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  • 2013/12/19

セブン&アイHD 村田紀敏 社長が語る、オムニチャネル時代に変革迫られる小売経営戦略

世界16の国と地域に5万店以上のネットワークを展開するセブン&アイ・ホールディングスは、卓越した情報力をもとに、コンビニエンスストア、スーパーストア、百貨店、銀行、ネットビジネスなど、多様な顧客のニーズに応える業態を擁し、グループシナジーを発揮している。国内外の消費環境が大きな節目を迎えている今、セブン&アイ・ホールディングスはいかなる“将来”を探っているのか、代表取締役社長の村田紀敏氏がPB(プライベートブランド)やオムニチャネル戦略を語った。

フリージャーナリスト 小山 健治

フリージャーナリスト 小山 健治

1961年生まれ。システムエンジニア、編集プロダクションでのディレクターを経て、1994年よりフリーランスのジャーナリスト、コピーライター。企業情報システム、BI、ビッグデータ、IT関連マーケティング、ストレージなどの分野を中心に活動中。著書に、「図解 情報・コンピュータ業界」(東洋経済新報社)、「One to One:インターネット時代の超マーケティング」(IDL)、「CRMからCREへ」(日本能率協会マジメントセンター)などがある。

小売業に求められる役割が変化している

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セブン&アイ・ホールディングス
代表取締役社長 最高執行責任者(COO)
村田 紀敏 氏
 セブン・イレブン・ジャパン、イトーヨーカ堂、デニーズジャパンの共同株式移転により、2005年9月に設立されたセブン&アイ・ホールディングスは、百貨店、食品スーパー、総合スーパー、コンビニエンスストア、フードサービス、金融サービス、IT/サービスの7つのドメインを中核とした事業を展開している。

 NECが開催した「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2013」の基調講演に登壇したセブン&アイ・ホールディングスの代表取締役社長であり、最高執行責任者(COO)を務める村田紀敏氏は、「私どもの店舗ネットワークは、いまやグローバルで約5万4000店、日本国内で約1万7000店に広がっており、2014年2月期決算においてグループ売上9兆6500億円を計画しています」と、ビジネスの現状を示した。これは2005年2月期との対比で170.8%増となる、まさに目を見張るような拡大だ。

 一方で村田氏は、「足元の消費環境は、決して安閑としていられるものではありません」と気を引き締める。1997年と比べた家計の最終消費支出の推移をみると、医療・保険や家賃・光熱費、交通通信が伸びているのに対して、食料・飲料、衣類・履物などは大きく低下している。また、個人消費額における年齢別割合を見ると、高齢化社会の到来を裏付けるように60歳以上の中高年齢層が全体の44.6%を占めるまでになった。

 加えて、消費者心理にも大きな変化が表れてきている。「とにかく安くて経済的なものを買う」という消費者は、2000年に50%を超えていたのだが2012年には41.2%に低下した。代わって「多少値段が高くても品質の良いものを買う」という消費者が、2000年の40%から2012年には46.4%に上昇しているのである。

 質の良い商品へのニーズ上昇、個食・少量ニーズ増加、家事時間の短縮、食の外部化進行、交通弱者の増加など、マクロ環境変化にともなう顧客ニーズや消費行動の変化の中で、小売業に求められる役割そのものが変化しているのである。「このような環境変化を踏まえた戦略を立てなければなりません」と村田氏は言う。

 そうした中でセブン&アイ・ホールディングスが現在推進しているのが、「質による商品の差別化」と「接客による現場力強化」を柱とした経営戦略である。

小売り主導のイノベーションを起こすPB(プライベートブランド)商品

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 セブン&アイ・ホールディングスが描く新たな事業のビジョンは、グループの販売力とインフラを活用した、シナジーを発揮することで実現される。2006年11月に発足した「グループMD(マーチャンダイジング)改革プロジェクト」のもとで議論を重ね、2007年に販売を開始したPB(プライベートブランド)商品「セブンプレミアム」は、その象徴的な取り組みだ。

 従来のNB(ナショナルブランド)商品は激しい価格競争にさらされており、差別化を打ち出すことは困難だ。一方で、セブンプレミアムは、それとは明確に異なる商品設計によるもので、小売り主導のイノベーションを呼び起こす基盤とも言える。2010年にはさらに「上質」にこだわり、人気専門店と同等以上の味を追求した「セブンゴールド」も登場した。

「2014年4月から始まる消費増税に対応するためにも、PB商品のさらなる強化は我々にとって最優先課題であり、新しい商品をどう開発していくのか、より価値の高い商品をどう改革していくのかがポイント」と村田氏は方針を示す。

【次ページ】オムニチャネルを制する条件

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