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  • 2015/05/25

竹中平蔵氏が地方創生へ提言、特区とコンセッションで地方主体の成長戦略を描こう

統一地方選挙が終わり、安倍政権はアベノミクス第三の矢の柱となる地方創生に向け、本格的に取り組もうとしている。2020年の東京オリンピックを控え、日本が全世界の注目を集める今こそ、地方の再生にまたとないチャンスなのだが、地方は少子化と過疎、高齢化による人口減少で存亡の危機に立たされている。どうすれば地方の再生へ道を開き、新たな成長戦略を軌道に乗せることができるのか。政府産業競争力会議、国家戦略特別区域諮問会議のメンバーを務める竹中平蔵慶応大学教授が語った。

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慶応大学総合政策学部教授
アカデミーヒルズ理事長
パソナグループ取締役会長
竹中 平蔵 氏
 安倍政権が推し進める経済政策・アベノミクス。第一の矢は大胆な金融緩和、第二の矢は機動的な財政政策、それに続く第三の矢が、民間投資を喚起する成長戦略だ。地方創生はその柱の一つと位置づけられ、苦境が続く地方の熱い注目を集めている。東京都内で開かれた地方創生に関するセミナーで、慶応大学教授の竹中平蔵氏は「地方を発展させる原動力はそこに住んでいる人たちの力。ただ、既得権益の壁と戦うタフな気持ちがなければ実現しない」と成否の鍵を地域が握っていることを強調した。

アベノミクス効果は順調

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 長引く不況にあえいでいた日本経済は、アベノミクス効果でようやくデフレから脱出し、上向き始めた。日経平均株価が今年になって2万円を回復したほか、有効求人倍率も1をすでに超え、食不足から人手不足の時代に変わろうとしている。

 「Microsoft CityNextソリューションフォーラム 2015」の基調講演に登壇した竹中氏は「2013年1年間で日本の株価は57%上昇した。1980年代のバブル経済時で年平均上昇率が40―50%だから、それに匹敵する状態になりつつある。政策としては大成功だ」と、アベノミクス効果に力を込めた。

 しかし、地方からは景気回復の実感がないという声が相次いでいる。この点について竹中氏はドイツの構造改革が10年近い年月をかけて成功した例を挙げ、「日本全体が良くなっても全員が良くなる保証はないが、全体が良くならない限り全員が良くなることはない。今は全体をよくしようと国を挙げて努力している段階だ」と述べ、地方での景気回復実感にはもう少し時間がかかるとの見方を示した。

 景気回復に冷水をかけたのが、2014年春の消費増税だった。政府は短期的に財政出動を増やして対応したものの、消費の落ち込みに歯止めをかけることができなかった。「結局、昨年1年間はゼロ成長に終わった。(消費増税は)前の野田政権が決めたことなので、やむなく実行したが、景気回復に大きなマイナスとなった」と振り返った。

 アベノミクスについて金融緩和や財政政策はそれなりに評価されてきたが、成長戦略に関してはこれまで批判的な声が多かった。だが、英国紙・エコノミストは「過去にないことをやり始めた」と評価したほか、フィナンシャル・タイムズは「政治的に実現は困難」としながらも「方向は間違っていない」と好意的な論調を掲載した。竹中氏は「日本の経済政策が欧州でここまで注目され、評価されたことはない。このまま成長戦略を推し進めていけば、国内の評価も流れが変わる」と、現在の政府の方針に誤りがないことを強調した。

【次ページ】地方創生に求められる「覚悟」

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