編集部 山田 竜司
ふくおかフィナンシャルグループ傘下のみんなの銀行が、開業5周年を迎えた。黒字化は遅れながらも、当初からの構想だった「BaaS(Banking as a Service=銀行機能を外部企業に提供する事業)専業銀行」に加え、金利のある世界の到来を機に「デジタルバンク」としての新たな取り組みも強化している。象徴的なのが、世界的大手の三菱UFJ銀行が同社のバンキングシステムを採用したことだ。メルカリも、海外のRevolutも、この銀行につながっている。なぜ大手は、地銀傘下のデジタル専業銀行の技術を選ぶのか。5年間の足跡から見えてきたのは、一銀行の成長ではなく、「銀行とは何を売る会社なのか」という定義そのものの変化だった。永吉健一頭取の言葉から、その中身を読み解く。
顧客が銀行アプリを開く前に、まずChatGPTに相談する──そんな時代が近づいている。OpenAIは個人資産管理機能「Finances」をプレビュー公開し、銀行・証券・カード・ローンに散らばった個人のお金のデータを1カ所に集め始めた。国内でも2026年7月28日、みずほ銀行が銀行として先駆けてChatGPTの中に自社アプリを出すなど、AIを金融の入り口とする動きは始まっている。AIが家計を丸ごと把握すれば、まず個人の投資判断が変わり、その先で銀行は金利や手数料とは別のものさしで選ばれることになる。では、そのとき銀行は何を失い、何で選ばれるのか。本記事では、個人投資家の判断がどう変わるのかを整理したうえで、AIが金融の入り口になったとき勝敗を分ける“3つの信頼”を読み解く。
この数十年、フィンテック企業の台頭などを背景に競争環境が厳しさを増す中、銀行のIT子会社には「単なるコストセンターからプロフィットセンターへ」といった役割転換が求められるようになってきた。しかし、その変革はいまだ道半ばの企業がほとんどだ。なぜ、思うように進まないのか。三菱UFJ信託銀行などのIT子会社である三菱UFJトラストシステムの取締役 兼 常務執行役員・小倉哲哉氏は、「DXのボトルネックは、技術ではなく、金融グループ全体の『投資構造の最適化』にある」と指摘する。それはどういうことなのか。同社の小倉氏に、銀行IT子会社が抱えるベンダー依存リスクやレガシーシステムといった現実的な課題、そしてそこから脱却するための方法について聞いた。