- 2025/05/25 掲載
上司の「進捗どう?」にどう答えるか…デキる人が実践する「理解」のプロセス(2/2)
上司にどう返事をする? 仕事ができる人の場合は…
A 終わってません
B ここまでできています。ご参考までに現状の資料をお送りします
C 明日までに終わるよう頑張ります!
さて、さっきの話を理解してもらえればわかると思うのですが、「相手の話を理解する」というのは、「事実整理」+「情報解釈」という方程式で成り立ちます。この順番を間違えたり、どちらかの過程が欠けてしまうと、相手の話を理解できなくなってしまいます。
たとえば、皆さんが上司からこんなことを言われたとします。
あのさ、この前お願いした仕事なんだけど、どう? どれくらい終わってる? 来週の金曜日が締め切りってことでお願いしてるわけなんだけど、実はさっきちょっと先方から、「現時点での進捗だけでいいので可能であれば教えてください」ってメールが来ててさ。どうでしょう? 上司はどんなことが言いたくて、この話をしているのでしょうか?
まず、上司の話を受けて「事実整理」をすると、こうなります。
- 来週の金曜日が締め切りの仕事の進捗が聞きたい
- なぜなら、この仕事の発注者(先方)から、「現時点での進捗だけでいいので可能であれば教えてください」とメールが来たから
という話ですね。そして、整理した2つの情報を結び付けて、「情報解釈」をすると、こんなことが言えると思います。
- 締め切りはまだ先だが、発注者から今の段階で確認のメールが入った
- そのため、締め切りを早める必要はないが、今見せられるものがあれば、発注者に見せておきたい
ここからわかることは、発注者に見せるために、現時点の進捗を聞かれているということです。ですからもし皆さんが、その仕事の進捗状況を「こんな感じです」と見せたら、おそらく上司は、「ありがとう!」と言って、その状況を発注者に伝えることでしょう。
理解力があって仕事ができる人というのは、この2つのプロセスを瞬時に終わらせて、「これでお願いします」と仕事の進捗状況を提出するでしょう。しかも、上司が先方に見せやすいように資料の整理をするのではないでしょうか。そうすると、「おっ、気が利くね!このまま送っちゃうわ!助かるよ!」と上司に喜んでもらえるはずです。
どちらが欠けてもダメ、失敗パターンからわかること
一方「理解力がない・仕事ができない」と言われてしまう人は、ここで、情報の整理をせずに「どれくらい終わってる?」という問いだけに答えてしまう人です。「全然終わってないです!」と答えてしまうと、上司も困ってしまいますよね。「全然終わってないって先方に伝えるのも、ちょっとやりにくいしなぁ」と。
「『どれくらい終わってる?』ってことは、『急いでくれ』ってことなんじゃないか? ってことは、来週金曜までにやればいいと思っていたけど、もっと急いだほうがいいってことですね!」
と考えてしまって、
「徹夜してでも明日までにやれってことでしょうか」
と伝えたら、上司から
「え!? そんなこと言ってないよ!?」
と言われてしまうかもしれません。もしかしたらそういう意図もあるかもしれませんが、事実ベースで考えるのであれば、上司は「先方から『現時点での進捗だけでいいので可能であれば教えてください』とメールが来た」としか言っていません。
ここでの失敗のパターンを整理すると、次のようになります。
- 「事実整理」だけをやっている人
=言われたことをそのままやるだけで、気が利かないと言われてしまう - 「事実整理」をしないままに「情報解釈」だけをやっている人
=自分の勝手な解釈が入ってしまって、「そんなこと言っていない」と言われてしまう
ですから重要なのは、「事実整理」をした後で、「情報解釈」をすることです。この2つを別個のプロセスとして捉えておかないと、「理解」はうまくいかないのです。
人材管理・育成・HRMのおすすめコンテンツ
PR
PR
PR