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  • 2019/04/01

【基礎解説】オルタナティブデータを知るための4つのポイント

人工知能(AI)や機械学習(ML)の活用が注目される中、新たなタイプのデータが脚光を浴びている。それが「オルタナティブデータ」だ。政府や企業が公式に発表する統計データや決算データとは異なり、IoT(Internet of Things)機器や衛星画像、SNS(Social Network Service)などから得られる「非伝統的なデータ」を指す。オルタナティブデータの活用で、企業はどのようなメリットが得られるのか。ブルームバーグでエンタープライズデータ部門 グローバル責任者のジェラルド・フランシス氏に話を聞いた。

聞き手:ビジネス+IT編集部 松尾慎司 構成:鈴木恭子

聞き手:ビジネス+IT編集部 松尾慎司 構成:鈴木恭子

 

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ブルームバーグ
ジェラルド・フランシス氏


ポイント1:オルタナティブデータの特徴を理解する

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 フランシス氏はオルタナティブデータの定義を「新しいデータセット」だと説明する。オルタナティブデータの対義語として挙げられるのが、「トラディショナルデータ」だ。具体的には政府が公開した統計や、企業のESG(環境・社会・ガバナンス)情報、POSデータなどを指す。

 ただし、フランシス氏は「こうしたデータも数年前までは、新しいデータだと言われていた。だから、オルタナティブデータとは、『データのサイクル』で誕生する新しいデータセットだと考えてほしい」と説明する。

 近年、オルタナティブデータが活用されるようになった理由は、コンピュータ性能の向上による部分が大きい。さまざまなAIやMLの登場により、多様なデータでも迅速に分析できるようになった。

 以前であれば、複数のデータセットを分析するには、一定以上のコンピュータリソースと複雑なアルゴリズムが必要だった。しかし、現在はクラウドの普及で、ハイパフォーマンスなコンピュータリソースや分析ツールを安価に利用できる環境が整っている。

 これによりユーザーは複数のデータを組合せ、目的に応じた分析で、データを価値ある情報(インテリジェンス)に昇華させられるようになった。

 では、なぜ、今、オルタナティブデータが注目されているのか。その理由は、「トラディショナルデータでは見えなかったものが見えてくるためだ」とフランシス氏は説明する。

 現在、オルタナティブデータはヘッジファンドや投資銀行をはじめ、主にファンドマネージャーなどが投資の目的で利用している。投資行動に必要な情報や洞察を素早く得るために、オルタナティブデータから投資判断に必要な“材料”を見付けようとしているのである。

 具体的に考えてみよう。以前は衛星データを使わないと把握できなかった地政学的な知見は、特定のオルタナティブデータを分析することで詳らかになる。

 たとえば、アプリ利用情報(アプリインテリジェンス)プロバイダーである米Apptopia(アプトピア)のデータからは、「どの地域」で、「どのアプリ」が「どのくらい」ダウンロードされているのかを把握できる。こうしたデータを他のデータと掛け合わせて分析すれば、特定地域のトレンドが短期間で判明するというわけだ。

 今後、IoTデバイスが普及し、多様なデータが収集できるようになれば、オルタナティブデータの“幅”も広がる。新しいデータの種類と数が増加すれば、より顧客が必要とするデータセットの提供も可能になる。

 ただし、フランシス氏は「現在のオルタナティブデータもESG情報やPOSデータのように、時間が経てばトラディショナルデータになる。それが『データのサイクル』だ」と指摘する。

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ポイント2:オルタナティブデータの価値を見極める

 次に「オルタナティブデータの価値」について考えてみたい。企業は何を基準にオルタナティブデータの価値を見極めるべきなのか。フランシス氏は、「オルタナティブデータの価値は、それが顧客にとって必要かどうかで決まる」と語る。

 実は、ブルームバーグも20種類を超えるオルタナティブデータを提供している。具体的には金属在庫量に関する洞察、株式ブロガーのセンチメント、医薬品の承認、一般消費者の回遊行動や駐車場の混雑状況、建設認可、地政学リスク、アプリ活用状況といったデータセットだ。

 さらに2019年2月には、同社のWebサイト「ブルームバーグ・エンタープライズ・アクセス・ポイント」から、オルタナティブデータ・プラバイダーであるThasos、Apptopia、TipRanks、PredictWallStreet、RSMetrics、Orbital Insight、OWL Analytics、Predata、Evaluate、280First、Symphony Pharmaなどが提供するデータに簡単にアクセスできる仕組みを構築した。

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 ブルームバーグでは「クライアントが必要になるオルタナティブデータはすべて提供する」というスタンスだ。フランシス氏は、「我々は32年間に渡るデータ収集実績がある。たとえば、企業のリファレンスデータなどは、データフィールドの中で相関関係が把握できるよう、メタデータなどのインテリジェンスを追加して提供している。データ提供の方法も、オルタナティブデータを選択する際の判断材料の1つになるだろう」と説明する。

【次ページ】ポイント3:オルタナティブデータの活用方法を考察する

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