業で最も元気な業態の一つと言っても過言ではないだろう。

【次ページ】プロの建設職人の目は厳しいが信頼されれば横のつながりは強力

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