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  • 2018/12/10

「日本のエンジニアは給料が安い」SHIFT 丹下社長が指摘するIT業界の歪み

2005年創業で、もともとコンサルティングファームとしてスタートしたSHIFTは2009年から開始した「ソフトウェアテスト」事業をきっかけに大きく飛躍。2014年には東証マザーズへ上場し、2018年度も前年比 1.56倍となる約130億円の売上高となるなど、高い成長を続けている。ソフトウェアテストのアウトソーシングという新たな市場を切り拓いたSHIFT 創業者の丹下大 社長にエンタープライズ向けソフトウェア市場の現状、ならびにそのテスト市場、さらにはIT業界の構造上の問題点などを聞いた。

聞き手:ビジネス+IT編集部 松尾慎司、執筆:フリーライター 井上健語

聞き手:ビジネス+IT編集部 松尾慎司、執筆:フリーライター 井上健語

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SHIFT創業者・代表取締役社長 丹下 大 氏

「ソフトウェアテスト」のアウトソーサーとして躍進

──まずは、SHIFTの事業についてお聞かせください。

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丹下氏:簡単にいえば、ソフトウェアテストのアウトソーシングを行う企業です。これまでのお客さま数は1,000社以上にのぼり、検証してきたシステムは2,000数百製品を超えます。

 テストするシステムは、銀行や証券会社のシステムからERP、Webサービス、ゲームなど多岐にわたります。売上はエンタープライズ系が9割、ゲーム系が1割で、開発が終わった後のテストもあれば、上流の設計段階から支援させていただくこともあります。

 もともとはコンサルティング事業を行っていたのですが、2008年頃にECサイトの開発・運営をされている大手企業さまのシステムのテストをお手伝いしたのをきっかけに事業を本格化しました。

 当時、この企業では派遣会社から派遣された社員がテストを担当していたのですが、ノウハウもなければツールもない状態でした。それを我々が、テストの方法論を作り、ツールも作って、請負型のオンデマンドで提供できるサービスに変えたのです。

──2018年8月期は売上128億円と、前期比157%の勢いです。好調の理由は何でしょうか。

丹下氏:8月期決算では、前年同期比で売上高は約1.6倍、営業利益は約3.1倍に増えて、売上、利益ともに計画通りに推移しています。

 日本のIT市場の規模は約15兆円といわれ、そのうちソフトウェアテスト市場は約5兆円です。しかし、アウトソーシングされているのはまだ1%にすぎません。したがって、成長の余地はまだまだあると考えていますが、その背景には、IT業界のいびつな構造があると思います。

日本のIT業界は異常、「適切な分業制」がない

──いびつな構造というと具体的にはどういうことでしょうか?

丹下氏:1つは開発とテストを同じ人がやっていることです。プログラムを書く人とテストをする人は、もともと志向性が異なります。前者は、前のめりで新しいものを作りたいと考えるのに対して、後者はいまあるものをきれいにしたい、整頓したいと考えます。

 ところが、これまでは新しいものを作りたい人が、その労力の40%を割いてテストしていました。それは退屈で精神的にもつらい作業です。かつ、テストへの興味も薄いので、方法論もツールも生まれなかったのです。

 もう1つは、IT業界に適切な分業制がないことです。たとえば自動車産業であれば、エンジンを作る企業、ボディを作る企業、内装を行う企業……と分業体制ができています。

 ところがIT業界は、特定のITベンダーがすべてをやります。これは、自動車でいえば、フェラーリから軽自動車の部品まですべて1社で作っているようなものです。これは、他の産業には見られない異常な現象です。

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──なるほど。しかし、たとえば内部で使うアプリケーションを、テストだけのためにアウトソーシングすることには、抵抗の大きい企業も多いのではないでしょうか。

丹下氏:確かにその傾向はあると思います。そこで我々は、ソフトウェアテストに適した人を見つけ出すために「CAT検定」という独自の検定制度を作りました。その合格率はわずか6%です。しかし、CAT検定の合格者は、一般の人より生産性が3倍も高いのです。

 そして、この高品質のテストを、ほぼ同じコストで提供できるので、ソフトウェアを開発している企業に提案すると、ほとんどのお客さまが採用されます。特に成長している企業であればあるほど、優秀なプログラマーにテストをさせることを嫌がります。そんな時間があったら、プログラムを書いてほしいからです。したがって、いま、我々のサービスを利用されているお客さまは、成長している企業ばかりなのです。

【次ページ】日本のソフトウェア開発力は世界でも指折り

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