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  • 2013/12/17

NEC 遠藤信博 社長:CIOの役割の変化、現実世界のビッグデータで挑む社会価値創造

現在の社会は、人口爆発、資源・エネルギーの枯渇、環境破壊など、地球的規模のさまざまな課題に直面している。“人が生きる、豊かに生きる”サスティナビリティを実現するためには、ICT活用によって高度化された新しいインフラによる社会ソリューションが欠かせない。そこにNECグループは、どうアプローチしていくのか。同社 代表取締役 執行役員社長の遠藤信博氏が、新たな事業ビジョンを語った。

フリージャーナリスト 小山 健治

フリージャーナリスト 小山 健治

1961年生まれ。システムエンジニア、編集プロダクションでのディレクターを経て、1994年よりフリーランスのジャーナリスト、コピーライター。企業情報システム、BI、ビッグデータ、IT関連マーケティング、ストレージなどの分野を中心に活動中。著書に、「図解 情報・コンピュータ業界」(東洋経済新報社)、「One to One:インターネット時代の超マーケティング」(IDL)、「CRMからCREへ」(日本能率協会マジメントセンター)などがある。

ICT活用から生まれる、3つのビジネス価値

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NEC
代表取締役
執行役員社長
遠藤 信博 氏
 NECが2015年度を目標に進めている中期経営計画において、柱に位置付けているのが「社会ソリューション事業」だ。C&Cユーザーフォーラム& iEXPO 2013」で講演を行ったNEC代表取締役 執行役員社長の遠藤信博氏 は、そのビジョンを次のように語った。

「私たちを取り巻く社会は、人口爆発や食料問題など、地球規模で多くの社会的な課題に直面しています。これらの課題を解決し、社会のサスティナビリティ(持続可能性)を維持することで『人が生きる、豊かに生きる』ためには、ICT活用による高度化された社会インフラの構築が必要です。NECグループは、独自性や競争優位性のあるICTアセットを数多く保有しています。この強みを活かすことで、私たちの日常生活になくてはならない、世界中のインフラのさらなる高度化を図っていきます」

 もちろん、ICTによって高度化されたこの社会インフラは、企業の経営課題の解決にも役立つものであり、新たな社会価値を創造していくという。

 具体的にNECが目指す価値創造とはいかなるものなのか。遠藤氏は、かつて業務の効率化やコスト削減を課題としてきたCIO(最高情報責任者)の役割が、現在では新事業の創出やビジネスモデル変革、マーケティングの高度化、顧客サービスの向上、販売・生産現場の革新など、CMO(最高マーケティング責任者)やCEO(最高経営責任者)の領域にまで拡大していることに言及。企業におけるICT活用に大きな変化が起きていることを示唆する。

 ICTを上手く活用することで、企業は「Efficiency」(高効率性:業務効率化、コスト削減、省エネ、廃棄ロス削減など)、「Value Creation」(新規価値の創造:売上向上、ブーム予測、価格・需要予測、顧客分析、購買動向分析、キャンペーン効果測定など)、「Dependability」(安定性:故障検出・診断、品質管理、品質向上、歩留まり削減、コンプライアンス、安心・安全な環境など)の3つの価値を向上することができる。

「こうしたICTの革新が、従来からのビジネス効果を不連続かつ飛躍的に拡大(=ビジネス遷移)させ、投資したコスト以上の価値を生み出していくのです」(遠藤氏)

革新性をもったプラットフォームがリアルタイム/ダイナミックな社会を実現

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 ICT革新による価値創出の原動力として、NECが特に注力しているのが、「プラットフォームの価値」と「データ利用の価値」の2つである。

 順を追って説明していこう。まず「プラットフォームの価値」とは、革新性をもったプラットフォームにより、リアルタイム/ダイナミックなサービス提供(マーケティング、デジタルサイネージ、コールセンター、流通サービスなど)や、リモートマネジメント(ロボットの遠隔操作、自動車のオートドライブなど)を実現するものだ。

「NECは、これを支える基盤技術として、大量データをリアルタイムに処理することができる世界最速の高速ストリーム処理技術を有しています」(遠藤氏)

 高速ストリーム処理技術を簡単に言えば、連続的に発生する大量データ(ストリームデータ)とあらかじめ設定された条件(パターン)を、データを蓄積することなく高速にマッチングさせるものだ。CEP(Complex Event Processing:複合イベント処理)を高速化することで、道路の渋滞状況、電車の運行情報、電力の使用状況など、刻一刻と変化していく現実世界の動きをリアルタイムに察知し、その時々の状況に応じたアクションを迅速に起こすことができる。

 昨今、ネットワークでつながったさまざまなセンサーやスマートデバイスが収集するマシンデータを、人手を介することなくシステム系で処理するM2M(Machine to Machine)型のサービスが注目されている。高速ストリーム処理技術は、まさにこのM2Mサービスの核心となるものなのだ。

【次ページ】センシング技術を活用した情報収集・分析の高度化

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