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- 2024/09/12 掲載
【チェックリスト付き】試せば変わる「離職防止策」、若手が定着する会社は何が違う?
そもそも、会社と社員を「結び付けるもの」は何か
離職防止策について述べていく前に断っておきたいことがあります。どんな会社であれ、離職者をゼロにはできません。大切なのは、会社の未来を担う優秀な社員に働き続けてもらうことです。昨今は、社員の定着を目的に和気あいあいとした雰囲気を大切にしようとする会社が増えています。しかし、どうしても仲良くできない相手はいて当然です。仲の良さを維持しようとする会社では、結局誰かに我慢を強いることになります。
待遇や福利厚生を改善するのも手ですが、どこまでできるかは限界があるでしょう。その点ばかりを大事にしていたら、より良い条件を見つけると社員はすぐに転職してしまいます。運動会や社員旅行、バーベキュー、誕生日プレゼントにも大した意味はありません。このような手を打っても社員は辞めます。
そもそも、会社と社員は何で結び付いているかというと、「個人の成長」という有益性です。個人の成長は会社にとっても社員にとっても大きなメリットですから、離職防止策を考えるには「会社がいかに個人を成長させられるか」という前提に立つことが大切なのです。
まず見直すべきは「評価」の仕組み、コツはシンプル
離職防止のためにまず必要なのは、明確な評価の仕組みです。自分の評価者が誰であり、何をすれば評価が得られるのか。こうした仕組みが不透明な状態では集中して仕事に臨めません。たとえば、評価者が決まっていない職場で、「ある管理職は良いと言っているが、別の管理職はいまひとつと判断したから今回は昇進を見送る」と言われたらどうでしょうか。あるいは、頑張って成果を残したつもりなのに「そんな結果は求めていない」と冷たくあしらわれたら……離職を検討して当然ではないでしょうか。
社員の成長を期すためには、評価者が必ず1人であること、上司と部下の間で解釈にズレが生じない形の目標が必要です。営業であれば売上目標などがありますが、バックオフィス系の職種でもミスやクレームの少なさ、顧客満足度、改善提案の回数など、数字で分かる目標を設定しましょう。
ただし、成長実感が得られる高い目標でなければいけません。
頑張れば手の届く目標では甘いのです。そのくらいの目標で満足するような環境だと、失敗しない人しか残らなくなります。もっと高い、始める前はできないと思える目標を定めたうえで、それに近づく過程で初めて本当の意味でのモチベーションが生まれ、その達成によって自分が成長したと実感できるのです。 【次ページ】昇給・昇進制度で見落とされがちな視点
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