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  • 2019/10/07

日野自動車は2000万コスト削減、製造業のインドアポジショニング(屋内測位技術)活用

GPSが使えない屋内で、人やモノの位置をどうやって把握するのか。「インドアポジショニング」(屋内測位技術)のニーズは非常に高い。製造業やサービス業で活用が始まった屋内測位は、具体的に現場でどんな価値を生み出しているのか。

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写真左より、マルティスープ 代表取締役 那須俊宗氏、産業技術総合研究所 人間拡張研究センター スマートワークIoH研究チーム 研究員 一刈良介氏、住友電気工業 IoT研究開発センター行動計測モデル化技術グループ長 蔵田武志氏

スマートフォンを活用して屋内での位置を測定

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 2019年6月に開催されたInterop Tokyo 2019の併設イベント「ロケーション ビジネス ジャパン(LBJ)2019」のセッション「製造業で価値を生むインドアポジショニング」において、屋内測位技術に関わる3名が登壇した。

   まず、測位技術を用いた位置・空間情報ソリューションを提供するマルティスープの那須 俊宗 氏は「今後、位置・空間情報はインフラになると思います」と断言し、同社の屋内位置情報ソリューションについて紹介した。

 これまで屋内は、GPSが届かないため測位が難しいという課題があった。そこで近年は、Wi-Fi、ビーコン、歩行者自律航法(PDR:Pedestrian Dead Reckoning)、超広帯域無線(UWB:Ultra Wide Band)、可視光などを利用した測位技術が登場している。

 同社の場合は、アップルがBLE(Bluetooth Low Energy:低電力消費のBluetooth規格)を利用した「iBeacon」を提唱したことを受け、スマートフォンを活用した屋内測位技術の「iField indoor」(アイ・フィールド インドア)を開発した。

 iField indoorの原理は、室内や施設に複数のビーコンを置き、作業員が持つスマートフォンから受ける電波強度の違いを距離に置き換え、三角測量で位置を推定するものだ。スマートフォンの代わりに、IoTゲートウェイを使って位置を特定することもできる。

「今後、さらに測位技術が発達し、精度も良くなり、コストも下がるでしょう。我々は、測位データをコンテキスト化し、資産としてどのようにサービスに展開するかを考えています」(那須氏)

 iField indoorでは、計測データはサーバ経由でビジュアル化され、リルタイム位置、トラッキング、ヒートマップ、メッシュ、プロットなどの表示が可能だ。対象物の滞在エリアや歩行量、移動量などのチャートもレポートとして表示できる。

日野自動車のタイ・バンコク工場では、2000万円のコスト減

 那須氏は、iField indoorによる具体的な測位の事例として、病院や半導体製造工場、海外自動車工場の成功例を紹介した。たとえば福井大学病院では、看護師の位置情報を取得し、ナースコールの環境情報データと組み合わせてコンテキスト化している。

 また、大分県の半導体メーカーであるジャパンセミコンダクターでは、工場が古く、機械間の製品搬送を作業員が行っていることが作業のボトルネックになっていた。そこで、4万平方メートルの広大な工場内に約4000個のビーコンを設置し、現場リーダーが動線を見ながらイベントガイドツールで指示を出すようにしたところ、数千万円のコスト削減に成功したという。

 海外自動車工場における事例も紹介された。それは日野自動車のタイ・バンコク工場で、車両の動きを見える化したプロジェクトの成功例である。

「工場内では、フォークリフトとけん引車が動いています。それらが効率よく稼働しているかどうかを室内測位技術で調べました。稼働率は加速度センサーのデータから算出し、エリア定義を行って、どの時間にどのエリアで稼働しているのか、定量的・定性的な分析を繰り返しました。その結果、全75台中の10台を削減でき、2000万円の削減につながりました」(那須氏)

【次ページ】住友電気工業×産総研が開発した屋内測位システム事例

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