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  • 2015/02/26 掲載

地方で働いて感じたデザイナーに求められる役割 「地域特有」を活かしてデザインする

世界のフリーランス: グラフィックデザイナー 小野寺 いずみ氏

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東京や福岡でグラフィックデザイナーとして活躍した後、夫が農業生活をするため共に種子島へ移住した小野寺 いずみ氏。デザインの「需要」も「概念」も都会とはまったく異なる離島で、どのように仕事をし、地域の人やものなどと関わっていったのか。そして日々の生活や仕事環境はどのようなものなのか。地方に移住してからのワークスタイルの変化や、地方でデザイナーとして働くことの意義について小野寺氏に話を聞いた。

都会から離島へ移住、環境の応じて意識も変化

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小野寺 いずみ氏は東京や福岡でグラフィックデザイナーとして活躍した後、夫が農業生活をするため共に種子島へ移住

――グラフィックデザイナーというと、都市部でバリバリ仕事をしているイメージがありますが、 小野寺さんはなぜ、種子島で働くことにしたのですか?

小野寺 いずみ氏(以下、小野寺氏)■2012年に家族で種子島へ旅行に来た時、とても島を気に入り、それから半年、あれよあれよという間に旦那が農業をする為に「家族で移住する」ということになって(笑)。 私自身は、島ではデザインの需要はまったくないだろうとポートフォリオも持たず手ぶらで移住したんです。

ところがある時、市役所の方と話す機会があって、特に考えなく「デザインをしていた」という話をしたんです。すると意外にも相手にすごく興味を持って頂いて、そこであわててポートフォリオを作成してお見せしたんです。それがきっかけで、一番はじめにお祭りの手ぬぐいのデザインをさせていただきました。

移住したての頃は、以前の仕事関係のつながりで依頼が来たり、インターネットのフリーランスデザイナーに登録して、お仕事をいただいていました。そんなことをしている内に、いつのまにか屋号を持つ事となり、市の商工会にも入り、県のデザイン業のエキスパートとしても登録させていただいて、種子島、屋久島、また日本全国からのデザインのご相談にも乗るようになっていったんです。

――種子島と東京との仕事環境の違いってありますか?

小野寺氏■東京にいたときは、保育園に子供を預けて、ヘッドホンで音楽を聞きながら自分の世界を確保して、地下鉄や電車にのってお客様のところへ行って提案をしていました。それが今では、青い空と青い海と赤いハイビスカスが広がる中、車の窓を開けて風を入れながら、ガンガンに音楽をかけて、背中に子供をおぶいながらご提案に向かいます。 同じデザインの仕事でも、この環境でできるのは本当に嬉しいですね。

――仕事の内容に関して変化はありましたか?

小野寺氏■私のデザインのひとつ一つが“地域のイメージ”にかかわるので、今までとは違う責任の重さを感じます。とても難しいけど、とても面白いことをさせてもらっている。楽しんでお仕事をさせてもらっていますね。

それと、都会にいた時と意識が変わりました。今までは「会社の為のデザイン」だったのですが、今は「社会の為のデザイン」というような感じです。現在は“デザイン”が、島=日本をひっぱっていく若い世代の方々の力になれるのではないかと思いながら、作っています。人より少しだけ絵をかいたり、ものを作ったりするのが好きだった私が、「気持ちを伝えるためのデザイン」を勉強し始めて、それを必要としている方がいる所に住んでいる…。今、自分にとって本当のデザインの仕事をさせて頂いている気がしています。

また、インターネットを通じて、種子島にいながら日本全国のデザインをさせていただけることも、ほんとうに面白いなとおもいます。世界のデザインのお仕事も種子島から発信してみたいですね。

【次ページ】「昔からある商店街の看板屋さんだと思ってほしい」

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