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- 2018/10/25 掲載
物流業界の世界ランキング:日本通運は何位?DHLやFedExとどう戦うべきか
ネット通販の台頭で脚光を浴びるも、物流網は崩壊寸前
物流業界が今、脚光を浴びている。物流業は人類の歴史とともに発展し、社会を支えるインフラとして重要な役割を果たしてきたが、これまでは「縁の下の力持ち」として目立たない存在だった。ところが、ネット通販の台頭で再び脚光を浴びることになった。
ネット通販は、PCやスマートフォンのボタンをクリックするだけで、いつでも、どこでも買い物ができ、商品も自宅に届けてもらえる。しかも、商品の検索、価格の比較なども一瞬でできるといった抜群の利便性を備えている。ネット通販は急激に伸びており、日本では今後しばらく、年10%前後の成長が見込まれている。
しかし、それが新たな問題を引き起こした。メーカー→卸→スーパーといったB2Bの大量物流に比べて、ネット通販の宅配などB2Cの小口物流は断然手間がかかる。しかも、単身者世帯や共働き世帯が拡大し、配達したときに受取人が不在であることも増え、宅配便の配送効率はどんどん低下している。
その一方で、物流業界は過当競争に巻き込まれ、荷主の物流費削減の要求に応じるため、合理化に次ぐ合理化を進めてきた。また、全国的な人手不足を背景として若年層の“物流業離れ”も加速している。こうして物流機能の余力はなくなり、宅配ニーズの急増に対応できなくなってしまっているのだ。
「物流業界」の基本
たとえば、島国である日本は、海外との貿易では海運と空運が欠かせない。高額品やスピード輸送が求められる生鮮食品などを除いて、大半が海運を利用する。また、国内物流はトラックによる陸運が主流だが、大ロットでスピード輸送が必要でない貨物は、運賃が安い内航海運や貨物列車を利用するケースも多い。
物流業界のプレーヤーとしては、陸運のメインであるトラック運送会社や鉄道会社、海運会社、空運を担う航空会社が挙げられるが、倉庫業や港湾荷役業なども物流業界に含まれる。
物流業はライフラインを握っているだけに、国内外を問わず国策的な色合いが強い。たとえば日本では、海運の日本郵船がナショナルライン的存在であるし、陸運の日本通運、JR貨物、空運の日本航空も、かつては国策会社だった。
だが、現在の世界の大手運輸業グループの多くは、国際的な総合物流サービスを展開しており、陸・海・空の輸送手段を兼備していたり、倉庫業や港湾荷役業を抱えていたりする。
国際物流では、運輸業でありながら、自社では輸送手段を持たず、集荷や配送、キャリア(輸送手段を持つ運輸業)への委託、通関手続きなどを取りまとめる「フォワーダー」というビジネスモデルが成長している。
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