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  • 2016/02/09

「復刊」が出版不況の中で注目される? 絶版・品切れ本のデータが明かすヒット作の秘密

出版不況が叫ばれて久しい昨今、売れる本やコンテンツを制作することに頭を悩まされているコンテンツメーカーは多い。こうした中で、過去のコンテンツの「復刊」への注目が集まっている。絶版・品切れ本をユーザーの投票で復刊させるWebサイト「復刊ドットコム」を運営する復刊ドットコムが、復刊までのプロジェクトや、復刊したコンテンツの具体例などについて紹介した。

フリーライター 井上 猛雄

フリーライター 井上 猛雄

1962年東京生まれ。東京電機大学工学部卒業。産業用ロボットメーカーの研究所にて、サーボモーターやセンサーなどの研究開発に4年ほど携わる。その後、アスキー入社。週刊アスキー編集部、副編集長などを経て、2002年にフリーランスライターとして独立。おもにロボット、ネットワーク、エンタープライズ分野を中心として、Webや雑誌で記事を執筆。主な著書に『キカイはどこまで人の代わりができるか?』など。

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出版不況の中で注目される復刊市場の今

出版不況の中でも一定の盛り上がりを見せる「復刊」

 絶版・品切れ本をユーザーの投票で復刊させるWebサイト「復刊ドットコム」を運営する復刊ドットコム。復刊をリクエストする方法は、基本的に復刊して欲しい本を、一般ユーザーが登録。それに対する投票が一定以上集まると、復刊ドットコムのスタッフが復刊の可否を含めて調査活動を開始する。復刊のメドが立てば出版社や著作者に交渉するという流れだ。

 復刊ドットコムの会員は約46万人(2015年8月発表時点)で、約5万タイトルの復刊リクエスト(総リクエスト数83万票)があり、うち約5000点が復刊されている。会員の年齢層は30代から50代がメインだが、最近は10代から20代の若年層も広がっている。意外だが、復刊リクエストは男性よりも女性のほうが多いそうだ。

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復刊ドットコム
取締役
岩本 利明氏
 オプンラボ主催セミナーに登壇した復刊ドットコム 岩本 利明氏は「最も人気のあるタイトルには、約5000件も投票されますが、たとえリクエストが多くても、復刊が難しいものもあります。これまでリクエストされた5万タイトルに対して、復刊できたのは約5000タイトル。1割バッターといったところ」と説明する。

 復刊を望む理由はさまざまだが、「昔読んだ本をもう一度読みたい」「名著なのに品切れ」「知人・署名人が進めてくれた」「中古品が高い」「よい本なので、皆に読んで欲しい」といった声が多い。こうしたユーザーのほとんどは、ネット検索や新聞・雑誌などのメディア、SNS、ブログなどを通じ、復刊ドットコムを知ってアクセスしてくるそうだ。

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復刊ドットコムとは

 復刊リクエストが多い人気カテゴリは、コミック、文芸書、エンタメ(アニメ・音楽・芸能)、専門書、児童書、実用書の順。岩本氏は「やはりコミックへのリクエストが多いです。専門書へのリクエストは少ないですが、数票の要望でも復刊したいという専門出版社もあります。母親が子供の頃に読んだ児童書、昔の料理本も人気があります」と説明する。

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 コミックに精通する同社 編集者 印口 崇氏は、これまでに復刊できたマニアックな作品について紹介した。たとえばSF漫画家で現在も人気が高い佐藤史生や、没後20年となる三原順の作品はマニア垂涎の復刊本だ。

「三原氏の複製原画集は、遺族から原画を提供していただき、ベスト20をファン投票で選んで、オリジナル表紙として9月に復刊します。商業誌だけでなく、ミニコミ誌の独自企画で著名作家が連なる幻の作品も復刊しています」(印口氏)

 5000票の最高リクエストを獲った岡田あーみんの作品などは、りぼん60周年ということで特別に許諾が得られて復刊が実現したものだ。また手塚治虫の「火の鳥」は、オリジナル雑誌でしか読めない作品が多く、復刊が望まれていた。

「手塚作品は、あとから加筆修正が加えられているため、オリジナルをたどることで当時の連載の流れが分かります。付録も広告も当時のままに再現し、資料価値の高い復刊本になりました」(印口氏)

【次ページ】復刊リクエストをオープンデータ化、復刊市場拡大を目指す

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