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  • 2010/12/13

iPadかReaderかGALAPAGOSか、端末・規格・流通で電子書籍を比較する(前編)

ソニーとシャープ、国内有力2社がいよいよ電子書籍リーダーの国内販売を本格化させた。アップルの「iPad」やアマゾンの「Kindle」などの海外勢が火付け役になり、にわかに注目を集める電子書籍市場。しかし、その世界は動き始めたばかりであり、流通や規格の標準化などの課題も山積みである。本稿では、変化の著しい電子書籍業界の動向をまとめて振り返るとともに、電子書籍リーダー(端末)、電子書籍規格、流通プラットフォームの3点にフォーカスして解説を進めていく。

池田冬彦

池田冬彦

AeroVision
富士総合研究所(現みずほ情報総研)のSEを経て、出版業界に転身。1993年からフリーランスライターとして独立しAeroVisionを設立。以来、IT系雑誌、単行本、Web系ニュースサイトの取材・執筆やテクニカル記事、IT技術解説記事の執筆、および、情報提供などを業務とする。主な著書に『これならできるVPNの本』(技術評論社、2007年7月)、『新米&シロウト管理者のためのネットワークQ&A』(ラトルズ、2006年5月)など多数。

2010年は電子書籍元年? ようやく始動した電子書籍の世界

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図1 アップルの「iBookstore」は「iPhone/iPad」アプリである「iBooks」からアクセスし、好みの本をオンラインで購入できる。日本でのサービス開始時期は未定。
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図2 「iTunes Store」の「ブック」カテゴリにアクセスすると、アプリ化した電子書籍を入手できる。また、雑誌・書籍用のリーダーアプリなども配布/販売されている。
 電子書籍の歴史は意外に古い。日本では世界に先駆けて2003年7月に松下電器産業(現パナソニック)が「Σブック(シグマブック)」、2004年3月にはソニーが「LIBRIe(リブリエ)」という電子書籍リーダーを発表し、それぞれ配信サイトを立ち上げた。しかし、ユーザーには支持されず普及には至らなかった。このようなことから、長らく電子書籍の世界は沈滞化していた。また、米国ではアマゾンが「Kindle」を2007年に発売したが、当時はヒットにはならなかった。

 こんな状況は、2010年1月28日。アップルが発表したタブレットコンピュータ「iPad」の発表で一変した。この発表の中で大いに注目されたのは、iPadというハードウェアの革新性もさることながら、ブックのオンラインストア「iBookstore」が提供されるというニュースだった。

 アップルは携帯音楽プレーヤ「iPod」とオンラインミュージックストア「iTunes Store」の成功で音楽流通の世界を変え、「iPhone」とアプリケーションストア「App Store」の成功でスマートフォンブームを牽引し、ソフトウェア流通の世界を変えた。そして、今度は「iPad」という新しいデバイスと「iBookstore」で電子書籍ビジネスを開花させようとしている。そのような期待が一気に高まり、2010年は空前の電子書籍ブームへと発展した。

 残念ながら日本の「iBookstore」では、2010年12月の時点では日本語で読めるブックは用意されていない。これは、まだ本サービスが日本での事業展開が行われてないためだ。しかし、そんな状況であるにもかかわらず、各出版社からは「独自アプリ」という形で電子書籍をアップルの「App Store」に続々とリリースされ、小説や実用書、コンピュータ書などさまざまなアプリ版の書籍がストアを賑わせている。

 このように電子書籍の世界が活発化したことを受け、アマゾンでは3世代目となる「Kindle」を2010年8月より発売を開始し、ソニーは2010年11月に、米国で先行発売していた電子書籍リーダー「Reader」を日本国内に投入することを決定。2010年12月より販売を開始する。また、シャープも2010年12月より「GALAPAGOS」という電子書籍リーダーを販売している。

 もっとも、単に閲覧用の端末さえあればいいわけではない。電子書籍が普及し、市場を形成するための条件は、次の3つと考えられる。

  1. 電子書籍リーダーやタブレットコンピュータなど端末の普及
  2. 電子書籍の規格の標準化
  3. コンテンツの拡充など、電子書籍流通プラットフォームの構築

 本連載ではこれらの3つのテーマを軸として、電子書籍の最新情報を順次お伝えしていく予定だ。1回目となる今回は、電子書籍リーダー、タブレットコンピュータの端末の動向にフォーカスして解説を進めていく。

【次ページ】電子書籍リーダーとタブレットコンピュータ、2つの端末の違い

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