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- 2014/12/10 掲載
西武ライオンズ、観客数過去最高・黒字転換への道のり 営業を支えたクラウド活用とは
球界再編の大きな引き金になった連結決算の導入
ここ数年は好調なプロ野球界だが、2005年には大きな落ち込みを経験した。前年2004年に球界再編が起こり、大阪近鉄バファローズがオリックス・ブルーウェーブに吸収されて消滅し、オリックス・バファローズとなった(いずれも当時)。また東北楽天ゴールデンイーグルスが誕生したのも2005年だ。
さらにその中でライオンズは、球団改革をしなければプロ野球事業が継続できない、という状況にまで追い込まれた。
その理由は大きく3つある。まず西武グループが事業再編を行っていく中で、やはりこれ以上、赤字の球団を維持し切れなくなったこと、次に2007年に過去最低の観客動員数になってしまったこと、そして球界再編以降、パ・リーグの他球団が改革を進めており、このままではライオンズだけが取り残されてしまうこと。
そこで2008年から、プロ野球事業をライオンズに集約して、事業改革を進めた。
2008年以前、プロ野球事業でライオンズが携わっていたのはチームの運営だけで、それ以外の興行面やスタジアム運営などは親会社の西武鉄道が行っていた。しかしこの時には、誰がどこまでの責任を負うのかが曖昧だったり、また意思決定の場面でも時間がかかっていた。
光岡氏は「今後黒字化を目指すためには、責任の所在を明らかにし、事業のスピードアップも図っていかなければならない。そのためにプロ野球事業を全てライオンズに集約した」と語る。
そしてライオンズが目指したのが、“勝敗に左右されない事業環境作り”だ。
「優勝するチームの勝率は6割前後。裏を返せば、ファンの方が10回観戦に来ても、4回は負け試合を観てしまうということだ。来場時の満足度が試合の勝ち負けだけにリンクしてしまうと、リピーターとして来ていただけるお客さまを確保することは非常に難しい。そこでチームはあくまで勝利を目指すが、我々事業側は勝敗に左右されない環境作りを目指すという方針を立てて、事業に取り組んだ」(光岡氏)
【次ページ】顧客管理もExcelで行っており限界に来ていた
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