• 2025/08/05 掲載

現場が勝手に…ITツール「増やしまくり問題」、ガートナー流の“ド定番”の解決策(3/4)

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まず着手するべき「あの分野」

 この分業モデルの導入に際しては、セキュリティとITガバナンスをどう確保するかも重要な課題となる。

 林氏がまず必要と指摘するのは、ユーザー部門への教育だ。契約交渉のリテラシーと、情報セキュリティ、両側面の教育が必要になる。契約交渉リテラシー面では、過剰なライセンス取得や、不適切な無料ライセンスの継続使用を防ぐための教育だ。クラウド調達規定やマニュアルの一部として、契約時のチェックリストを準備する。情報セキュリティ面では、ユーザー部門の責任者に対し、自身が持つセキュリティの役割と責任を認識させることが必要になるという。ツールの採用時や棚卸しの際のリスク評価において、必要に応じて責任者と協働することで意識を醸成することが重要になる。

 その次に、推奨ツールを選定することも必要だと林氏は話す。同じような機能を持つSaaSを複数種類使う必要はないため、領域ごとに1つずつ推奨ツールを選定することが効果的だ。これにより、ツールの乱立防止、審査負荷の低減、部門間の相互サポートが可能となり、結果的にデジタル・ワークプレイスの進化を加速させる。

分業モデル導入で「噴出しがち」な不満

 ここまで見てきたようなポイントを押さえたとしても、分業モデルの導入当初は組織内で戸惑いが発生することが十分に考えられる。

 林氏は「導入当初は、『これまでIT部門が全部サポートしてくれたのに』『新規申請時に必要な情報を集められない』といった不満が出ることもあります。でも、ベンダーが作ってくれますし、数回のサイクルを経るうちに当たり前のプロセスになります。そうやって定着するまで頑張っていただきたいです」と林氏は話した上で、DXプロジェクトを行うような部門から限定的に開始すると、リスクや混乱を抑えられると指摘する。

 一方、定着後は新規ツールの把握と既存ツールの機能強化への対応が重要となる。新規ツールについては、デジタル・ワークプレイス関連のテクノロジー動向にアンテナを張っておく。また既存ツールの機能強化については、単一機能のSaaSがスイート化したり、生成AI機能が標準実装化されたりするケースが増えているため、その動向を把握しておくことが大事だと林氏は話す。 【次ページ】大成功した「あの有名企業」の事例とは
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