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  • 2020/10/19

なぜ今、タレントマネジメントが必要なのか?「5年で2.4倍」成長市場の最新動向

「タレントマネジメント」は、企業内の人材に関するタレント(能力)やスキルのデータを一括管理し、人材配置や育成などを通じてそのパフォーマンスの最大化を目指す管理手法だ。それを支援するITツール「タレントマネジメントシステム」は、市場規模が5年で約2.4倍、年平均で11%という成長が予測されている。業界の最新動向から、タレントマネジメントが今求められる理由が見えてきた。

経済ジャーナリスト 寺尾 淳

経済ジャーナリスト 寺尾 淳

経済ジャーナリスト。1959年7月1日生まれ。同志社大学法学部卒。「週刊現代」「NEXT」「FORBES日本版」等の記者を経て、経済・経営に関する執筆活動を続けている。

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今、日本の人事は変革期にある
(Photo/Getty Images)


タレントマネジメントとは? 注目される理由

 タレントマネジメントとは、企業で働く社員それぞれが持っているタレント(能力、才能)やスキル、経験などをデータとして可視化して管理し、人材の適正な配置、適切な評価や報酬の決定、教育・研修の実施、将来のリーダー候補者の選抜、プロジェクトの構成員の選抜などに役立て、ヒトの資源を「適材適所」にうまくマッチングさせる管理方法である。

 学歴や職歴、資格のような表面的なキャリアだけでなく、「こんなプロジェクトを経験している」「仕事ぶりが慎重、正確」「対人折衝をうまくこなす」といった業務経験やスキルをデータ化し、「この社員はこんな人物」という人材の全体像をはっきりさせることが、すべての前提になる。

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タレントマネジメントのイメージ

 そのため、たとえば「大学で第2外国語に中国語を選択していたから中国駐在候補にしよう。中国語の基礎は学んでいるから研修コストの節約になる」といった類の単純なものは、通常、タレントマネジメントとは呼ばない。

タレントマネジメントシステムの市場規模と将来性

 タレントマネジメントは、企業にとっては人材をうまく活用して最小のコストで最大の効果を目指すための手法だが、社員にとっては、時として夢や希望をあきらめざるを得ない結果をもたらす。それだけに、タレントやスキルの測定、将来の「のびしろ」の判定、特定の業務への向き/不向きの判断、目標設定などでは、本人を十分納得させられるだけの客観性、正確さ、公平さが必要になる。


 「この人は営業に向いていそうだ」「この人は総務で力を発揮しそうだ」など、人事担当者の長年の経験やカンに頼って人材配置していたのは、大企業でも大卒の幹部候補生が少なく、職種も業務もまだシンプルだった昭和の時代の話だ。令和の時代は、業務も、採用した人材も、求めるタレント(能力、才能)も、社会の価値観も多様化・複雑化している。正確なデータに基づいてより戦略的かつ効果的にタレントマネジメントを実施するには、ITの活用が不可欠なのである。

 IT調査会社のITRが2018年に調査した「ITR Market View:人事・人材管理市場2018」によると、タレントマネジメントツールの国内市場規模は、2018年の41億円から2023年には約2.4倍の100億円に達すると見込まれている。ツールだけでコンサルティングのようなサービスまでは含まれない数字だが、当面の間、年平均11%の2ケタ成長が続くと見込まれる有望市場である。

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国内タレントマネジメントツールの市場規模の推移と予測

いまだ発展途上、日本企業のタレントマネジメント

 タレントマネジメントは欧米企業で先行し、日本ではここ5、6年で急速に浸透した。このため、現状はまだ発展途上にある。

 採用、人事、教育など企業のヒューマン・リソース(HR)の調査を行っているHR総研が2019年10月に実施した「タレントマネジメントに関するアンケート調査」によると、タレントマネジメントを「知っている」「聞いたことがある」企業は全体の92%にのぼるが、「すでに自社で運用している」企業は全体の21%にとどまり、1001名以上の大企業でも36%だった。

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企業のタレントマネジメントの運用状況

 それでも、「関心はあるが、運用していない」企業が52%もあり、半数以上が近い将来の導入予備軍だと考えられる。

【次ページ】国内シェアは? 大企業より中小企業向けの市場が成長見込み

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