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  • 2018/12/12

「二人っ子政策」に湧く子育て市場を席巻、中国ユニコーンのBabytree(宝宝樹)とは

2016年に中国で始まった、すべての夫婦に2人目の子どもを認める「二人っ子政策」。その影響下、ベビー・マタニティ市場が盛り上がっている。ソーシャルメディア世代の親たちは、子育て情報や家族の成長記録を共有し合ったり、オンライン上の口コミで商品・サービスの選別をしたりする傾向が強い。この市場機会をとらえ、889万人のユーザーを抱えるまで成長したのが育児コミュニティサイトの「宝宝樹(以下、Babytree)」だ。アリババからの出資を受け、ユニコーン企業として評価を受けるBabytree。その成長の秘密はどこにあるのだろうか。

佐藤 隆之

佐藤 隆之

Mint Labs製品開発部長。1981年栃木県生まれ。2006年東京大学大学院工学系研究科修了。日本アイ・ビー・エムにてITコンサルタント及びソフトウェア開発者として勤務した後、ESADE Business SchoolにてMBA(経営学修士)を取得。現在は、スペイン・バルセロナにある医療系ベンチャー企業の経営管理・製品開発を行うと共に、IT・経営・社会貢献にまたがる課題に係るコンサルティング活動を実施。Twitterアカウントは@takayukisato624。ビジネスモデルや海外での働き方に関するブログ「CTO for good」http://ctoforgood.com/を運営。

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Babytree CEO 王 厚澤(Wang Allen)氏
(出典:Babytree プレスリリース)

二人っ子政策で拡大したベビー・マタニティ市場

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 中国のベビー・マタニティ市場は、大きなビジネス機会として注目されている。毎年16%以上で成長し、2020年の市場規模は64兆円を超えるとの予測がある。市場拡大の背景には、いわゆる「二人っ子政策」がある。

 中国は1980年代に人口の急激な増加を抑制し社会制度の確立を進めるため、一人っ子政策を導入した。 しかし、近年は少子高齢化が急激に進み、労働人口はすでに2012年から減少に転じてしまった。そこで一人っ子政策は2015年末に撤廃されるに至り、すべての夫婦は2人目の子どもを持てるようになったのだ。

 二人っ子政策の開始により、中国では第二子が急激に増加した一方で、第一子の減少は続いている。2017年は第二子の出生数が前年に比べ162万人増えたものの、第一子の出生数が249万人減少したため、合計では出生数が減少してしまった。

 出生数の減少は、先進国で共通した課題となっている。 子育て世代の価値観の変化や、晩婚化、ストレスの増加といった複合的な問題によって、少子化が進行している。少子化は労働人口の割合を減少させるため、経済社会の持続的な運営のリスクとなる。出産・子育ての支援は社会的な意義を持つ。

ママの「知りたい」「つながりたい」を満たすBabytree

 最近子どもを持った親たちの動向の特徴として、ソーシャルメディアで情報収集を行っている点が挙げられる。米国の調査では、75%の親がソーシャルメディアを使って子育てに関する調べものをしたり、友人・知人からの助けを得たりしているという。 忙しい子育ての中でも、人とのつながりを保ち、興味・関心の近い仲間と情報をシェアし合うのにソーシャルメディアが有効なのは、米国に限らず、どの国でも見られる傾向だろう。

 そんな中国で有名な育児コミュニティサイトがBabytreeだ。2007年に創業された同社は、SNSコミュニティからEコマース、オンライン教育まで、ベビー・マタニティに関するオンラインサービスで市場を牽引してきた。ユーザー数は2017年時点で889万人を超え、これから妊娠したい女性、出産を控える妊婦、育児中の母親が書き込むQ&Aサイトが人気を集めている。

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Babytree のビジネスモデル

 Babytreeは2018年6月、アリババから出資を受けることを発表した。その評価額はおよそ21億9,000万ドルで、いわゆる「ユニコーン企業」の仲間入りを果たした。 中国市場の成長と、同社が展開する事業の可能性に大きな評価が与えられている。

【次ページ】巨大市場をねらう外資系企業の広告を握る

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