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  • 2020/11/24

ペットテックとは? なぜ日本で成長“確実”と言えるのか、注目製品も続々

ペットテックはペットを救えるか

デジタル技術でペットの飼い主を支援し、飼育環境を改善する「ペットテック」。世界市場規模は7年で4.44倍と予測される期待の成長市場である。日本もその例外でなく、むしろペットテック市場成長の条件がそろっている。だが、優れたペットテックをもってしても「人間とペットの共生社会」にはまだ遠い現実もある。国内のペットテック企業、シロップの大久保 泰介代表は「コロナ禍で巣ごもりの寂しさをまぎらわせるために飼われたペットが、飼い主が職場や学校に行き始めたら世話ができなくなり捨てられるのではないか」と危惧している。

経済ジャーナリスト 寺尾 淳

経済ジャーナリスト 寺尾 淳

経済ジャーナリスト。1959年7月1日生まれ。同志社大学法学部卒。「週刊現代」「NEXT」「FORBES日本版」等の記者を経て、経済・経営に関する執筆活動を続けている。

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ペットテックとは?
(Photo/Getty Images)


ペットテックとは? 世界市場規模は7年で4.44倍

 ペットテック(PetTech)とは、ペット(Pet)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、特に先端のICT、デジタル技術を応用してペット飼育者を支援する商品やサービスを指す。その市場が立ち上がったのは欧米、特に米国で、APPA(American Pet Products Association)の統計によると、2018年全米では約8500万世帯がイヌを飼い、ペット産業の消費額は725.6億ドル(約8兆円)に及ぶ。米国はまさにペット大国である。

 ペットにマイクロチップを装着し、行方不明になったら電波やGPS(衛星利用測位システム)で居場所を突き止めるIoT技術や、ペットの姿をモニタリングした画像をAI(人工知能)のディープラーニング(深層学習)を使って解析する技術、個々のペットを顔認証で識別する技術、センサーでペットの体重や尿の回数・量などのバイタルデータを収集・集積して解析し健康管理に役立てる技術など、さまざまな先端のテクノロジーが利活用されている。


 ペットテックは、ペット関連産業の中でも世界的規模で成長が見込まれる分野である。その成長性については、国内外の調査機関が市場規模の将来予測を発表しており、世界市場でも国内市場でも2020年代前半に大きな成長が見込まれている。

 米国のGlobal Market Insightsが2019年に発表したレポートによると、世界13カ国のペットテック市場規模は2018年の4.5億米ドルから2025年の20億米ドルへ4.44倍になり、2019~2025年のCAGR(年平均成長率)は24%と予測されている。地域別では北米市場のCAGRが55%と突出し、世界をリードする。

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世界のペットテック市場規模の将来予測

ペットテック成長の条件がそろう日本

 日本での成長も北米にまさるとも劣らない。矢野経済研究所が2019年に発表したレポートによると、日本のペットテック市場規模は2018年度の7.4億円から2023年度の50.3億円へ6.79倍の急成長を遂げると予測されている。日本市場のCAGRは47%で、北米の55%と比べて決して見劣りしない。

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日本のペットテック市場規模の将来予測

 2018年度のペット関連総市場規模が1兆5,422億円(矢野経済研究所調べ)にのぼる日本も、世界市場1,250億米ドル(約13兆円/英国のユーロモニター「The World Market For Pet Care」より)の1割強を占めるペット大国である。

 2017年にネコがイヌを逆転したペット飼育頭数(2019年で1857万5000頭/一般社団法人ペットフード協会調べ)は近年減少傾向にあるが、ペット市場全体のスケールは右肩上がりが続くとみられている。平均して飼い主がペット1匹あたり年間約8万3,000円をかける日本は、ペットテックでも米国と並んで将来有望な条件がそろっている。


 国内でICT技術を応用したペットテック商品が出始めたのは2016年頃からで、スタートアップだけでなく大手電機メーカー、ペット産業大手も参入した。時期的には「IoTおむつ」のような育児テックや「介護用ロボット」のような介護テックと同じ頃で、ペットと乳幼児、高齢者という違いはあれ、どれも「お世話をする人を助ける」という目的は同じである。

【次ページ】「ペットテック主要2分野」「注目のペットテック製品」

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